実熱証

体質

東洋医学における陽盛:その意味と影響

- 陽盛とは何か 東洋医学では、健康を保つためには、体内の陰陽のバランスが大切だと考えられています。自然界のあらゆる物事は、相反する二つの要素、「陰」と「陽」の組み合わせで成り立っていると考えます。例えば、太陽と月、昼と夜、熱と冷、男と女なども、陰陽で表されます。 この陰陽は、人間の体にも当てはまります。体の中に存在する「気」の流れや働きにも、陰陽があると考えるのです。「陽」は、熱や活動性、外に向かう力などを表します。一方、「陰」は、冷や静止、内に向かう力などを表します。どちらも体に必要なものですが、どちらか一方に偏りすぎると、心身に不調が現れると考えられています。 「陽盛」とは、体内の陽気が過剰に強くなっている状態を指します。陰が弱っている状態とは異なりますが、陰陽のバランスが崩れている状態であることに変わりはありません。この状態が続くと、様々な不調が現れる可能性があります。具体的には、顔が赤くなる、のぼせやすい、イライラしやすい、怒りっぽい、便秘がち、口が渇きやすい、眠りが浅いなどの症状が現れやすくなります。
漢方の診察

東洋医学における実熱証:その特徴と意味

- 実熱証とは -# 実熱証とは 東洋医学では、病気の原因は、体に害をなす「邪気」が体内に入り込むことで、体の調和が乱されることだと考えます。この邪気の一つに「熱邪」があり、熱邪が過剰に体に侵入した状態を「熱証」と呼びます。 熱証には、大きく分けて「実熱証」と「虚熱証」の二つがあります。実熱証とは、熱邪が強いものの、まだ体が十分な体力と抵抗力を持っており、熱邪に対して積極的に戦っている状態を指します。 例えて言うなら、風邪のひき始めで、高い熱が出て体全体がだるく感じる状態が、実熱証に似ています。体の中に侵入してきた風邪のウイルス(熱邪)に対して、体は熱を出すことでウイルスを撃退しようと懸命に戦っている状態です。 実熱証では、高熱、顔の赤らみ、のどの痛み、咳、痰の粘り気、便秘、尿の量が減る、舌が赤い、舌苔が黄色いなどの症状が現れます。これらの症状は、体内の熱邪が強いことを示すとともに、体がその熱邪を追い出そうと活発に活動しているサインでもあります。