子宮出血

漢方の治療

東洋医学における固衝止血:その役割と効果

- 固衝止血とは -# 固衝止血とは 固衝止血とは、東洋医学、特に中医学において、女性の健康、特に月経にまつわる様々な症状を改善するために用いられる治療法です。この治療法の名称は、「固衝」と「止血」という言葉から成り立っており、それぞれ重要な意味を持っています。 「衝」は、人体を流れる重要なエネルギー経路である「衝脈」と「任脈」の二つを指します。この二つの脈は、特に女性の身体において重要な役割を担っており、子宮や卵巣とも密接な繋がりがあります。「固衝」とは、これらの脈の働きを強め、気血の流れを安定させることを意味します。 一方、「止血」はその言葉の通り、出血を止めることを意味します。月経過多や不正出血など、女性の身体は出血しやすい状態になりがちです。固衝止血は、単に出血を止めるだけでなく、その根本原因にアプローチすることで、健全な状態へと導きます。 具体的には、漢方薬の服用や鍼灸治療などを用いることで、身体の内側から経絡を調整し、気血の流れを改善していきます。そして、子宮や卵巣の機能を高め、ホルモンバランスを整えることで、月経痛、月経不順、月経過多、不正出血といった様々な症状の改善を目指します。 固衝止血は、自然治癒力を高めながら、身体全体のバランスを整えることを目的とした、副作用の少ない治療法として、古くから多くの女性に用いられてきました。
女性の悩み

東洋医学から見る「衝任不固證」

- 衝任不固證とは 衝任不固證とは、東洋医学の観点から女性の身体を捉え、診断する際に用いられる婦人科疾患の一つです。\nこれは、月経周期や妊娠に関連する機能に不調をきたし、様々な症状が現れる状態を指します。\n具体的には、月経がだらだらと長く続く、出血量が多い、あるいは少ない、月経周期が安定しないといった月経に関するトラブルや、妊娠しにくい、流産しやすいといった妊娠の維持が困難な状態などが挙げられます。 東洋医学では、女性の月経や妊娠、出産といった機能は、「衝脈」「任脈」「帯脈」と呼ばれる経脈と密接に関わっているとされています。\nこれらの経脈は、気や血の通り道となり、女性の身体の重要な機能を支えています。\n衝任不固證は、これらの経脈の働きが弱まったり、損傷したりすることで、気や血の流れが滞ってしまうことで起こると考えられています。\nその結果、月経周期や妊娠に関連する機能が正常に働かなくなり、様々な不調が現れると考えられています。\nつまり、衝任不固證は、女性の身体の根本的なバランスの乱れが症状として現れた状態と言えるでしょう。
女性の悩み

女性のつらい症状「漏下」とは

- 漏下とは -# 漏下とは 「漏下(ろうげ)」とは、東洋医学において、少量の血液が長期間にわたって断続的に流れ出る症状を指す用語です。 これは、西洋医学では「子宮からの出血」や「生理周期以外に出血する」といった状態に該当し、生理のような規則的な出血とは異なる点が特徴です。 具体的には、生理のように一定期間で出血が止まるのではなく、少量の出血がダラダラと続く状態を指します。色は鮮紅色から暗褐色まで様々であり、水っぽい場合もあれば、粘り気を帯びている場合もあります。 東洋医学では、この漏下は体のバランスが崩れた状態として捉えられています。 主に、気・血・水のいずれか、あるいは複数の流れが滞ることによって発生すると考えられています。例えば、過労やストレス、冷えなどが原因で体の機能が低下し、血液の循環が悪くなることで漏下が起こるとされています。 また、漏下は、その症状や原因によってさらに細かく分類されます。 例えば、出血の色が明るく量が少ない場合は「虚証」、暗く量が多い場合は「実証」といったように、体の状態によって区別されます。 漏下は、その原因や症状によって適切な対処法が異なるため、自己判断で対処するのではなく、専門家の診察を受けることが大切です。
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月水過多:東洋医学からの視点

- 月水過多とは -# 月水過多とは 月水過多とは、毎月の月経周期には問題がないものの、月経時の出血量が多すぎる状態を指します。 通常の月経では、出血量は20mlから80ml程度と言われています。しかし、月水過多の場合、その量が80mlを超え、場合によっては120mlを超えることもあります。月経期間も通常の3日から7日よりも長くなり、1週間以上続くこともあります。 月水過多は、日常生活に様々な影響を及ぼす可能性があります。 大量の出血は貧血を引き起こしやすく、それに伴い、体がだるく感じたり、疲れやすくなったり、めまいがしたりすることがあります。 また、日常生活においても、頻繁にナプキンを交換する必要があるため、仕事や学業、旅行などに支障が出ることもあります。さらに、月経痛が重い場合もあり、日常生活を送る上で大きな負担となることがあります。 月水過多の原因は様々で、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れている場合もあります。そのため、月水過多が疑われる場合は、自己判断せず、医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切です。
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女性の周期の悩み:経水過多とは?

- 経水過多とは -# 経水過多とは 毎月の月経は、女性の身体にとって自然な営みの一つです。しかし、その出血量が極端に多い状態が続く場合、「経血過多」と診断されることがあります。これは、単に月経時の出血量が多いというだけでなく、日常生活に支障をきたすレベルの出血を伴う場合を指します。 具体的には、月経期間が8日以上続く、あるいは月経期間中の出血量が80ミリリットルを超える場合に、経血過多と診断されることが多いです。月経期間中は、ナプキンやタンポンを頻繁に取り替える必要があり、夜間もその心配からぐっすり眠れないなど、日常生活に大きな負担がかかります。 過度な出血は、身体にも様々な影響を及ぼします。出血量が多いと、血液中の鉄分が不足しやすくなり、貧血を引き起こす可能性があります。貧血になると、身体の各組織に十分な酸素が供給されなくなり、倦怠感や息切れ、めまいなどの症状が現れます。また、顔色が悪くなったり、動悸が激しくなることもあります。 さらに、月経痛が重くなる、腰痛が悪化するといった症状が現れる場合もあります。日常生活に支障が出るほどの出血量や、貧血、強い倦怠感などの症状がある場合は、我慢せずに医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
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月経過多:東洋医学からの視点

- 月経過多とは 月経過多とは、毎月の月経出血量が極端に多い状態を指します。普段通りの生活を送ることが難しくなったり、貧血によって疲れやすくなったり息切れがしたりするなど、生活の質を著しく低下させる可能性があります。 -# 月経過多の症状 月経過多と判断される目安には、以下のようなものがあります。 * 月経期間が7日以上続く * 一回の生理でナプキンを20枚以上使用する * 夜用のナプキンを使用しても経血が漏れてしまう * 貧血の症状(立ちくらみ、めまい、動悸、息切れ、顔面蒼白など)が現れる これらの症状に当てはまる場合、月経過多の可能性があります。 月経量は個人差が大きく、上記の基準に当てはまらなくても、普段の月経量と比べて明らかに多いと感じる場合は、一度医療機関を受診してみましょう。 月経過多の原因は様々で、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患が原因となっている場合もあります。月経過多が疑われる場合は、自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
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東洋医学が考える女性の不調:衝任不固とは?

- 衝任不固ってどんな症状? 「衝任不固」という言葉、あまり聞きなれないかもしれません。これは、東洋医学において女性の身体の大切な機能である月経や妊娠に深く関わる「衝脈」と「任脈」の働きが乱れ、そのバランスが崩れた状態を指します。 衝脈と任脈は、女性の体内で精や血を巡らせ、月経周期や妊娠をコントロールする重要な役割を担っています。この二つは、いわば女性の身体を流れる“見えない川”のようなもの。この流れが滞ったり、バランスが崩れたりすると、様々な不調が現れます。 代表的な症状としては、月経周期の乱れが挙げられます。いつもは規則正しかった月経が、早まったり遅くなったり、周期が定まらなくなってしまうのです。また、月経時の出血量にも変化が現れます。経血量が異常に増えたり、反対に極端に少なくなったりするなど、本来の自分とは異なる出血パターンが見られるようになります。 さらに、妊娠にも影響を及ぼすことがあります。衝任不固の状態では、妊娠しにくくなったり、たとえ妊娠できても流産しやすくなったりする可能性が高まります。 このように、衝任不固は女性の身体にとって大きな負担となる症状です。もしも心当たりのある方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。
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東洋医学における固崩止帶療法

- 固崩止帶とは 固崩止帶とは、東洋医学に基づいた婦人科治療で、子宮からの出血が止まらなかったり、おりものが多すぎる場合などに用いられる治療法です。 西洋医学では、子宮筋腫や子宮内膜症、ホルモンバランスの乱れなど、様々な原因を探って治療が行われます。一方、東洋医学では、体の不調は「気」「血」「水」のバランスが崩れることで起こると考えられています。 固崩止帶では、子宮やその周辺の「気」の流れを調整することで、子宮の機能を正常に戻し、出血やおりものを正常な状態に導いていきます。具体的には、患者さんの体質や症状に合わせて、漢方薬の処方や、ツボに鍼やお灸をする鍼灸治療などが行われます。 この治療法は、西洋医学的な治療で効果が得られなかった場合や、体への負担を軽減したい場合などに選択されることがあります。しかし、自己判断で治療を行うことは大変危険です。婦人科系の症状がある場合は、自己判断せずに、まずは医療機関を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。そして、東洋医学的な治療に興味がある場合は、専門知識を持った医師に相談することをおすすめします。