陰極似陽:真の寒さを隠す熱
- 陰極似陽とは
-# 陰極似陽とは
「陰極似陽」とは、東洋医学の考え方に基づいた病状の変化のひとつで、一見すると熱っぽく見えるにも関わらず、実際には体が冷え切っている状態を指します。
私たちの体には、「気」と呼ばれる生命エネルギーが流れています。この「気」には、温かい性質を持つ「陽気」と冷たい性質を持つ「陰気」の二つがあり、健康な状態を保つには、この二つがバランスを保っていることが大切です。
しかし、病気や過労、冷えなどによって陽気が極端に衰えてしまうと、相対的に陰気が強くなってしまい、体のバランスが崩れてしまいます。これが「陰極似陽」の状態です。
この状態になると、まるで太陽が沈み、月が夜空を支配するように、体の中に冷えが溜まっているにも関わらず、表面上は熱っぽく感じます。具体的には、顔色が赤くほてる、のどが渇く、手足が熱く感じるといった症状が現れますが、これは体が冷えを追い払おうとして、無理やり熱を生み出そうとしているためと考えられています。
陰極似陽は、風邪の悪化や慢性疲労、自律神経の乱れなど、様々な病気の原因となる可能性があります。そのため、体の表面的な熱に惑わされず、「冷え」に着目した適切な対処をすることが重要です。