東洋医学における瘀血と気滞:活血行気の役割
- 活血行気とは
-# 活血行気とは
東洋医学では、健康を保つためには、体の中を流れる目に見えないエネルギー「気」と血液が、滞りなくスムーズに巡っていることが大切だと考えられています。この考え方は、川の流れにもたとえられます。水が澄んでいて流れがスムーズな川は、周囲に豊かな自然をもたらします。しかし、流れが滞ると水は濁り、やがて悪臭を放ち始めます。これと同じように、体の中で「気」と血液の流れが滞ると、様々な不調が現れると考えられています。
「気」と血液の流れが滞ってしまう原因は、日常生活の様々なところに潜んでいます。例えば、不規則な生活習慣や偏った食事、冷え、運動不足、ストレス、加齢などが挙げられます。
「気」の流れが滞ることを「気滞」、「気」の不足を「気虚」といい、イライラしやすくなったり、気分が落ち込みやすくなったり、やる気が出ないなどの精神的な症状が現れやすくなると言われています。また、「血」の流れが滞ることを「瘀血(おけつ)」といい、肩こりや腰痛、冷え性、生理痛、肌のくすみ、しびれなどの症状が現れやすくなると言われています。
「活血行気」は、これらの「気」と「血」の滞りを解消し、流れをスムーズにすることで、本来体が持っている自然治癒力を高め、健康な状態へと導くことを目的とした治療法です。