東洋医学が考える『めまい』の原因と対処法

東洋医学が考える『めまい』の原因と対処法

東洋医学を知りたい

先生、『目眩』って東洋医学ではどんな意味ですか? めまいと関係あるんですか?

東洋医学研究家

いい質問だね! 実は、『目眩』は西洋医学でいう「めまい」とは少し違うんだ。東洋医学では、目がかすむことに加えて、めまいがする状態を指すことが多いんだよ。

東洋医学を知りたい

へえー!じゃあ、目がかすむだけだと『目眩』とは言わないんですか?

東洋医学研究家

その通り! 目がかすむだけなら『目眩』とは言わずに、『目昏』と表現するんだ。このように、東洋医学では、症状を細かく分けて考えることが多いんだよ。

目眩とは。

東洋医学で用いられる「目眩」という言葉は、目がくらむだけでなく、景色がぼやけて見える状態を指します。

めまいとは

めまいとは

– めまいとは

-# めまいとは

東洋医学では、めまいは単なる立ちくらみとは捉えず、体内のバランスが崩れたサインとして重視します。東洋医学では、人体を流れる目に見えないエネルギーである「気」、血液である「血」、そして体液である「水」、この3つの要素が調和を保つことで健康が維持されていると考えます。めまいは、特にこの気・血・水の巡りが滞ることによって引き起こされると考えられています。

では、なぜ気・血・水の巡りが滞ってしまうのでしょうか?その原因は、過労やストレス、不眠、食生活の乱れなど、現代社会に潜む様々な要因が考えられます。長時間労働や人間関係のストレス、過剰な情報による脳の疲労、睡眠不足、栄養バランスの偏った食事や冷たい飲食物の摂り過ぎなどは、いずれも気・血・水のバランスを崩し、めまいを引き起こす原因になり得ます。

東洋医学では、めまいの症状が出ている場合は、その背後に潜む根本的な原因を探ることから治療が始まります。そして、食事療法や鍼灸治療、漢方薬の処方など、患者様の体質や状態に合わせて、気・血・水のバランスを整え、体の内側から自然治癒力を高めることを目的とした治療を行っていきます。

めまいの原因 具体的な原因 治療法
気・血・水の巡りの滞り 過労やストレス、不眠、食生活の乱れなど 食事療法、鍼灸治療、漢方薬の処方など

東洋医学におけるめまいの種類

東洋医学におけるめまいの種類

– 東洋医学におけるめまいの種類

東洋医学では、めまいは単なる症状の一つとして捉えるのではなく、体全体の気のバランスの乱れとしてとらえます。そのため、めまいが生じる原因や、それに伴う症状によって、細かく分類されます。その中でも代表的なものが、「気が上衝するタイプ」と「気が下陷するタイプ」の二つです。

「気が上衝するタイプ」は、過剰なストレスや興奮、怒りなどにより、気が頭にのぼりすぎてしまう状態を指します。ちょうど、熱い湯気が勢いよく上に吹き上がるように、体の中のエネルギーが上半身、特に頭に集中してしまうイメージです。そのため、めまいの他に、顔が赤くなる、のぼせる、頭痛がする、イライラしやすい、怒りっぽいといった症状を伴うことが多いです。

一方、「気が下陷するタイプ」は、疲労や睡眠不足、長年の病気、過労などで体が弱り、気が下半身に滞ってしまう状態を指します。例えるなら、植物に元気がなく、枝葉がしおれて垂れ下がってしまっているような状態です。このタイプのめまいでは、顔色が悪くなる、冷えを感じる、体がだるい、疲れやすい、食欲不振、下痢といった症状がよく見られます。

東洋医学では、このようにめまいの種類を細かく分類することで、その人の体質や状態に合わせた適切な治療法を選択することが可能になります。

めまいのタイプ 原因 症状
気が上衝するタイプ 過剰なストレス、興奮、怒りなど
→気が頭にのぼる
・めまい
・顔が赤くなる
・のぼせる
・頭痛
・イライラしやすい
・怒りっぽい
気が下陷するタイプ 疲労、睡眠不足、長年の病気、過労など
→体が弱り、気が下半身に滞る
・めまい
・顔色が悪くなる
・冷えを感じる
・体がだるい
・疲れやすい
・食欲不振
・下痢

めまいに効果的な食事

めまいに効果的な食事

– めまいに効果的な食事

めまいは、多くの人が経験するよくある症状ですが、東洋医学では、体内の気の乱れや血流の滞り、水分の偏在などが原因で起こると考えられています。そのため、食事療法はめまいの改善に効果が期待できるとされ、重要視されています。

東洋医学では、めまいのタイプによって、効果的な食材が異なります。 気を補う必要がある場合は、米、大豆製品、山芋、きのこ類などが良いでしょう。これらの食材は、胃腸の働きを助け、体全体のエネルギーを補給する効果があるとされています。また、血の巡りを良くする必要がある場合は、ほうれん草、小松菜、ひじき、黒きくらげなどを積極的に摂るようにしましょう。これらの食材には、血液をサラサラにする効果や、体を温める効果があるとされ、血流改善に役立ちます。さらに、体内の水分の偏在が原因でめまいがする場合は、小豆、ハトムギ、冬瓜などを食べるようにしましょう。これらの食材には、利尿作用やむくみを解消する効果があるとされ、体内の水分バランスを整えるのに効果的です。

食事は、毎日の積み重ねが大切です。バランスの取れた食事を心がけ、上記のような食材を積極的に取り入れることで、めまいの症状を和らげ、体質改善を目指しましょう。 ただし、症状が重い場合や、食事療法を行っても改善が見られない場合は、自己判断せずに、医療機関を受診し、専門家の指導を受けるようにしてください。

めまいのタイプ おすすめの食材 効果
気虚(ききょ)
(気不足)
米、大豆製品、山芋、きのこ類 胃腸の働きを助け、体全体のエネルギーを補給する
血虚(けっきょ)
(血の不足)
ほうれん草、小松菜、ひじき、黒きくらげ 血液をサラサラにする、体を温める、血行促進
水毒(すいどく)
(体内の水分の偏在)
小豆、ハトムギ、冬瓜 利尿作用、むくみ解消、体内の水分バランスを整える

日常生活でできるめまい対策

日常生活でできるめまい対策

めまいは、回転性、浮動性、ふらつきなど、さまざまな症状が現れ、日常生活に支障をきたすこともあります。しかし、めまいの多くは、日常生活の中で少し意識を変えることで予防・改善することができます。

まず、重要なのは睡眠です。睡眠不足は、自律神経のバランスを崩し、めまいの原因となります。夜は早めに就寝し、朝は決まった時間に起きるなど、規則正しい生活を心がけましょう。質の高い睡眠をとるためには、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用は控え、リラックスできる環境を整えることが大切です。

適度な運動も効果的です。軽い散歩やストレッチなどは、血行を促進し、自律神経のバランスを整える効果も期待できます。激しい運動は逆効果となる場合もあるため、自分の体力に合わせた運動を選びましょう。

ストレスは、めまいだけでなく、さまざまな不調を引き起こす原因となります。趣味やリラックスできる時間など、自分なりのストレス解消法を見つけ、心身の安定を保つようにしましょう。深く呼吸をする、瞑想するなども効果的です。

食生活の改善も大切です。栄養バランスの取れた食事を心がけ、暴飲暴食は避けましょう。水分不足もめまいの原因となるため、こまめな水分補給を心がけましょう。

これらのことを心がけることで、めまいを予防・改善し、健康的な毎日を送ることができます。

めまい予防・改善策 具体的な方法
睡眠 – 夜は早めに就寝し、朝は決まった時間に起床する
– 就寝前のスマホ・PCの使用を控える
– リラックスできる環境を整える
運動 – 軽い散歩やストレッチを行う
– 激しい運動は避ける
– 自分の体力に合わせた運動を選ぶ
ストレス対策 – 趣味やリラックスできる時間を持つ
– 深呼吸や瞑想
– 自分なりのストレス解消法を見つける
食生活 – 栄養バランスの取れた食事を心がける
– 暴飲暴食を避ける
– こまめな水分補給

専門家への相談

専門家への相談

– 専門家への相談

めまいは、日常生活で頻繁に経験する症状の一つですが、その原因は様々です。軽い立ちくらみから、激しい回転性のめまい、吐き気を伴うものまで、症状も多岐にわたります。多くの場合、めまいは一過性のもので自然に治まりますが、中には重篤な病気が隠れているケースもあるため注意が必要です。

めまいがひどい場合や、改善が見られない場合は、自己判断せずに専門家に相談することが大切です。西洋医学では、めまいの原因を特定するために、聴力検査やMRI検査などを行います。一方、東洋医学では、めまいは体のバランスが崩れた状態だと捉え、その原因を突き止めます。東洋医学では、問診や脈診、舌診などを行い、体質や症状に合わせた根本的な治療を行います。

鍼灸治療は、体のツボに鍼を打ったり、お灸を据えたりすることで、気の流れを整え、めまいを改善します。また、漢方薬は、体の内部から働きかけ、めまいの原因となる体質を改善していきます。

専門家のアドバイスを受けることで、めまいを根本から改善し、健康な状態を取り戻しましょう。自己判断は禁物です。

項目 詳細
めまいの症状 – 軽い立ちくらみ
– 激しい回転性のめまい
– 吐き気を伴うめまい
めまいの原因 – 多様
– 一過性のものから重篤な病気まで
西洋医学的アプローチ – 原因特定のための検査 (聴力検査、MRI検査など)
東洋医学的アプローチ – 体のバランスの乱れと捉える
– 問診、脈診、舌診
– 体質・症状に合わせた根本治療
– 鍼灸治療:ツボへの刺激で気の流れを整える
– 漢方薬:体の内部から体質改善
専門家への相談 – めまいがひどい場合や改善が見られない場合は必須
– 自己判断は禁物
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