知っておきたい!痔の原因と東洋医学的アプローチ

知っておきたい!痔の原因と東洋医学的アプローチ

東洋医学を知りたい

先生、「痔」って東洋医学ではどういう意味ですか?

東洋医学研究家

良い質問ですね。西洋医学では「痔」は肛門の病気ですが、東洋医学では、肛門に限らず、直腸やその周りの血管がふくらんでしまった状態を指します。

東洋医学を知りたい

つまり、西洋医学でいう「痔」よりも、東洋医学でいう「痔」の方が広い範囲を指すんですね!

東洋医学研究家

その通りです。東洋医学では、肛門だけでなく、直腸の奥の方の血管がふくらんでいる状態も「痔」と捉えることがあるんです。

痔とは。

東洋医学で「痔」と呼ばれるものは、肛門の少し内側にある、静脈の集まりである直腸静脈叢の血管が、ふくらんで太くなってしまうことを指します。

痔の種類と症状

痔の種類と症状

– 痔の種類と症状

日本人の多くが経験するといわれる痔。これは、肛門の内側や外側にできる静脈の瘤のことを指します。便を出す時に出血したり、肛門の周りが腫れて痛みを感じたりと、様々な症状が現れます。痔は、できる場所によって「いぼ痔」「切れ痔」「あな痔」の3つの種類に分けられます。

-いぼ痔-は、肛門の内側や外側に、いぼ状の腫れができる痔です。出血を伴うこともありますが、痛みはほとんどありません。初期段階では自覚症状がない場合も多いですが、悪化すると、排便時にいぼ痔が肛門の外に飛び出すことがあります。この状態を脱肛といい、強い痛みを伴うこともあります。

-切れ痔-は、その名の通り、肛門の皮膚が切れてしまう痔です。排便時に強い痛みを感じ、出血することもあります。便秘や下痢によって肛門に負担がかかると切れ痔になりやすく、痛みによって排便を我慢してしまうことで、さらに症状が悪化してしまうケースも少なくありません。

-あな痔-は、肛門の奥にある「肛門陰窩」という部分が炎症を起こす痔です。肛門陰窩に細菌が侵入することで炎症が起こり、強い痛みや膿が出るといった症状が現れます。発熱することもあり、重症化すると手術が必要になる場合もあります。

痔の症状は、いずれの種類も似ている部分が多く、自己判断は危険です。少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。

痔の種類 症状
いぼ痔 ・肛門の内側や外側に、いぼ状の腫れができる
・出血を伴うこともあるが、痛みはほとんどない
・悪化すると、排便時にいぼ痔が肛門の外に飛び出す(脱肛)こともあり、強い痛みを伴うこともある
切れ痔 ・肛門の皮膚が切れてしまう
・排便時に強い痛みを感じ、出血することもある
・便秘や下痢によって肛門に負担がかかると切れ痔になりやすい
・痛みによって排便を我慢してしまうことで、さらに症状が悪化してしまうケースも少なくない
あな痔 ・肛門の奥にある「肛門陰窩」という部分が炎症を起こす
・肛門陰窩に細菌が侵入することで炎症が起こり、強い痛みや膿が出る
・発熱することもあり、重症化すると手術が必要になる場合もある

痔の主な原因

痔の主な原因

– 痔の主な原因

痔は、肛門周辺の血管や組織が腫れたり、うっ血したりすることで発生する、私たちにとって身近な病気です。一体なぜ、痔になってしまうのでしょうか?

痔の主な原因は、肛門への負担にあります。

現代社会において、デスクワークなど長時間座りっぱなしの姿勢を強いられる機会は少なくありません。長時間座り続けることで肛門への圧力がかかり続け、血管に負担がかかってしまいます。また、便秘になると排便時に必要以上にいきんでしまうため、これも肛門に大きな負担をかける原因となります。

妊娠・出産も、肛門に大きな負担がかかる原因の一つです。大きくなった子宮が血管を圧迫することで血流が悪くなり、さらに出産時にはいきむため、痔を引き起こしやすくなってしまうのです。

食生活の乱れも、痔と密接な関係があります。辛いものやアルコールの過剰摂取は、肛門周辺の血行不良を引き起こし、痔の原因となることがあります。

さらに、冷え性や運動不足も、血行不良を招きやすく、痔のリスクを高める要因となります。

このように、痔は日々の生活習慣と大きく関わっています。痔を予防するためにも、バランスの取れた食生活や適度な運動を心がけ、肛門への負担を軽減することが大切です。

原因 詳細
肛門への負担 – 長時間座りっぱなし
– 便秘によるいきみ
– 妊娠・出産
食生活の乱れ – 辛いものやアルコールの過剰摂取
冷え性・運動不足 – 血行不良

東洋医学における痔の見方

東洋医学における痔の見方

– 東洋医学における痔の見方

東洋医学では、人間の身体を、自然界と調和しながら変化する一つの小宇宙として捉えます。そして、「気・血・水」と呼ばれる要素が、体内をくまなく巡り、互いに影響し合うことで、健康が保たれているとされています。

痔も、この「気・血・水」のバランスが崩れることで起こると考えられています。具体的には、肛門周囲における「気・血・水」の流れが滞ることで、様々な症状が現れると考えます。

「気」は、生命エネルギーそのものを指し、全身を循環することで、身体を温めたり、臓器を動かしたりしています。この「気」の流れが滞ると、冷えが生じたり、肛門周囲の血流が悪くなります。

「血」は、血液を指し、全身に栄養を運んだり、老廃物を回収したりする役割を担います。「気」の滞りによって血流が悪くなると、「血」もまた滞りやすくなり、肛門周囲に老廃物が溜まりやすくなります。

「水」は、血液以外の体液全てを指し、身体の潤りを保つ役割をしています。「気」と「血」の滞りは、「水」の巡りにも悪影響を及ぼし、むくみや炎症を引き起こします。

このように、東洋医学では、痔を「気・血・水」の乱れが、肛門周囲に局所的に現れた状態として捉え、その根本的な原因を探っていきます。

要素 役割 痔への影響
生命エネルギー
身体を温めたり、臓器を動かしたりする
気の滞りにより
・冷えが生じる
・肛門周囲の血流が悪くなる
血液
栄養を運んだり、老廃物を回収したりする
血流が悪くなることで
・肛門周囲に老廃物がたまりやすくなる
血液以外の体液
身体の潤いを保つ
気と血の滞りにより
・むくみや炎症を引き起こす

痔に対する東洋医学的アプローチ

痔に対する東洋医学的アプローチ

– 痔に対する東洋医学的アプローチ

東洋医学では、痔は単なる肛門の病気ではなく、身体全体のバランスの乱れが原因で起こると考えられています。そのため、西洋医学のように外科的な治療を行うのではなく、身体の根本的な原因にアプローチすることで痔の改善を目指します。

東洋医学における痔の治療では、鍼灸治療漢方薬の処方食養生生活習慣の改善といった多角的な方法を用います。

鍼灸治療は、身体に点在するツボと呼ばれる特定の部位に鍼を刺したり、お灸で温めたりすることで、気・血・水の巡りを促し、自然治癒力を高めます。痔の治療においては、肛門周辺の血行不良や炎症を改善する効果が期待できます。

漢方薬は、一人ひとりの体質や症状に合わせて、生薬を組み合わせて処方します。身体の内側から根本的な原因に働きかけ、痔の改善を促します。また、再発しにくい体作りを目指します。

食養生では、暴飲暴食を避け、消化の良い温かい食事を心がけることが大切です。特に、冷たい食べ物や飲み物は、身体を冷やし、血行不良を引き起こす可能性があるため、控えめにしましょう。また、食物繊維を豊富に含む野菜や海藻類を積極的に摂ることで、便通を改善することも有効です。

規則正しい生活習慣を送ることも、痔の予防・改善には欠かせません。十分な睡眠をとり、適度な運動を取り入れることで、血行を促進し、ストレスを軽減することができます。

東洋医学では、このように身体全体のバランスを整えることで、痔の症状改善だけでなく、再発予防や健康増進にも繋がると考えられています。

治療法 説明
鍼灸治療 – 身体の特定のツボに鍼を刺したり、お灸で温めたりする。
– 気・血・水の巡りを促し、自然治癒力を高める。
– 肛門周辺の血行不良や炎症を改善する。
漢方薬 – 一人ひとりの体質や症状に合わせて、生薬を組み合わせて処方する。
– 身体の内側から根本的な原因に働きかけ、痔の改善を促す。
– 再発しにくい体作りを目指す。
食養生 – 暴飲暴食を避け、消化の良い温かい食事を心がける。
– 冷たい食べ物や飲み物は控えめにする。
– 食物繊維を豊富に含む野菜や海藻類を積極的に摂る。
生活習慣の改善 – 十分な睡眠をとる。
– 適度な運動を取り入れる。
– 血行促進、ストレス軽減効果が期待できる。

日常生活での予防と改善策

日常生活での予防と改善策

– 日常生活での予防と改善策

毎日の生活の中で、便秘にならないように気を配ることが大切です。食事は、野菜や海藻類など、食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂るように心がけましょう。また、体内の水分が不足すると便が硬くなってしまうため、こまめな水分補給も重要です。
適度な運動も、腸の活動を活発にしてくれるので、便秘の解消に効果が期待できます。毎日忙しいと運動の時間が取れない方もいるかもしれませんが、軽い体操や散歩など、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。デスクワークなどで長時間座りっぱなしになる場合は、1時間に一度は席を立って軽くストレッチをするなど、血行が悪くならないように工夫することも大切です。
身体が冷えると、腸の働きも鈍くなってしまうと言われています。冷えやすいと感じている人は、服装で調節したり、温かい飲み物を飲んだりするなど、身体を冷やさないように心がけましょう。また、香辛料がきついものやアルコールの飲み過ぎは、血行不良を引き起こす可能性があるので、控えめにする方が良いでしょう。

項目 詳細
食事 食物繊維を豊富に含む食品(野菜、海藻類など)を積極的に摂る
水分補給 こまめな水分補給を心がける
運動
  • 適度な運動(腸の活動の活性化)
  • 軽い体操や散歩など、無理のない範囲で体を動かす
  • デスクワーク中は1時間に一度は席を立ち軽くストレッチ
冷え対策
  • 服装で調節する
  • 温かい飲み物を飲む
控えるもの
  • 香辛料がきついもの
  • アルコールの飲み過ぎ
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