秋の乾燥に注意!燥氣傷肺とは

秋の乾燥に注意!燥氣傷肺とは

東洋医学を知りたい

先生、『燥氣傷肺』って、どういう意味ですか?漢字が難しくてよく分かりません。

東洋医学研究家

そうだね。『燥』は乾燥しているという意味で、『氣』は空気中にある目に見えないものを指すんだ。つまり、『燥氣』は乾燥した空気のこと。この乾燥した空気が肺を傷つけてしまうことを『燥氣傷肺』と言うんだよ。

東洋医学を知りたい

乾燥した空気が肺を傷つけるんですか?

東洋医学研究家

そうなんだ。例えば、秋に空気が乾燥すると、咳が出やすくなったり、喉が痛くなったりするよね?東洋医学では、こうした症状も『燥氣傷肺』と考えて、肺を潤す治療をするんだよ。

燥氣傷肺とは。

東洋医学の言葉である『燥氣傷肺』は、乾燥した悪い気が肺の潤いを傷つけることで起こる病気の変化のことを指します。このため、肺が持つ、呼吸を通して体中にエネルギーを行き渡らせたり、体内の水分を調節したりする働きが損なわれてしまいます。

燥氣傷肺とは

燥氣傷肺とは

– 燥氣傷肺とは

-# 燥氣傷肺とは

東洋医学では、自然界と人体は密接に繋がっていると捉え、季節の変化が身体に様々な影響を及ぼすと考えます。秋は空気が乾燥し始める季節ですが、この乾燥した空気のことを「燥邪(そうじゃ)」と呼びます。

燥邪は、その名の通り、身体から水分を奪う性質を持っています。特に、呼吸を通して外界と直接触れ合う「肺」は、燥邪の影響を受けやすい臓器です。肺は、体内に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する呼吸機能だけでなく、体内の水分代謝にも深く関わっています。

秋の乾燥した空気によって肺が乾燥してしまうと、肺の潤いである「肺津(はいしん)」が不足し、「燥氣傷肺(そうきしょうはい)」という状態に陥ると考えられています。肺津は、肺の正常な機能を保つために欠かせないものです。肺津が不足すると、空咳や痰が絡む、喉の渇き、肌の乾燥などの症状が現れます。

燥氣傷肺は、秋に多く見られる症状ですが、近年では、エアコンの使用や食生活の変化などにより、秋以外の季節でも起こりやすくなっています。日頃から、乾燥した空気や冷たい空気を避け、十分な水分補給を心がけることが大切です。

項目 説明
燥氣傷肺とは 秋の乾燥した空気(燥邪)によって肺が乾燥し、肺の潤い(肺津)が不足した状態
原因 秋の乾燥した空気(燥邪)
エアコンの使用
食生活の変化
影響を受ける臓器
症状 空咳
痰が絡む
喉の渇き
肌の乾燥

肺の働きと燥氣傷肺

肺の働きと燥氣傷肺

– 肺の働きと燥氣傷肺

東洋医学では、肺は「気を主る」臓器と考えられています。気とは、生命エネルギーのようなもので、呼吸によって体内に取り込まれ、全身に送られます。そして、血液の循環や体温調節など、生命活動の根源となります。肺は、体中に気を送り届ける重要な役割を担っているのです。

また、肺は「水道を通調する」働きも持ちます。これは、体内の水分の循環と代謝を調整する働きを指します。体内に取り込まれた水は、肺の働きによって全身に運ばれ、不要な水分は汗や尿として体外に排出されます。この水分の循環が滞ると、むくみや尿の出が悪くなるなど、体に様々な不調が現れます。

秋になると、空気中の水分が減少し、乾燥した状態になります。この乾燥した空気のことを「燥邪(そうじゃ)」といい、体に悪影響を及ぼす邪気の一つと考えられています。そして、この燥邪によって引き起こされる肺の病気を「燥氣傷肺(そうきしょうはい)」といいます。

燥氣傷肺になると、肺の機能が低下し、咳や痰、喉の渇き、皮膚の乾燥などの症状が現れます。さらに悪化すると、呼吸困難や喘息などを引き起こすこともあります。特に、元々呼吸器系が弱い方や高齢者は、燥氣傷肺になりやすいので注意が必要です。

項目 説明
肺の働き
  • 気を主る:呼吸によって気を取り込み、全身に送ることで生命活動を維持する
  • 水道を通調する:体内の水分の循環と代謝を調整する
燥氣傷肺(そうきしょうはい)
  • 秋の乾燥した空気(燥邪)によって引き起こされる肺の病気
  • 症状:咳、痰、喉の渇き、皮膚の乾燥、呼吸困難、喘息など
  • 特に呼吸器系が弱い方や高齢者は注意が必要

燥氣傷肺の症状

燥氣傷肺の症状

– 燥氣傷肺の症状

になると、空気の乾燥が目立つようになります。東洋医学では、この乾燥した大気を「燥邪(そうじゃ)」と捉え、この燥邪が体に侵入することで様々な不調を引き起こすと考えます。特に、呼吸器系は燥邪の影響を受けやすく、「燥氣傷肺(そうきしょうはい)」という状態になりやすいと言われています。

燥氣傷肺になると、空咳が出やすくなります。これは、乾燥した空気が喉を刺激し、炎症を起こすためです。咳が出ても、痰はあまり絡まず、喉の奥がイガイガとした不快感が続きます。また、が出ても、ネバネバとして切れにくい状態になります。

さらに、口や喉の渇きも特徴的な症状です。体内の水分が不足し、潤いが失われることで、強い渇きを感じます。また、皮膚も乾燥しやすくなり、カサカサしたり、痒みが出たりすることがあります。

便秘も、燥氣傷肺に見られる症状の一つです。これは、体内の水分不足によって、腸の動きが低下するために起こります。便が硬くなり、排便が困難になります。

これらの症状は、いずれも肺の機能低下が関係しています。東洋医学では、肺は「」を主り、全身に潤いを与える働きがあるとされています。燥邪によって肺の機能が低下すると、この「気」の巡りが滞り、体内に潤いが行き渡らなくなるのです。

症状 説明
空咳 乾燥した空気が喉を刺激し、炎症を起こすため。痰はあまり絡まず、喉の奥がイガイガとした不快感が続く。
ネバネバとして切れにくい状態。
口や喉の渇き 体内の水分が不足し、潤いが失われるため。
皮膚の乾燥 カサカサしたり、痒みが出たりする。
便秘 体内の水分不足によって、腸の動きが低下するため。便が硬くなり、排便が困難になる。

燥氣傷肺の予防法

燥氣傷肺の予防法

– 燥氣傷肺の予防法

秋の乾燥した空気は、私たちの体に様々な影響を及ぼします。特に、呼吸器系への影響は大きく、東洋医学では、乾燥した空気が肺を傷つけると考えられています。これを「燥氣傷肺」と言います。

燥氣傷肺を予防するには、乾燥した空気から肺を守る対策が重要です。外出時は、マスクを着用することで、乾燥した空気を直接吸い込むことを防ぎましょう。また、室内では、加湿器を使用する、濡れタオルを干すなどして、適切な湿度を保つように心がけましょう。一般的に、室内は湿度50~60%を目安にすると良いでしょう。

こまめな水分補給も、燥氣傷肺の予防に効果的です。 特に、白湯や温かいお茶など、体に優しい温かい飲み物をこまめに摂取することで、体の内側から潤いを保つことができます。冷たい飲み物は、体を冷やし、水分の代謝を悪くする可能性があるので、控えるようにしましょう。

乾燥した季節は、体の内側からも潤いを与えることが大切です。 梨や豆腐、蜂蜜など、潤い効果の高い食材を積極的に食事に取り入れるように心がけましょう。また、睡眠を十分にとり、疲労を溜めないことも、体の抵抗力を高め、燥氣傷肺の予防に繋がります。

予防法 詳細
外出時の対策 マスクを着用して、乾燥した空気を直接吸い込むことを防ぐ。
室内の対策 加湿器を使用する、濡れタオルを干すなどして、適切な湿度(50~60%)を保つ。
水分補給 こまめな水分補給をする。特に、白湯や温かいお茶など、体に優しい温かい飲み物を摂取する。冷たい飲み物は控える。
食事 梨や豆腐、蜂蜜など、潤い効果の高い食材を積極的に摂取する。
その他 睡眠を十分にとり、疲労を溜めない。

食生活での注意点

食生活での注意点

– 食生活での注意点

東洋医学では、秋は乾燥の季節と考えられており、特に呼吸器系である肺が乾燥の影響を受けやすいとされています。そのため、食生活においても肺を潤すことを意識することが大切です。

具体的には、梨や柿、白きくらげ、百合根などを積極的に摂り入れるようにしましょう。これらの食材は、肺に潤いを与え、乾燥を和らげる効果があるとされています。みずみずしい果物や野菜は、体内の水分量を保つのにも役立ちます。

一方で、辛いものや刺激物は、肺を乾燥させる作用があるため、控えめにした方が良いでしょう。唐辛子や香辛料を多く使った料理、また、アルコールなども、肺に熱を生み出し、乾燥を助長する可能性があります。

乾燥しやすい秋は、体の内側から潤いを与えることを意識して、バランスの取れた食事を心がけましょう。

効果 食材・食品
肺を潤す 梨, 柿, 白きくらげ, 百合根, みずみずしい果物, みずみずしい野菜
肺を乾燥させる(控える) 辛いもの, 刺激物, 唐辛子, 香辛料を多く使った料理, アルコール
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