
東洋医学が考える『偏枯』:その原因と治療
- 偏枯とは何か
-# 偏枯とは何か
偏枯とは、体の左右どちらか片側に力が入らなくなる状態を指します。この状態は、まるで体が半分だけしびれてしまったかのように感じられ、運動機能や感覚に影響を及ぼします。 西洋医学では、主に脳卒中が原因で起こると考えられています。 脳卒中が起こると、脳への血流が途絶え、その結果として脳細胞がダメージを受けます。このダメージが、体の運動機能を司る部分に集中すると、偏枯が生じるのです。
一方、東洋医学では、偏枯を体の全体のバランスの乱れとして捉えます。 特に、『気』、『血』、『水』と呼ばれる生命エネルギーの流れが滞ったり、不足したりすることで、体の片側に影響が出現すると考えます。 『気』は生命エネルギーそのものを、『血』は栄養を運ぶ役割を、『水』は体の潤滑油としての役割を担っており、これらがバランスよく全身を巡っていることで健康が保たれています。 しかし、過労やストレス、食生活の乱れなどによってこのバランスが崩れると、偏枯だけでなく、様々な体の不調が現れると考えられています。
東洋医学では、偏枯の治療として、鍼灸や漢方薬を用いて、滞っている『気』、『血』、『水』の流れを改善し、全身のバランスを整えることを目指します。