東洋医学が考える扭傷:その原因と治療法

東洋医学を知りたい
先生、『扭傷』ってどういう意味ですか?漢字だけ見ると、なんだか難しそうです。

東洋医学研究家
そうだね。『扭傷』は、簡単に言うと『捻挫』のことだよ。関節を急にひねったり、無理な方向に動かしたりした時に起こる怪我のことだね。

東洋医学を知りたい
なるほど!捻挫のことなんですね。東洋医学でも捻挫って言うんですね!

東洋医学研究家
そうなんだ。東洋医学では、体の状態を表す言葉として、漢字をよく使うんだよ。だから、漢字の意味を知ることで、体の状態をより深く理解することができるんだ。
扭傷とは。
東洋医学の言葉で「扭傷(にゅうしょう)」っていうのは、急に無理な力が加わったり、関節を強くひねったりすることで、関節周りの組織が傷つくことを指します。
扭傷とは

– 扭傷とは
-# 扭傷とは
扭傷とは、関節を支えている靭帯や筋肉などの組織が、急激な力によって損傷してしまうことを指します。 関節を急にねじったり、ひねったり、無理な体勢になった際に発生しやすく、スポーツ活動中や日常生活での不意の動き、転倒などが原因となるケースが多く見られます。
よく似た怪我に「骨折」がありますが、骨折は骨自体が折れてしまう怪我であるのに対し、扭傷は骨の位置は正常なままで、骨を支える周りの組織である靭帯や筋肉、腱などが損傷した状態を指します。
扭傷は、損傷の程度によって三段階に分類されます。
* -軽度(Ⅰ度)- 靭帯や筋肉がわずかに伸びたり、一部の線維が切れた状態。痛みや腫れは軽度で、関節の動きも比較的保たれます。
* -中等度(Ⅱ度)- 靭帯や筋肉が部分的に断裂した状態。強い痛みと腫れが見られ、関節の動きが制限されます。皮下出血や内出血により、患部が青紫色に変色することもあります。
* -重度(Ⅲ度)- 靭帯や筋肉が完全に断裂した状態。激しい痛みと腫れを伴い、関節が不安定になり、動かすことが困難になります。
扭傷は適切な処置を行えば、多くの場合、自然に治癒していきます。しかし、重度の扭傷や適切な処置を行わなかった場合、関節の不安定性や慢性的な痛みが残ってしまう可能性もあります。そのため、扭傷だと思ったら自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
| 扭傷の程度 | 症状 |
|---|---|
| 軽度(Ⅰ度) | 靭帯や筋肉がわずかに伸びたり、一部の線維が切れた状態。痛みや腫れは軽度で、関節の動きも比較的保たれます。 |
| 中等度(Ⅱ度) | 靭帯や筋肉が部分的に断裂した状態。強い痛みと腫れが見られ、関節の動きが制限されます。皮下出血や内出血により、患部が青紫色に変色することもあります。 |
| 重度(Ⅲ度) | 靭帯や筋肉が完全に断裂した状態。激しい痛みと腫れを伴い、関節が不安定になり、動かすことが困難になります。 |
東洋医学からみた扭傷

– 東洋医学からみた扭傷
東洋医学では、扭傷は西洋医学的な組織損傷としてだけ捉えるのではなく、身体全体のバランスの乱れという視点からとらえます。西洋医学ではレントゲンやMRIといった画像検査を用いて診断しますが、東洋医学では患部の状態だけでなく、身体全体の機能的な繋がりや冷えの有無など、様々な角度から総合的に判断を行います。
東洋医学では、扭傷は「気血」の滞りによって起こると考えられています。「気」とは生命エネルギーそのものを指し、身体の様々な機能を維持しています。「血」とは血液とその循環を意味し、身体の隅々まで栄養を運搬する役割を担います。この「気」と「血」は互いに影響し合いながら体内をスムーズに流れていますが、何らかの原因でこの流れが滞ると、身体のバランスが崩れ、痛みや腫れが生じると考えられているのです。
つまり、東洋医学において扭傷とは、単なる組織の損傷ではなく、「気血」の滞りによって身体のバランスが崩れた状態を指すと言えるでしょう。そして、その原因を探り、全身のバランスを整えることで、自然治癒力を高め、症状の改善を目指していくのです。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 東洋医学的視点 | 身体全体のバランスの乱れ、特に「気血」の滞り |
| 西洋医学的視点 | 組織損傷(レントゲンやMRIで診断) |
| 「気」の役割 | 生命エネルギー、身体機能の維持 |
| 「血」の役割 | 血液とその循環、栄養運搬 |
| 扭傷の原因 | 気血の滞りによる身体バランスの崩れ |
| 治療の目的 | 全身のバランスを整え、自然治癒力を高める |
主な症状と東洋医学的解釈

– 主な症状と東洋医学的解釈
捻挫は、関節を急にひねってしまうことで起こる怪我であり、痛み、腫れ、皮下出血といった症状が現れます。西洋医学では、靭帯や筋肉などの損傷によってこれらの症状が出現すると考えますが、東洋医学では、これらの症状を「瘀血(おけつ)」という観点から捉えます。
瘀血とは、血液の循環が悪くなり、滞っている状態を指します。東洋医学では、体内には「気」という生命エネルギーが循環しており、 「気」の滞りは「血」の滞りを招き、「血」の滞りは「気」の滞りを招くと考えられています。つまり、捻挫によって「気」と「血」の流れが阻害され、瘀血が生じている状態であると判断します。
激しい痛みは「不通則痛(ふつうそくつう)」、つまり、気血の流れが滞ることによって生じると考えます。また、損傷部位の熱感も重要な判断材料となり、炎症の有無や程度を評価します。熱感が強い場合は、「熱証(ねっしょう)」として、炎症を鎮める治療を優先します。一方、熱感が弱い場合は、「寒証(かんしょう)」として、温めて血行を改善する治療を行います。
このように、東洋医学では、捻挫の症状を単なる局所の問題としてではなく、「気」「血」の流れと関連付けて全身の状態を診ることで、根本的な治療を目指します。
| 症状 | 西洋医学的解釈 | 東洋医学的解釈 | 治療法 |
|---|---|---|---|
| 捻挫による痛み・腫れ・皮下出血 | 靭帯や筋肉の損傷 | 瘀血(おけつ):血液循環不良による滞り 気血の流れの阻害 |
– 熱証(ねっしょう):炎症を鎮める治療 – 寒証(かんしょう):温めて血行を改善する治療 |
| 激しい痛み | – | 不通則痛(ふつうそくつう):気血の流れの滞り | – |
| 損傷部位の熱感 | 炎症の有無や程度を示す | – 熱証の場合:炎症を鎮める – 寒証の場合:温めて血行改善 |
– |
東洋医学における治療法

– 東洋医学における治療法
東洋医学では、怪我や病気を身体の不調和と捉え、自然治癒力を引き出すことを目的とした治療を行います。例えば、足を捻ってしまったり、筋肉や腱を痛めてしまう「捻挫」の場合、西洋医学では炎症を抑えるために湿布や痛み止めを使用したり、患部を固定したりするなどの処置が行われます。一方、東洋医学では、身体全体のバランスを整え、気や血の流れをスムーズにすることで、人間が本来持っている自然な回復力を高め、根本的な改善を目指します。
代表的な治療法としては、鍼灸治療、推拿療法、漢方薬などが挙げられます。
-鍼灸治療-は、身体に点在するツボと呼ばれる特定の場所に鍼や灸を用いて刺激を与えることで、気の流れを調整し、身体のバランスを整えていきます。気の流れが良くなることで、血行が促進され、自然治癒力が高まり、痛みや腫れが引いていくと考えられています。
-推拿療法-は、マッサージのような手技を用いて、筋肉や関節、経絡などを刺激していく治療法です。身体を温めながら、凝り固まった筋肉を解きほぐし、血液循環を促進することで、痛みや stiffness を和らげます。
-漢方薬-は、自然の生薬を組み合わせることで作られる漢方薬を用います。捻挫に対しては、患部の炎症を抑えたり、痛みを和らげたり、身体を温めて血行を良くしたりする効果が期待できる漢方薬が選ばれます。
これらの治療法は、その人の体質や症状に合わせて、組み合わせて行われることが多く、経験豊富な専門家による診断と治療が大切になります。
| 治療法 | 説明 | 効果 |
|---|---|---|
| 鍼灸治療 | 身体のツボに鍼や灸で刺激を与える | 気の流れを調整し、血行を促進、自然治癒力を高める |
| 推拿療法 | マッサージで筋肉や関節、経絡を刺激する | 筋肉の凝りを解きほぐし、血液循環を促進、痛みやstiffnessを和らげる |
| 漢方薬 | 自然の生薬を組み合わせた漢方薬を使用 | 炎症を抑え、痛みを和らげ、身体を温め、血行を良くする |
日常生活での注意点と予防

– 日常生活での注意点と予防
捻挫は、日常生活でも起こりうる身近な怪我です。家の中での転倒や、段差でのつまずき、スポーツ中の急な動きなど、ふとした瞬間に足首や手首をひねってしまうことがあります。このような事態を避けるためには、日頃から身体の柔軟性を高め、関節を支える筋肉を鍛えておくことが重要です。
東洋医学では、身体の柔軟性を保つことは、気血の巡りを良くするために大切だと考えられています。気血とは、全身を巡り、身体の機能を維持するために必要なエネルギーのようなものです。気血の流れが滞ると、筋肉や関節が硬くなり、怪我をしやすい状態になってしまいます。
そこで、毎日の生活の中で、ストレッチや軽い運動を取り入れるようにしましょう。ストレッチは、入浴後など身体が温まっている時に行うと効果的です。無理のない範囲で、ゆっくりと筋肉を伸ばすように心がけましょう。また、ウォーキングなどの軽い運動も、筋肉を鍛え、柔軟性を高める効果があります。
さらに、東洋医学では、身体を冷やすことは気血の巡りを悪くすると考えられています。冷たい飲み物や食べ物を過剰に摂取すると、身体が冷え、筋肉や関節が硬くなってしまうことがあります。特に、捻挫しやすい方は、普段から温かい飲み物を心がけ、身体を冷やしすぎないように注意しましょう。
そして、十分な睡眠をとることも、身体の回復力を高め、怪我を予防するために大切です。睡眠不足は、身体の疲れを取り除くことができず、筋肉や関節の疲労回復が遅れてしまいます。毎日、規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。
| 東洋医学的観点 | 日常生活での注意点 |
|---|---|
| 身体の柔軟性を保つことは、気血の巡りを良くするために大切 |
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| 身体を冷やすことは気血の巡りを悪くする |
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| 十分な睡眠をとることは、身体の回復力を高める |
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