有機的統一体

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東洋医学の基礎:全体観念

- 全体観念とは -# 全体観念とは 東洋医学、特に中医学では、人体を単なる部分の集合体としてではなく、一つの有機的な統一体として捉えます。これを「全体観念」と呼びます。西洋医学のように、心臓、肺、胃、腸といった各臓器を独立した存在として診るのではなく、それぞれの臓器は相互に密接に影響し合い、調和することで健康な状態を保っていると考えます。 例えば、胃の不調一つをとっても、その原因は胃自体にあるとは限りません。ストレスによる肝の機能低下が胃に影響を与えているかもしれませんし、冷えによって脾の働きが弱まり、胃の消化機能が低下していることも考えられます。このように、東洋医学では一見すると関係のないような症状や体質、さらにはその人の置かれている環境や季節なども含めて総合的に判断し、原因を探っていきます。 この全体観念は、治療においても重要な役割を果たします。病気の根本原因を突き止め、身体全体のバランスを整えることで、自然治癒力を高め、健康な状態へと導くことを目指します。つまり、単に症状を抑える対症療法ではなく、身体全体の調和を取り戻すことで、根本的な改善を目指すのが、東洋医学の特徴と言えるでしょう。