命の危機を知らせる警鐘: 亡陽證
- 陽気の深刻な喪失
東洋医学では、私たちが生きていくために必要なエネルギーを「気」と捉えています。
この「気」の中でも、温かさを生み出し、体を動かす活力を与えるものを「陽気」と呼びます。
この陽気は、太陽の光や、食べ物から得られるエネルギーから作られ、全身を巡り、生命活動を支えています。
しかし、様々な原因でこの陽気が著しく衰え、生命活動が維持できなくなる寸前の状態に陥ることがあります。
東洋医学では、これを「亡陽證(ぼうようしょう)」と呼びます。
亡陽證は、単に体がだるい、疲れやすいといった体力低下の状態とは異なり、生命の危機に直結する危険な状態です。
具体的には、意識がもうろうとしたり、手足が冷たくなったり、脈が弱くなるなどの症状が現れます。
亡陽證は、適切な治療を速やかに行わなければ、命を落とす危険性も孕んでいるため、注意が必要です。