排便

漢方薬

潤下薬:便秘解消の助けに

- 潤下薬とは -# 潤下薬とは 潤下薬とは、東洋医学の考え方をもとに、便秘を解消するために用いられる漢方薬の一種です。その名の通り、腸内に潤いを与えて便の滑りを良くすることで、スムーズな排便を促します。 乾燥によって便が硬くなりやすい、あるいは加齢や病気により体力が低下し、排便が困難な場合などに効果を発揮するとされています。 潤下薬は、単に便を柔らかくするだけでなく、腸の働きそのものを活性化させることで、自然な排便リズムを取り戻すことを目的としています。 そのため、一時的な便秘の解消だけでなく、慢性的な便秘の改善にも効果が期待できます。また、体への負担が比較的少ないとされ、長期間の服用も可能です。 潤下薬が適しているのは、例えば、冷え性で、お腹が張る、肌が乾燥している、といった症状を伴う便秘です。 このような場合は、体内の水分や潤いが不足している「陰虚」の状態と考えられ、潤下薬によってそれを補うことで、便秘だけでなく、他の症状の改善も見込めます。 ただし、潤下薬はあくまで対症療法であり、体質や症状によっては効果が期待できない場合や、他の漢方薬と併用する必要がある場合もあります。 自己判断で服用するのではなく、必ず専門家の診断を受けた上で、適切な薬剤を選び、服用することが大切です。
内臓

健康の鍵!大腸の役割と働き

私たちが口にした食べ物は、体にとって必要な栄養素とそうでないものに分別され、不要なものは体外へと排出されます。この複雑な過程には、様々な臓器が関わっています。口から胃、そして小腸へと順に食物が送られ、栄養が吸収されていきます。そして、消化の最終段階を担うのが大腸です。 小腸で栄養分が吸収された後の残渣は大腸へと送られます。大腸は小腸に比べて太く、全長は約1.5メートルにもなります。大腸の重要な役割は、小腸で吸収されなかった水分を吸収することです。小腸から送られてくる残渣は、まだ水分の多い状態です。大腸はこの水分を時間をかけて吸収し、便を形作っていきます。 大腸は、単に水分を吸収するだけでなく、腸内細菌の働きを助ける役割も担っています。腸内細菌は、食物の消化を助けたり、ビタミンを合成したり、免疫力を高めたりするなど、健康に欠かせない存在です。大腸は、これらの腸内細菌が活動しやすい環境を提供しています。 このように、大腸は消化の最終段階を担い、健康維持にも重要な役割を果たしています。日々の生活の中で、大腸の働きを意識することも大切と言えるでしょう。
便秘

東洋医学が説く大腸虚とは?

{東洋医学では、人間の体は単なる物質的な存在ではなく、自然の一部として捉えられ、その調和によって健康が保たれていると考えられています。そして、体には「気」「血」「水」といった目には見えない生命エネルギーが巡っており、これらのエネルギーが滞りなく流れることで、心身のバランスが保たれています。 体の各器官は、それぞれ特有の機能を持ちながら、互いに影響し合い、全体として一つのシステムを形成しています。この複雑なシステムの中で、大腸は食物の消化吸収を終えた後の不要なものを便として体外へ排出する重要な役割を担っています。 「大腸虚」とは、この大腸の働きが弱まっている状態を指します。東洋医学では、体の器官の機能が弱まっている状態を「虚」と表現します。大腸虚の状態になると、便が腸内に滞留しやすくなり、便秘や下痢を繰り返す、残便感がある、お腹が張る、といった症状が現れます。 さらに、東洋医学では、大腸は単に消化器官としてだけでなく、精神活動にも深く関わっていると考えられています。そのため、大腸虚になると、精神的なストレスを感じやすくなったり、イライラしやすくなったり、気分が落ち込みやすくなったりするなど、精神面にも影響が出ることがあります。
内臓

大腸湿熱:東洋医学の視点から解説

- 大腸湿熱とは -大腸湿熱とは- 大腸湿熱とは、東洋医学において、体内の水分バランスと熱のバランスが乱れ、余分な水分と熱が大腸に停滞することで発症すると考えられている状態です。東洋医学では、健康を保つためには、体内の「気・血・水」の流れが滞りなく、かつ「陰陽」のバランスが取れていることが重要と考えられています。 このうち、「湿」は体内の水分代謝が滞っている状態を表し、「熱」は炎症や過剰な熱を表します。これらが大腸に集中することで、大腸の働きが弱まり、さまざまな不調が現れると考えられています。 現代医学的に表現すれば、大腸湿熱は、過剰なストレスや不規則な生活習慣、偏った食事などが原因で、自律神経やホルモンバランス、免疫機能などが乱れ、腸内環境が悪化した状態と言えるかもしれません。 大腸は、食べ物の消化吸収を助けるだけでなく、免疫機能や精神状態にも深く関わっている臓器です。そのため、大腸湿熱は、便秘や下痢などの消化器症状だけでなく、肌荒れや精神不安定、免疫力低下など、全身にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。