
脾腎陽虚:身体を温める鍵
- 脾腎陽虚とは
-# 脾腎陽虚とは
東洋医学では、生命活動を支えるエネルギーが存在すると考えられており、これを「気」と呼びます。そして、「気」の中でも特に身体を温め、活動的にする働きを持つものを「陽気」と言います。脾腎陽虚とは、この陽気が不足した状態のうちでも、特に身体の重要な器官である「脾」と「腎」の陽気が弱っている状態を指します。
「脾」は、主に消化吸収を担い、飲食物から「気」を作り出す役割を担っています。この「脾」の陽気が不足すると、消化吸収機能が低下し、食欲不振や下痢、冷えなどを引き起こします。
一方、「腎」は成長や生殖、水分代謝などに関わる臓器であり、生命エネルギーの根源と考えられています。この「腎」の陽気が不足すると、身体を温める力が衰え、冷え症、むくみ、頻尿、倦怠感などが現れます。
脾腎陽虚は、これらの症状が複合的に現れることが多く、特に冷えを強く感じるのが特徴です。加齢や過労、冷えやすい環境などが原因で発症しやすく、日常生活の改善や食事療法、漢方薬などが有効とされています。