
東洋医学における「不内外因」:病気の原因を探る
- 病気の原因「三因」
東洋医学では、病気になる原因を「内因」「外因」「不内外因」の三つに大きく分類します。これは、ただ症状を抑えるのではなく、病気の根本原因を突き止め、その人に最適な治療法を見つけるためにとても大切な考え方です。
-# 体の内側から生まれる「内因」
「内因」とは、喜怒哀楽などの感情の乱れや、生まれつきの体質、老化など、体の内側から生じる病気の原因を指します。例えば、心配事やストレスが続くと、胃腸の働きが弱り、食欲不振や消化不良を引き起こすことがあります。また、生まれつき冷えやすい体質の人は、冷えからくる腹痛や生理痛などを起こしやすくなります。
-# 体の外側から影響を与える「外因」
一方、「外因」は、風、寒さ、暑さ、湿気、 dryness(乾燥)、暑さなどの気候の変化や、ウイルス、細菌、花粉などの外的刺激によって引き起こされる病気の原因を指します。夏の暑さで体力を消耗し、夏バテを起こしたり、冬の寒さで体が冷え、風邪をひきやすくなるのは、外因が原因で病気になった例と言えます。
-# 内因と外因が複雑に絡み合う「不内外因」
そして、「不内外因」は、過労や睡眠不足、偏った食事、運動不足といった不摂生な生活習慣や、人間関係のトラブル、環境の変化など、内因と外因が複雑に絡み合って発症する病気の原因を指します。例えば、普段から脂っこい食事が多い人が、ストレスから暴飲暴食を繰り返すと、胃腸に負担がかかり、胃炎などを発症しやすくなります。
東洋医学では、この「三因」を元に、患者さんの体質や生活習慣、病気の状態などを総合的に判断し、一人ひとりに合った治療法を選択していきます。