
体質と稟賦:東洋医学におけるあなたの個性
- 体質と稟賦とは
東洋医学では、人は単なる肉体の集合体ではなく、心と体、そして周囲の環境が密接に繋がったひとつの宇宙であると考えます。そのため、人を理解するには、その人の生まれ持った性質や育ってきた環境まで含めた全体像を捉える必要があります。その個性を理解する上で重要なキーワードとなるのが「体質」と「稟賦」です。
体質とは、生まれ持った身体的な特徴や、生活習慣、年齢、環境などによって変化する、その人固有の性質を指します。これは、まるで土壌のように、その人が生まれながらに持っている身体の性質を表現しています。一方、稟賦は、生まれながらに備わっている気の特徴を指します。これは、種子のように、その人の生命エネルギーの傾向を表しています。
体質と稟賦は、その人の体格、顔の色つや、性格、行動パターン、病気への抵抗力、周囲の環境への適応能力など、様々な側面に影響を与えます。例えば、冷えやすい体質の人は、冷え症になりやすく、温かい食べ物を好む傾向があります。また、活発な気を持つ人は、行動的で、新しいことに挑戦するのが好きでしょう。
東洋医学では、この体質と稟賦を理解した上で、一人一人に合わせた治療や養生を行います。同じ症状であっても、体質や稟賦が異なれば、治療法や養生法も異なる場合があります。