消化器症状

漢方の診察

便膿血:赤痢の可能性を示すサイン

- 便膿血とは?便膿血とは、その名の通り、便に血と膿、粘液が混じっている状態を指します。通常、健康な状態であれば、便は茶褐色で固体状をしており、これらの成分は含まれていません。しかし、便膿血の場合、便の色は赤褐色や黒褐色に変色し、ドロドロとした形状になることがあります。便に血が混じることを「血便」、膿が混じることを「膿便」とそれぞれ呼びますが、便膿血はこれらの症状が同時に現れる状態です。これは体内で何らかの異常が起きているサインであり、放置すると重篤な病気を引き起こす可能性もあります。便膿血の原因として最も多いのは、消化管、特に大腸における炎症や感染症です。例えば、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、細菌性腸炎、虚血性大腸炎などが挙げられます。また、大腸がんやポリープなどの腫瘍が原因となることもあります。便膿血は、その症状だけから自己判断することは大変危険です。少しでも異常に気付いたら、自己判断せずに速やかに医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしてください。
漢方の診察

東洋医学における濡泄:原因と症状

- 濡泄とは東洋医学では、健康を保つために体内の水分バランスが非常に重要であると考えられています。このバランスが崩れ、体に余分な水分が溜まってしまう状態を「湿」と呼びます。この「湿」が悪さをして起こる下痢の一つに、「濡泄(じゅえつ)」があります。濡泄は、体内に溜まった過剰な「湿」によって、消化吸収を司る「脾」の働きが弱まってしまうことが原因で起こります。脾は、食べ物から栄養を吸収し、体に必要なエネルギーに変換する重要な役割を担っています。しかし、脾が湿邪の影響を受けてしまうと、その機能が低下し、水分代謝がうまくいかなくなってしまいます。その結果、消化不良を起こしたり、体に必要な水分をうまく吸収できなくなったりします。そして、余分な水分が腸に溜まり続け、水のような便が続くようになります。これが濡泄の主な症状です。濡泄は、まるで雑巾を絞ったように、だらだらと水のような便が出るのが特徴です。また、お腹が張ったり、冷えを感じたり、体が重だるく感じることもあります。このような症状が見られる場合は、濡泄の可能性がありますので、早めに専門家にご相談ください。
漢方の診察

東洋医学における溏泄:その原因と対策

- 溏泄とは何か溏泄(とうせつ)とは、東洋医学で使われる言葉で、西洋医学でいう下痢と似た症状を指します。しかし、ただ便がゆるい状態全般を指すのではなく、水のような下痢とは少し違います。どちらかといえば、泥や粥のように柔らかく形がなく、消化されなかったものが混ざっている便を指します。西洋医学では下痢は主に細菌やウイルスによる感染症が原因となることが多いですが、東洋医学では、溏泄は体の消化吸収機能の衰え、冷え、湿気などが原因と考えられています。つまり、東洋医学では、溏泄は体の水分代謝がうまくいかず、余分な水分が体に溜まってしまい、その結果、便が水っぽくなってしまう状態だと考えます。また、消化機能の低下も溏泄の原因の一つと考えられています。食べ物を十分に消化できないために、未消化物が便に混ざってしまい、便が柔らかくなるのです。さらに、冷えも溏泄の原因の一つと考えられています。冷えによって胃腸の働きが弱まり、消化吸収機能が低下することで溏泄が起こると考えられています。このように、東洋医学では溏泄は体の様々な機能の乱れが原因で起こると考えられており、その治療には、体のバランスを整え、消化吸収機能を高め、冷えを改善することが重要とされています。
漢方の診察

東洋医学が考える突然の腹痛と水様便:暴瀉とは?

- 暴瀉とは何か暴瀉とは、東洋医学において、突然激しい腹痛を伴い、水のような便が大量に出る状態を指します。これは、現代医学でいう急性腸炎や食中毒などに相当する症状です。暴瀉の主な症状としては、激しい腹痛と水様性の下痢が挙げられます。 お腹がキリキリと痛む、便意が強く我慢できない、トイレに行っても少量の水様便しか出ないといった状態を繰り返します。また、激しい腹鳴や肛門の焼けるような痛みを伴うこともあり、患者様にとっては大変つらいものです。東洋医学では、暴瀉の原因は冷たい飲食物の摂り過ぎや、暴飲暴食、心身の疲労、冷えなどによって、胃腸の機能が低下し、体内の水分代謝が乱れることだと考えられています。暴瀉は、適切な処置を行えば比較的早く治癒する病気ですが、脱水症状を引き起こしやすいため注意が必要です。症状が重い場合や、改善が見られない場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診しましょう。
漢方の診察

消化不良のサイン?洞泄について解説

- 洞泄とは?-洞泄とは?-洞泄(どうせつ)は、東洋医学の考え方で使われる言葉で、食事をした後すぐに下痢をしてしまう状態を指します。 これは、現代医学でいう過敏性腸症候群や消化不良と似た症状です。しかし、東洋医学では、単に食べ物が消化されないというだけでなく、体の中を巡っている「気」というエネルギーの流れが乱れていることが原因だと考えられています。東洋医学では、人は誰でも生まれながらにして「気」「血」「水」という3つの要素を持っていて、これらが体の中をスムーズに巡ることで健康が保たれると考えられています。この考え方を「気血水(きけつすい)」と言います。洞泄は、この気血水のバランスが崩れ、特に「気」の乱れが消化器官に影響を与えることで起こるとされています。例えば、精神的なストレスや過労、冷えなどが原因で「気」が滞ったり、不足したりすると、食べ物をきちんと消化することができなくなると考えます。その結果、食べたものが十分に消化されないまま腸に送られ、下痢が引き起こされると考えられています。洞泄は、その原因や症状に合わせて、食事療法や鍼灸治療、漢方薬の処方など、様々な方法で治療が行われます。
漢方の診察

東洋医学から見る滑泄:原因と治療法

{滑泄とは、東洋医学において、便が自分の意思とは関係なく漏れてしまう状態を指します。これは、西洋医学でいう下痢とは少し違います。下痢は、単に便がゆるくなることもありますが、滑泄は、便意を感じることなく、知らない間に便が出てしまう点が特徴です。東洋医学では、この滑泄は、消化器官の働きが著しく低下しているサインだと考えられています。食べ物を消化し、吸収する力が弱っているために、便が未消化のまま体外へ排出されてしまうのです。もしも、滑泄を放置してしまうと、必要な栄養が体に行き渡らなくなり、体力や気力の低下に繋がってしまうこともあります。滑泄は、体からの重要な警告です。一時的な消化不良として軽視せず、根本的な原因を探り、適切な養生法や治療法を選択していくことが大切です。
漢方の診察

東洋医学から見る泄瀉病

- 泄瀉病とは泄瀉病とは、東洋医学において、排便の回数が増え、水分の多い、軟らかい便や水のような便が頻繁に出る状態を指します。西洋医学でいう下痢や軟便に相当しますが、東洋医学では、単なる消化器の病気としてではなく、体全体のバランスの乱れが消化器官に現れた状態として捉えます。これは、体内の水分代謝の異常と考えられており、食事の不摂生や冷え、過労、ストレスなど、様々な要因によって引き起こされるとされています。泄瀉病は、その症状や原因によって、さらに細かく分類されます。例えば、消化不良によるもの、冷えによるもの、体力低下によるものなど、様々なタイプがあります。それぞれのタイプによって、治療法も異なってきます。東洋医学では、泄瀉病の治療において、患者の体質や症状、原因を総合的に判断し、漢方薬の処方や鍼灸治療などを行います。
漢方の診察

東洋医学が考える下痢の原因と対処法

- 下痢とは-# 下痢とは下痢は、私たちが日常的に経験する消化器系の不調の一つです。西洋医学では便の回数や状態に着目しますが、東洋医学では、単なる便通の異常として捉えるのではなく、体全体のバランスが崩れた状態として考えます。東洋医学では、食べ物を消化吸収し、体に必要な栄養を送り出す働きを「脾」が担うと考えられています。また、「胃」は受け入れた食べ物を消化しやすい状態に変化させる役割を担います。下痢は、これらの「脾」や「胃」の機能が低下することで、食べた物が十分に消化吸収されずに、水分を多く含んだ状態で排泄されてしまうことで起こると考えられています。また、東洋医学では「冷え」も下痢の原因の一つとして捉えます。「冷え」は胃腸の働きを弱めるため、下痢を起こしやすくなるとされています。冷たい飲食物の摂り過ぎや、冷房の効き過ぎた環境にいることなどが「冷え」に繋がります。下痢が続く場合は、「脾」や「胃」の機能を高め、「冷え」を取り除くことが重要になります。食生活の見直しや、体を温める食材を積極的に摂るように心がけましょう。また、ストレスや睡眠不足も胃腸に負担をかけるため、十分な休息とリラックスも大切です。
便秘

東洋医学における「注泄」:その原因と治療法

- 注泄とは-# 注泄とは注泄とは、東洋医学において、水が溢れ出すように勢いよく、水のような便が排出される激しい下痢の状態を指します。これは、西洋医学でいう「急性水様性下痢」や「outpour diarrhea」に相当すると考えられています。この状態は、体内の水分バランス、すなわち「水液代謝」が乱れ、消化吸収を司る「脾」や、水分代謝を調整する「肺」「腎」などの機能が著しく低下していることを示唆しています。注泄は、体内の水分や栄養分が急激に失われるため、適切な治療を行わなければ、脱水症状や栄養失調を引き起こし、生命に関わる危険性も孕んでいます。 単なる下痢と安易に考えず、速やかに専門家の診察を受けることが重要です。
漢方の診察

東洋医学における水瀉の理解

- 水瀉とは-# 水瀉とは水瀉とは、漢方医学において、水のような便が勢いよく排出される重度の泄瀉を指します。まるで水が溢れ出すように、消化吸収されないまま水分が体外に排出されてしまう状態を指します。西洋医学の用語では「outpour diarrhea」に相当し、大量の水様便を伴うことが特徴です。この症状は、体内の水分のバランスが崩れ、消化機能が著しく低下している状態を示唆しています。東洋医学では、脾胃の機能虚弱が主な原因として考えられています。脾胃とは、消化吸収を担う臓腑のことで、これらの機能が低下すると、水分代謝がうまくいかなくなり、水瀉が起こると考えられています。水瀉は、一過性のものから慢性的なものまで、その症状は様々です。主な症状としては、頻回の水様便、腹鳴、腹部膨満感、倦怠感などが挙げられます。重症化すると、脱水症状や電解質異常を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。水瀉の原因としては、暴飲暴食、冷たい飲食物の過剰摂取、疲労、ストレス、冷えなどが考えられます。また、感染性腸炎など、他の病気が原因で起こる場合もあります。水瀉の治療は、その原因や症状、体質などを考慮して行われます。漢方医学では、脾胃の機能を高め、水分代謝を改善する漢方薬が用いられます。また、食事療法や生活習慣の改善も重要です。
漢方の診察

東洋医学が考える泄瀉とその対処法

- 泄瀉とは何か泄瀉とは、東洋医学において、何度も軟便や水のような便が出る状態を指します。西洋医学でいう下痢と同じような状態ですが、単なる症状として捉えるのではなく、体内の水分の巡りや食べ物の消化・吸収といった機能の乱れが深く関係していると東洋医学では考えます。泄瀉は、その原因や症状によって細かく分類されます。例えば、冷たいものを摂り過ぎたために起こるもの、暴飲暴食が原因となるもの、精神的なストレスが引き金となるものなど、さまざまなケースがあります。それぞれの原因に応じて、体質改善や生活習慣の見直し、適切な生薬を用いた治療などを行います。東洋医学では、心と体は密接につながっていると考えます。そのため、泄瀉の治療においても、身体的な症状だけでなく、精神的な面にも配慮することが重要です。患者さん一人ひとりの状態を丁寧に診て、根本的な原因を探り、その人に合った治療法を見つけていくことが大切です。
漢方の診察

東洋医学における痞満とそのケア

- 痞満とは痞満(ひまん)は、東洋医学において、胸やみぞおち、お腹の上部あたりに詰まったような、不快な圧迫感や張りを感じることを指します。例えるなら、食べ過ぎた後や、胃もたれを起こしている時の、あの重苦しい感覚に似ています。現代医学の用語では、胃もたれや腹部膨満感といった状態に近いと言えるでしょう。日常で感じる、食後に胃がもたれる、お腹が張って苦しい、げっぷがよく出る、といった症状は、この痞満の可能性があります。また、単に消化器系の不調だけでなく、精神的なストレスや緊張が原因で起こることもあります。東洋医学では、心と体は密接に関係していると考えるため、精神的な要因も重視されます。痞満は、病気というよりは、体からのサイン、一種の未病の状態と捉えられます。このサインを見逃さず、生活習慣の見直しや、適切な養生を行うことで、より深刻な病気を予防することに繋がると考えられています。
漢方の診察

東洋医学における「痞」:その意味と症状

- 「痞」とは東洋医学では、心と身体は密接に繋がっていると捉え、目には見えない「気」の流れが健康を左右すると考えます。この「気」は、全身をくまなく流れ、生命エネルギーを運んだり、体の機能を調整したりしています。しかし、様々な要因によってこの「気」の流れが滞ってしまうことがあります。その結果、体に様々な不調が現れると考えられており、「痞」もその一つです。「痞」は、特定の部位に「気」の流れが滞り、停滞してしまうことで起こるとされています。まるで、水路を流れる水が、途中で詰まって淀んでしまうかのようです。この「気」の停滞によって、体の一部に膨張感や圧迫感、抵抗感といった不快な感覚が生じます。具体的には、喉に何かが詰まったような感覚、お腹が張って苦しいような感覚など、患者さん自身は強い不快感を覚えます。しかし厄介なことに、「痞」は、外見からは分かりにくく、検査をしても異常が見つからない ことが少なくありません。そのため、西洋医学的な診断が難しく、治療法も確立されていないのが現状です。東洋医学では、「痞」は身体からの重要なサインと捉え、その原因を探り、滞った「気」の流れをスムーズにするための治療を行います。
漢方の診察

東洋医学から見る乾嘔:その原因と対処法

- 乾嘔とは-# 乾嘔とは乾嘔とは、吐き気を催して嘔吐しようとするにも関わらず、実際には何も吐き出されない状態を指します。まるで胃の中が空っぽであるにも関わらず、無理に何かを出そうと体がしているような感覚に襲われるため、大変苦しく、不安を抱く方も少なくありません。この乾嘔は、医学的には「空嘔吐」とも呼ばれ、嘔吐中枢が刺激されることで引き起こされます。嘔吐中枢は、脳の一部である延髄という場所にあり、様々な要因によって刺激を受けます。例えば、胃腸の不調。胃炎や胃潰瘍、腸閉塞といった病気にかかると、胃腸が正常な動きを阻害され、その情報が嘔吐中枢に伝わって乾嘔を引き起こすことがあります。また、乗り物酔いや二日酔いなども、三半規管や内耳の異常、アルコールの分解によって生じるアセトアルデヒドなどの影響で嘔吐中枢が刺激され、乾嘔を引き起こす要因となります。さらに、つわりやストレスといった精神的な要因も、自律神経のバランスを乱し、嘔吐中枢に影響を与えることで乾嘔を誘発することがあります。乾嘔が続く場合は、これらの原因となる病気が隠れている可能性も考えられます。自己判断せず、医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。
漢方の診察

東洋医学における悪心の捉え方

- 悪心とは-# 悪心とは悪心とは、吐き気を催すような、胃のあたりがムカムカする不快な感覚のことを指します。多くの人が経験する、いわゆる「吐き気がする」という状態です。この不快感は、胃のあたりが締め付けられるような感覚や、圧迫感を伴うこともあります。悪心は、時に他の症状を伴うこともあります。例えば、めまいを感じたり、顔が青白くなる、冷や汗が出る、唾液の分泌が増えるといった症状が見られることがあります。また、実際に嘔吐を伴う場合もあれば、嘔吐せずに悪心の状態が続く場合もあります。悪心が起こる原因は実に様々です。食べ過ぎや飲み過ぎ、乗り物酔いなど、一時的な要因で起こることもあれば、胃腸炎や食中毒、風邪といった病気のサインとして現れることもあります。また、ストレスや不安、緊張といった精神的な要因も悪心を引き起こすことがあります。妊娠初期に見られるつわりも、悪心の症状の一つです。悪心は、多くの人が経験するありふれた症状ですが、その原因は多岐にわたります。そのため、症状が続く場合や、頻繁に起こる場合には、自己判断せずに医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。
漢方の診察

東洋医学における「納呆」:食欲不振の深層へ

- 「納呆」とは何か「納呆」とは、東洋医学において、食欲が減退し、食事を美味しく感じられず、食べる量が自然と減ってしまう状態を指します。これは、西洋医学でいう「食欲不振」に似た概念ですが、一時的な食欲の低下とは区別されます。西洋医学では、主に体の不調に焦点を当てますが、東洋医学では、心と体は密接に繋がっていると捉え、体の表面的な症状だけでなく、その背後にある根本的な原因を探求します。つまり、体の不調は、心の乱れが引き起こしていると考えます。したがって、「納呆」もまた、単なる胃や腸などの消化器系の不調ではなく、体のバランスが崩れたサイン、あるいは心の状態が反映されたものと考えられています。例えば、過度なストレスや不安、悲しみなどが、食欲を減退させ、「納呆」の状態を引き起こすと考えられています。東洋医学では、このような心の状態も考慮しながら、「納呆」の改善に取り組みます。
漢方の診察

命に関わることも? 噤口痢の恐怖

- 噤口痢とは噤口痢は、東洋医学の古い書物に登場する、命を落とす危険性も孕んだ重篤な病気です。激しい下痢に襲われるだけでなく、全くと言っていいほど食欲がなくなり、無理に食べたり飲んだりしようとすると、吐き気を催して嘔吐してしまうという、三重苦に苦しむ恐ろしい病気として知られています。現代の医学では、この病気にぴったり当てはまる病名は見つかっておらず、詳しい原因やメカニズムは、今もなお解明されていません。ただ、その症状から、体の水分や栄養をうまく吸収できなくなる消化器系の深刻な機能不全と考えられています。東洋医学では、この病気を引き起こす要因として、過度なストレスや不摂生、体質などが複雑に絡み合っているとされています。現代においても、噤口痢は、その原因や治療法が確立していないため、発症すると治療は困難を極めます。西洋医学的な対症療法と並行して、東洋医学的な観点から、体質改善や生活習慣の見直しを行うなど、様々な角度からのアプローチが必要とされています。
漢方の診察

少陽腑証:寒熱往来と胃腸の不調

- 少陽腑証とは少陽腑証とは、東洋医学における六経弁証の一つで、体の表面と内部の中間に位置する「少陽」と呼ばれる段階で、主に胆と三焦と呼ばれる機能が乱れ、胃腸を含む消化器系に影響が出ている状態を指します。少陽は気の流れの転換点と考えられており、ここで気の流れが滞ると、体内の熱と水の循環がうまくいかなくなります。その結果、消化器系に影響が現れ、吐き気や胸焼け、食欲不振、口の苦味、脇腹の張り、便秘や下痢を交互に繰り返すといった症状が現れます。また、精神的にも不安定になりやすく、イライラしやすくなったり、気分が落ち込みやすくなったりします。少陽腑証は、風邪の初期症状として現れることも多く、寒気や発熱、頭痛、筋肉痛などを伴うこともあります。さらに、ストレスや過労、不眠、食生活の乱れなども、少陽腑証を引き起こす要因となります。少陽腑証の治療では、主に漢方薬を用いて、滞った気をスムーズに循環させ、熱と水のバランスを整えることを目指します。柴胡剤と呼ばれる種類の漢方薬がよく用いられ、症状に合わせて他の生薬が配合されます。また、日常生活では、十分な休息と睡眠をとり、バランスの取れた食事を心がけ、ストレスを溜めないようにすることが大切です。
漢方の診察

知っておきたい蟲積證:原因と症状

- 蟲積證とは?-# 蟲積證とは?蟲積證とは、寄生虫が私達の腸に住み着くことで、様々な不調が現れる病気の総称です。「寄生虫」と聞くと、どこか遠い国の出来事のように思えるかもしれません。しかし、衛生環境が大きく改善された現代においても、決して他人事ではありません。私達の身の回りには、目には見えない小さな寄生虫が存在し、知らず知らずのうちに私達の体内に侵入し、住み着いてしまうことがあるのです。蟲積證は、決して珍しい病気ではありません。特に、食生活のグローバル化が進み、生ものや海外からの食材を口にする機会が増えた現代では、国内でも感染のリスクは高まっていると言えるでしょう。また、小さな子供は、免疫の機能が未発達なため、寄生虫に感染しやすく、注意が必要です。寄生虫は、腸の中で栄養を奪いながら成長し、私達の体に様々な悪影響を及ぼします。代表的な症状としては、腹痛、下痢、便秘、食欲不振、体重減少などが挙げられます。また、寄生虫の種類によっては、貧血や発育不良、皮膚症状などを引き起こすこともあります。蟲積證は、早期発見・早期治療が重要です。少しでも気になる症状があれば、自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。