突然目が赤い？それは暴風客熱かも！

突然目が赤い？それは暴風客熱かも！

暴風客熱とは？

– 暴風客熱とは？

暴風客熱とは、東洋医学において、強い風と熱の邪気によって目に起こる病のことを指します。これは、西洋医学でいうところの急性結膜炎に相当します。

春先など、風の強い暖かい日に、熱を帯びた風が目に侵入することで発症すると考えられています。その名の通り、まるで風に飛ばされてきた熱が目に飛び込んでくるようなイメージです。

具体的な症状としては、目が赤く充血したり、目やにが出たり、目がごろごろするといったものがあります。また、かゆみを感じたり、光をまぶしく感じたりすることもあります。特徴的なのは、その発症の早さです。朝起きたら、まるで昨日までとは違うかのように目が真っ赤に腫れていた、というようなケースも少なくありません。

暴風客熱は、適切な治療を行えば、比較的早く治る病気とされています。しかし、そのまま放置しておくと、視力に影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。もし、気になる症状が出た場合は、自己判断せず、早めに医師の診断を受けるようにしましょう。

原因と症状

– 原因と症状

東洋医学では、健康な状態を保つためには、体内のエネルギーである「気」の流れが滞りなく、陰陽のバランスが取れていることが重要だと考えます。

暴風客熱は、文字通り「暴風のように勢いの強い邪気である「風邪（ふうじゃ）」と、熱性の病邪である「熱邪」が組み合わさって体に侵入する」ことで起こるとされています。

風邪は、その名の通り風のように動きが速く、変化しやすい性質を持っています。そのため、症状が急激に現れ、目のかゆみ、充血、涙が出るなどの症状を引き起こします。また、熱邪は炎症を引き起こす性質があり、熱感、目の痛み、まぶたの腫れなどの症状が現れます。

これらの症状は、風邪やインフルエンザなどの感染症に伴って現れることも多く、特に春や秋など、気温の変化が激しい季節に多く見られます。これは、体の抵抗力が弱まっているときに、風邪や熱邪が侵入しやすくなるためだと考えられています。

暴風客熱の治療法

– 暴風客熱の治療法

暴風客熱は、強い風と熱によって引き起こされる眼病です。そのため、治療の第一歩は、体内に侵入した風熱を取り除き、炎症を鎮めることです。そのために、東洋医学では、鍼灸治療や漢方薬を用いた治療法が効果的です。

鍼灸治療では、顔や足にあるツボを刺激することで、滞った気血の流れをスムーズにします。特に、目の周囲にあるツボを刺激することで、炎症を抑え、痛みや充血などの症状を和らげます。

漢方薬は、患者の体質や症状に合わせて、様々な生薬を組み合わせた処方がなされます。例えば、熱を取り除く効果がある葛根湯や、解毒作用を持つ銀翹散などが用いられます。これらの漢方薬は、身体の内側から風熱を取り除き、自然治癒力を高めることで、暴風客熱の症状を改善へと導きます。

日常生活では、目を清潔に保つことが大切です。目をこすったり、汚れた手で触れたりすると、症状が悪化することがあります。洗眼や目薬の使用も効果的ですが、自己判断で市販薬を使用せず、必ず医師や薬剤師に相談してから使用してください。

日常生活での予防法

– 日常生活での予防法

東洋医学では、目は五臓六腑の精が表れていると考えられており、特に肝との関係が深いとされています。そのため、目のトラブルである暴風客熱を予防するには、肝の働きを健やかに保つことが重要です。

まず、暴風客熱の原因となる風熱の邪気が体内に侵入するのを防ぐために、外出時には帽子やサングラスを着用し、風や紫外線から目を守りましょう。また、乾燥した空気は目の粘膜を傷つけ、炎症を起こしやすくするため、加湿器を使用するなどして、室内の湿度を適切に保つように心がけましょう。

暴風客熱は、体の防衛力が低下している時に発症しやすいため、免疫力を高めることも重要です。バランスの取れた食事を心がけ、特に緑黄色野菜や魚、海藻類など、肝の働きを助ける食材を積極的に摂るようにしましょう。また、十分な睡眠をとり、体を休ませることも大切です。適度な運動も、血行を促進し、免疫力を高める効果が期待できます。軽いウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で行うようにしましょう。

目の疲れを感じた時は、温めたタオルで目を温めたり、ゆっくりと目を休ませるようにしましょう。目の疲れを溜めないようにすることも、暴風客熱の予防に繋がります。

暴風客熱は、適切な治療と予防を行うことで、症状を改善し、再発を予防することができます。目のトラブルでお悩みの方は、東洋医学の専門家にご相談ください。