暑邪

漢方の治療

夏の暑さ対策!東洋医学が教える「解暑」のススメ

厳しい暑さが続く夏、食欲がわかない、体がだるい、頭が痛いといった症状に悩まされることはありませんか? これらの不調は、夏の暑さそのものが原因となっていることがあります。 東洋医学では、夏の暑さに長時間さらされることで、体に「暑邪(しょじゃ)」が入り込むと考えられています。 「暑邪」とは、過剰な熱のことで、これが体に侵入すると、様々な不調を引き起こすとされています。 暑邪によって引き起こされる症状としては、食欲不振、倦怠感、頭痛のほか、発熱、喉の渇き、めまい、吐き気などがあります。 これらの症状を解消するために、東洋医学では「解暑」という考え方が重要視されています。 「解暑」とは、体の中にこもった熱を冷まし、暑さによって失われた水分やミネラルを補給することで、体のバランスを整えることを意味します。 東洋医学では、食事や生活習慣を見直すことで、暑邪を予防し、解暑を促すことができると考えられています。 具体的には、涼しい時間帯に軽い運動をする、十分な睡眠をとる、水分をこまめに摂取する、といったことが大切です。 また、食事では、体を冷やす効果のある夏野菜を積極的に摂ることや、冷たいものを摂り過ぎないことも大切です。 東洋医学の知恵を取り入れ、暑い夏を元気に乗り切りましょう。
漢方の治療

夏の暑さ対策!清暑熱のススメ

- 清暑熱とは -# 清暑熱とは 夏のうだるような暑さは、ただ過ごしにくいだけでなく、私たちの体に様々な不調をもたらすことがあります。東洋医学では、夏の暑さによって体に「邪気」の一つである「暑邪」がたまり、これが原因で様々な不調が現れると考えられています。 だるさや食欲不振、いつも喉が渇く、頭がくらくらする、これらはすべて暑邪の影響によるものかもしれません。 このような夏の暑さによる不調を改善するために、東洋医学では「清暑熱」という治療法が用いられます。清暑熱は、その名の通り、体にたまった熱を取り除き、暑さによって乱れた体のバランスを整えることを目的としています。具体的には、漢方薬の処方や鍼灸治療など、その人の体質や症状に合わせて様々な方法が用いられます。 清暑熱は、単に暑さによる不調を改善するだけでなく、夏の暑さに負けない健やかな体作りにも役立ちます。夏の暑さに悩まされている方は、ぜひ一度、東洋医学の視点を取り入れた清暑熱を試してみてはいかがでしょうか。
漢方の治療

湿温:湿邪がもたらす夏の病

- 湿温とは -# 湿温とは 湿温とは、東洋医学において、夏の蒸し暑い時期に、体に余分な湿気が溜まることで起こると考えられている病気です。高温多湿な日本の夏は、体に湿気が侵入しやすく、この湿気が消化機能を弱らせたり、体のエネルギーの流れを阻害したりすることで、様々な不調を引き起こすとされています。 湿温は、現代医学でいうところの、夏バテや食中毒、冷房病などと共通する部分があります。 食欲不振や倦怠感、吐き気、下痢、頭痛、発熱、悪寒、体の重だるさなど、様々な症状が現れます。 東洋医学では、病気の原因を体質や環境、生活習慣などを総合的に判断します。そのため、湿温の治療においても、単に症状を抑えるのではなく、体質改善や生活習慣の改善を通して、体の水分代謝を高め、根本的な原因を取り除くことを目指します。
その他

夏の暑さと健康:暑風について

- 暑風とは 暑風とは、夏の強い日差しや高い気温によって引き起こされる、健康への深刻な影響を指します。 高温多湿な環境下に長時間いることで、私たちの体は体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもってしまいます。 この状態が続くと、様々な症状が現れ始めます。 初期症状としては、めまいや立ちくらみ、頭痛、倦怠感、吐き気などが挙げられます。 また、大量の汗をかいて脱水症状を起こし、意識が朦朧としたり、痙攣を起こしたりすることもあります。 特に、乳幼児や高齢者は体温調節機能が未発達あるいは低下しているため、暑風にかかりやすく、重症化するリスクも高いため注意が必要です。 暑風を防ぐためには、こまめな水分補給、適切な冷房の使用、通気性の良い服装を心がけ、直射日光を避けるなど、暑さ対策を万全に行うことが大切です。 また、バランスの取れた食事や十分な睡眠をとり、体力を維持することも重要です。 万が一、暑風と思われる症状が出た場合は、涼しい場所に移動し、安静にして水分を補給しましょう。 症状が改善しない場合は、速やかに医療機関を受診してください。
漢方の治療

夏の暑さと温病:暑温とは

夏の強い日差しは、私たちに活力を与えてくれますが、その一方で、暑さは時に健康に悪影響を及ぼすことがあります。東洋医学では、自然環境の変化と人の心身の状態は深く関わっていると考えられており、夏の暑さも例外ではありません。夏の厳しい暑さは「暑邪」と呼ばれる邪気の一種と考えられており、これが体内に侵入すると、様々な体調不良を引き起こすとされています。 暑邪は、高温多湿の環境で発生しやすく、長時間日に当たったり、激しい運動をすることで体内に侵入しやすくなります。暑邪が体内に侵入すると、倦怠感、食欲不振、喉の渇き、めまい、発熱などの症状が現れます。また、暑邪は、心にも影響を与え、イライラしやすくなったり、集中力が低下したりすることもあります。 東洋医学では、暑邪から体を守るためには、まず「暑気あたり」にならないようにすることが大切だとされています。外出時は帽子や日傘などで直射日光を避け、こまめな水分補給を心がけましょう。また、室内では風通しを良くし、涼しい服装をすることも大切です。食事は、消化の良いものを摂り、冷たい飲み物や生ものは控えめにしましょう。 夏の暑さ対策として、東洋医学では、体の熱を冷まし、水分を補給することを推奨しています。例えば、緑豆や豆腐、きゅうり、トマトなどの夏野菜は、体の熱を冷ます。また、麦茶やハトムギ茶は、水分補給だけでなく、体内の余分な熱を排出する効果も期待できます。
漢方の診察

夏の疲れが原因? 秋に気をつけたい「伏暑」とは

- 伏暑とは -# 伏暑とは 夏の間に強い日差しや気温の高い環境に長時間いると、体内に「暑邪(しょじゃ)」と呼ばれる熱が溜まってしまいます。 この暑邪は、その時には症状として現れず、体の中に潜んでいることがあります。そして、夏の暑さが落ち着き始める秋の入り口や、涼しい風が吹き始める頃になって、まるで潜伏していたかのように、様々な不調として現れてきます。このような、夏の間に体内にこもった熱が原因で、秋になってから症状が出る病気を「伏暑」と呼びます。 伏暑の症状として多くみられるのは、発熱や倦怠感、食欲不振、口の渇きなどです。夏バテと似た症状が出るため、見分けにくい場合もありますが、夏バテが夏の暑さがピークを迎える頃に症状が悪化するのに対し、伏暑は夏の暑さが過ぎた頃に症状が現れるという違いがあります。 一般的に、夏の暑さが厳しい年は、伏暑の患者数も増加する傾向にあります。また、冷房の効いた室内と屋外の気温差が激しい環境で過ごしていると、体温調節がうまくいかず、体に負担がかかりやすくなるため、伏暑になりやすいと言われています。
漢方の診察

夏の暑さに潜む危険!知っておきたい「傷暑」の脅威

- 夏の暑さで体調を崩す「傷暑」とは? 夏の強い日差しや、うだるような暑さの中で過ごしていると、倦怠感や食欲不振、頭痛、めまいなどを経験することがあります。これらの症状は、もしかすると「傷暑(しょうしょ)」が原因かもしれません。傷暑とは、夏の暑さによって引き起こされる様々な体調不良を指す、東洋医学における概念です。現代医学でいう熱中症や日射病も、この傷暑に含まれます。 東洋医学では、夏の暑さは体に必要な「気」や「体液」を消耗させると考えられています。特に、屋外での活動や激しい運動は、体に熱を生み出しやすく、この「気」や「体液」を大量に消費してしまうため、傷暑に陥りやすくなります。また、室内でも、高温多湿の環境に長時間いると、同様に体に負担がかかり、体調を崩しやすくなります。 傷暑の症状は、倦怠感や食欲不振、頭痛、めまい以外にも、吐き気や下痢、むくみ、だるさ、熱っぽさなど、様々です。これらの症状は、軽度の場合は、涼しい場所で休んだり、水分を補給したりすることで改善することが多いですが、重症化すると、意識障害や痙攣などを引き起こす可能性もあり、注意が必要です。 傷暑を予防するためには、こまめな水分補給や、適切な冷房の使用、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠など、日常生活でできる対策を心がけることが大切です。また、外出時は、帽子や日傘などで直射日光を避け、涼しい服装を心がけましょう。もし、傷暑と思われる症状が出た場合は、無理をせず、涼しい場所で休むようにしてください。症状が重い場合や、改善が見られない場合は、医療機関を受診するようにしましょう。
その他

夏の危険!中暑について解説

- 中暑とは 中暑は、夏の暑い時期に特に注意が必要な、命に関わることもある危険な状態です。高温の環境下に長時間いることで、私たちの体は体温をうまく調節できなくなり、体温が異常に上昇してしまうことで起こります。 中暑は、屋外で強い日差しを浴び続けたり、激しい運動をすることで起こりやすいと思われがちですが、実はそうではありません。風通しが悪く、気温の高い室内でも、十分に注意が必要です。例えば、エアコンのない部屋や、直射日光が差し込む部屋などは、知らず知らずのうちに体温が上昇し、中暑を引き起こす危険性があります。 中暑は、適切な予防と対処をすることで、防ぐことができます。こまめな水分補給や、涼しい場所での休憩、通気性の良い服装を心がけるなど、日頃から暑さ対策をしっかりと行いましょう。また、もしも周りの人が中暑のような症状を起こしたら、すぐに涼しい場所へ移動させ、衣服を緩めて体を冷やす、水分補給を行うなどの応急処置を行い、速やかに医療機関へ連絡しましょう。
その他

残暑を乗り切る養生法:東洋医学が教える燥熱対策

残暑もようやく落ち着き、過ごしやすい季節の到来を感じる一方で、体調を崩しやすい時期でもあります。東洋医学では、この時期に特有の不調の原因の一つとして「燥熱(そうねつ)」を考えます。 「燥熱」とは、夏の間に体内に蓄積された熱(暑邪しょじゃ)と、秋の乾燥(燥邪そうじゃ)が組み合わさって生じる状態を指します。 夏の間、私たちの体は強い日差しや暑さに対応するため、知らず知らずのうちに熱を溜め込んでいます。そして、空気が乾燥し始める秋になると、体内の水分や潤いが奪われやすくなります。この蓄積された熱と乾燥が重なることで、体に様々な不調が現れると考えられています。 具体的には、喉の渇きや痛み、肌の乾燥、便秘、イライラしやすくなる、不眠などの症状が現れます。また、風邪を引きやすくなったり、咳が長引いたりするのも、燥熱の影響が考えられます。 東洋医学では、こうした症状を改善するために、体内の熱と乾燥を取り除くことが大切だと考えられています。
漢方の診察

夏の湿気にご用心!:暑湿とは?

梅雨の時期から夏にかけて、気温と湿度が高い日が続きますね。この時期は、ただでさえ体がだるく感じやすいのに、むくみや食欲不振、下痢などの不調を感じやすくなる方も多いのではないでしょうか。 東洋医学では、夏特有のこの不調の原因は、暑さと湿気が組み合わさった「暑湿(しょしつ)」にあると考えられています。 暑湿は、体の中に余分な水分と熱を溜め込み、気の流れを滞らせます。その結果、消化機能の低下や水分の代謝不良を引き起こし、食欲不振やむくみ、だるさといった症状が現れるのです。 また、暑湿は、体に必要な「気」の消耗も招きます。だるさや倦怠感、やる気が出ないといった症状も、この「気」の不足が原因と考えられています。 夏の暑さや湿気は避けられませんが、生活習慣を見直すことで、暑湿による不調を予防することができます。食事では、水分代謝を促す食材や胃腸の働きを整える食材を積極的に摂り入れましょう。また、適度な運動や睡眠を心がけ、体の「気」を補うことも大切です。
漢方の診察

夏の暑さにご用心!暑熱がもたらす体の不調

- 暑熱とは? 夏の強い日差しや、高温多湿な環境に長くいると、体に熱がこもってしまうことがあります。東洋医学では、これを暑熱と呼びます。暑熱は、体に様々な不調を引き起こす原因となる、いわば病邪の一種と考えられています。 暑熱は、ただ暑いだけの状態とは少し違います。体に熱がこもることで、体内の水分や潤いが失われ、バランスが崩れた状態を指します。この状態が続くと、様々な不調が現れてきます。 例えば、イライラしやすくなったり、のぼせ、めまい、頭痛、食欲不振、皮膚の炎症、便秘などを引き起こすことがあります。また、夏バテなども暑熱が原因で起こると考えられています。 現代社会では、気温の高い時期が長く続くだけでなく、冷房の効いた室内との寒暖差や、過度な運動、味の濃いものや脂っこいものなど偏った食事によって、体に熱がこもりやすくなっています。 そのため、暑熱への対策は、季節を問わず、一年を通して意識しておくことが大切です。暑い時期だけでなく、普段からバランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、十分な睡眠をとるなど、体内の熱を溜め込まない生活習慣を送りましょう。
漢方の診察

夏の養生:暑さに負けない体づくり

- 暑気とは? 夏の焼け付くような暑さは、ただ暑いだけでなく、私たちの体にとって様々な不調を引き起こす原因となりえます。東洋医学では、これを「暑気」と呼び、季節の変わり目に注意すべき邪気の一つとして捉えています。 暑気は、夏の高温多湿な環境が原因で、体にこもった熱がうまく発散されずに生じます。この熱は、体の水分やエネルギーを奪い、様々な不調を引き起こすと考えられています。 具体的には、倦怠感、食欲不振、喉の渇き、めまい、熱中症などが挙げられます。また、暑気はイライラしやすくなったり、集中力が低下したりといった精神的な影響を与えることもあります。 東洋医学では、暑気から体を守るためには、涼しい環境を保つ、十分な水分補給を行う、体を冷やす食材を積極的に摂るといった対策が重要とされています。また、睡眠をしっかりとることで、暑さで消耗した体力を回復することも大切です。
漢方の診察

夏の危険な症状:暑閉気機証とは

- 暑さによる体の異変 夏の暑さが厳しさを増すと、私たちの体は様々な影響を受けます。普段は健康な人でも、暑さによって体調を崩してしまうことがあります。気温の高い日が続いたり、湿度が高い日が続くと、体は暑さに対応しようと様々な反応を起こします。 例えば、体温を下げようと汗をかきますが、その汗が十分に蒸発しないと、体温調節がうまくいかず、体内に熱がこもってしまいます。すると、めまいや立ちくらみが起こりやすくなったり、体がだるく感じたりすることがあります。また、食欲がなくなったり、眠りが浅くなったりすることもあります。このような症状は、熱中症の初期症状である可能性もあるため、注意が必要です。 このような暑さによる体の不調を予防するためには、こまめな水分補給が重要です。喉が渇く前に、こまめに水を飲むように心がけましょう。また、適切な休息も大切です。疲れているときは、無理をせずに体を休ませるようにしましょう。さらに、栄養バランスの取れた食事を心がけ、暑さで失われやすいビタミンやミネラルを積極的に摂取することも大切です。 暑さは、私たちが思っている以上に体に負担をかけています。暑さ対策を万全に行い、健康に夏を乗り切りましょう。
漢方の診察

夏の暑さと心身の不調:暑入陽明證とは?

- 夏の暑さがもたらす体の変化 夏の暑さは、私たちに心地よい開放感を与える一方で、時に体調不良の原因となることがあります。東洋医学では、自然環境と人間の心身は密接に関係していると考えられています。暑さは、その中でも特に影響力の強い要素の一つです。暑さが過剰になると、体内のバランスが崩れ、様々な不調が現れると考えられています。 東洋医学では、夏の暑さは「暑邪」として捉えられ、体に熱をこもらせる原因となると考えられています。この熱が体内にこもると、のぼせやほてり、皮膚の発疹、食欲不振、倦怠感、イライラしやすくなるなどの症状が現れやすくなります。また、過剰な発汗によって体内の水分やミネラルが失われ、脱水症状や夏バテを引き起こすこともあります。 さらに、現代社会では冷房の普及により、屋内外での気温差が大きくなっています。この気温差も、自律神経の乱れを引き起こし、体調不良の原因となることがあります。例えば、冷房の効いた室内と暑い屋外を頻繁に行ききすると、体が温度変化にうまく対応できず、疲労感や食欲不振、頭痛、肩こりなどの症状が現れやすくなります。 夏の暑さによる体調不良を防ぐためには、東洋医学の考え方を参考に、体の内側から熱を冷まし、バランスを整えることが大切です。具体的には、涼しい服装を心がけたり、こまめな水分補給をしたり、暑さで疲れた体を休ませたりするなど、日常生活の中でできる工夫を心がけましょう。また、冷たい飲み物や食べ物の摂り過ぎは、胃腸を冷やし、体のバランスを崩す原因となるため、控えめにするとよいでしょう。
体質

夏の病気の原因「暑」とは?

- 「暑」とは何か 東洋医学では、病気の原因は、体内の生命エネルギーである「気」の流れが滞ったり、バランスを崩したりすることで起こると考えられています。この「気」の流れを乱す要因の一つに、「邪気」があります。「邪気」は、自然界に存在する様々な気候や環境の変化が、体にとって悪い影響を与えるものとして捉えられています。代表的な「邪気」として、風、寒、暑、湿、燥、火の六種類があり、これらを六淫と呼びます。 「暑」は、夏の暑さによって引き起こされる邪気です。高温多湿な環境下に長くいることで、体に過剰な熱がこもり、気の流れが乱れて様々な不調が現れます。具体的には、めまい、頭痛、倦怠感、食欲不振、吐き気、下痢などの症状が現れやすく、重症化すると意識障害や痙攣などを起こすこともあります。これは、現代医学で言うところの熱中症と共通する部分が多く見られます。 東洋医学では、こうした「暑」の邪気から体を守るためには、涼しい環境で過ごす、十分な水分を摂る、体を冷やす食材を食べるなど、日常生活において暑さ対策を心がけることが重要だと考えられています。
漢方の診察

夏の暑さが肺を傷つけるとき:暑傷肺絡証

夏の暑さは、私たちに多くの変化をもたらしますが、体に様々な影響を与えるものでもあります。東洋医学では、自然界と人間の体は密接に繋がっているとされており、夏の暑さもその例外ではありません。 夏の暑さが過剰になると、体の中の水分や潤いを奪い、乾燥を引き起こすと考えられています。 これは、ちょうど強い日差しが地面を乾かしてしまうように、私たちの体にも影響を与えるのです。 特に、肺は外界の空気と直接触れ合う臓器であるため、夏の暑さの影響を大きく受けます。 肺は、体内に新鮮な空気を取り込み、不要なものを排出する役割を担っていますが、夏の暑さによって乾燥すると、その機能が低下しやすくなります。 肺の機能が低下すると、呼吸が浅くなったり、息苦しさを感じたりすることがあります。 また、咳や痰などの呼吸器系のトラブルも起こりやすくなります。 さらに、東洋医学では、肺は全身の気を司る臓器と考えられており、肺の不調は、体の他の部分にも様々な影響を及ぼすとされています。 例えば、肌の乾燥や便秘、食欲不振、倦怠感などが挙げられます。 これは、肺の機能低下によって、体内の気の流れが滞ってしまうために起こると考えられています。
漢方の診察

夏の暑さにご用心!暑邪がもたらす体の不調

夏は太陽が燦々と輝き、緑がまぶしい季節ですが、同時に厳しい暑さが続き、体調を崩しやすい時期でもあります。東洋医学では、夏の暑さは体に影響を与えやすく、過度に暑さにさらされることで「暑邪(しょじゃ)」という邪気が体内に侵入すると考えられています。 暑邪は、熱中症のように急激に症状が現れる場合もあれば、知らず知らずのうちに体に蓄積し、様々な不調を引き起こす原因となることもあります。例えば、だるさ、食欲不振、喉の渇き、めまい、熱っぽく寝苦しいといった症状が現れたら、それは暑邪の影響を受けているサインかもしれません。 このような暑邪から体を守るためには、まず直射日光を避け、涼しい場所で過ごすことが大切です。また、こまめな水分補給も重要となります。東洋医学では、冷たい飲み物は内臓を冷やし、体の機能を低下させると考えられているため、常温の水や温かいお茶などを飲むように心がけましょう。 さらに、食事にも気を配り、旬の食材を積極的に摂るようにしましょう。夏野菜には、体の熱を冷ます効果や水分を補給する効果があるものが多くあります。また、冷たいものばかりではなく、温かい食事も適度に摂ることで、内臓の働きを助けることができます。 夏の暑さに負けず、元気に過ごすためには、暑邪への対策をしっかりと行い、体の内外から健康を保つことが重要です。
漢方の診察

夏の insidious な敵、陰暑證とは?

- 陰暑證とは 陰暑證とは、夏の暑さの中に潜む、意外な冷えが原因で起こる不調です。一見すると夏の暑さによる夏バテと似た症状が出ますが、その原因は大きく異なります。 夏バテは、高温環境によって自律神経のバランスが乱れたり、体内の水分やミネラルが失われることで起こります。一方、陰暑證は、冷房の効いた室内と屋外の気温差や、冷たい飲み物、生ものの食べ過ぎなどによって体が冷やされることで引き起こされます。また、暑さで弱った体に、知らず知らずのうちに冷えが入り込むことで発症することもあります。 具体的には、冷たい飲み物や食べ物を過剰に摂取することで、胃腸などの消化器官が冷えて機能が低下し、食欲不振や消化不良、下痢などを引き起こします。また、冷房の効いた部屋に長時間いることで、体が冷えてしまい、頭痛、めまい、倦怠感、肩こり、腰痛などを引き起こすこともあります。 さらに、暑い屋外から冷房の効いた室内への出入りを繰り返すことで、自律神経のバランスが乱れ、だるさや疲労感、睡眠障害などを引き起こすこともあります。 陰暑證は、夏の暑さの中で発症するため、一見すると夏バテと間違えられやすい病気です。しかし、その原因や症状は異なるため、適切な対策を行うことが重要です。
漢方の診察

夏の暑さにご用心!暑邪が引き起こす「暑証」とは

- 夏の暑さと健康の関係 夏の暑さは、私たちにとってごく当たり前のものですが、時に健康を脅かす存在となることがあります。東洋医学では、夏の暑さが原因で体調を崩すことを「暑邪」と捉え、その影響で様々な症状が現れると考えられています。暑邪は、体に必要な潤いを奪い、気の流れを乱すことで、様々な不調を引き起こします。 暑邪が体内に侵入することで引き起こされる症状は「暑証」と呼ばれ、以下のようなものが挙げられます。 * -熱中症のような症状- めまい、頭痛、倦怠感、吐き気など。 * -消化器系の不調- 食欲不振、胃もたれ、下痢など。 * -精神的な不調- イライラしやすくなる、不眠、集中力の低下など。 これらの症状は、暑さによって体内の水分やミネラルバランスが崩れることで起こると考えられています。また、暑さで自律神経のバランスが乱れることも、不調の原因となります。 東洋医学では、暑邪の影響を受けやすい体質の人や、生活習慣によって暑証が悪化する場合があるとされています。例えば、冷たいものを摂りすぎたり、冷房の効いた部屋に長時間いたりする生活は、体の冷やし過ぎにつながり、暑邪の影響を受けやすくなる可能性があります。 暑証を予防するためには、体の内側から冷やすことが大切です。水分をこまめに摂取する、旬の食材を食べる、十分な睡眠をとるなど、日常生活の中でできることから心がけましょう。また、激しい運動は避け、適度に体を休ませることも重要です。
漢方の診察

夏の不調?暑湿襲表証とその症状

- 暑湿襲表証とは? 暑湿襲表証とは、東洋医学において、夏の高温多湿な気候が原因で起こる体の不調を指す言葉です。特に、ジメジメとした梅雨の時期などは、体に余分な湿気が入り込みやすく、様々な症状を引き起こします。まるで湿った重い布を体にまとっているような、どんよりとした不快感が特徴です。 東洋医学では、私達の体と自然界は密接に関係しており、自然環境の変化は体に直接影響すると考えます。夏は気温と湿度が共に高くなり、体に熱と湿気がこもりやすくなります。この状態が、暑湿襲表証と呼ばれる状態です。 この湿気は、体内の気の巡りを滞らせ、正常な機能を阻害するため、様々な不調として現れます。具体的な症状としては、倦怠感、食欲不振、むくみ、下痢、吐き気などがあります。また、頭痛、めまい、体が重だるいといった症状が現れることもあります。 暑湿襲表証は、適切な養生法を行うことで改善することができます。食事や生活習慣を見直し、体の湿気を取り除き、気の巡りをスムーズにすることが大切です。