燥邪

漢方の診察

秋の乾燥に注意!温燥とは?

- 温燥とは-# 温燥とは秋の乾燥した空気は、東洋医学では「燥邪」と呼ばれる邪気の一つと考えられています。この燥邪が体に侵入することで、様々な不調を引き起こすことがあり、これを「温燥」と呼びます。温燥は、風邪のような症状を伴わない空咳や、皮膚や粘膜の乾燥、便秘などを特徴とする、秋によく見られる不調です。燥邪は、文字通り「乾燥」を意味し、体内の水分を奪い、潤いを失わせる性質を持っています。そのため、温燥の症状は、主に呼吸器や皮膚、腸など、外界と接する部分に現れやすいとされています。例えば、乾燥した空気を吸い込むことで、喉の渇きや空咳、痰が絡むなどの症状が現れます。また、皮膚の乾燥やかゆみ、髪の毛のパサつきなども、温燥の特徴的な症状です。さらに、腸の水分も奪われるため、便秘になりやすくなることもあります。温燥は、単独で現れることもありますが、風邪などの他の病気と併発することもあります。特に、秋に風邪をひいた際に、咳が長引いたり、皮膚の乾燥がひどくなったりする場合は、温燥を併発している可能性も考えられます。東洋医学では、体の状態に合わせて、食事療法や生活習慣の改善、漢方薬などを用いて、温燥の治療を行います。
その他

残暑を乗り切る養生法:東洋医学が教える燥熱対策

残暑もようやく落ち着き、過ごしやすい季節の到来を感じる一方で、体調を崩しやすい時期でもあります。東洋医学では、この時期に特有の不調の原因の一つとして「燥熱(そうねつ)」を考えます。「燥熱」とは、夏の間に体内に蓄積された熱(暑邪しょじゃ)と、秋の乾燥(燥邪そうじゃ)が組み合わさって生じる状態を指します。夏の間、私たちの体は強い日差しや暑さに対応するため、知らず知らずのうちに熱を溜め込んでいます。そして、空気が乾燥し始める秋になると、体内の水分や潤いが奪われやすくなります。この蓄積された熱と乾燥が重なることで、体に様々な不調が現れると考えられています。具体的には、喉の渇きや痛み、肌の乾燥、便秘、イライラしやすくなる、不眠などの症状が現れます。また、風邪を引きやすくなったり、咳が長引いたりするのも、燥熱の影響が考えられます。東洋医学では、こうした症状を改善するために、体内の熱と乾燥を取り除くことが大切だと考えられています。
漢方の診察

秋の乾燥対策:東洋医学が教える外燥とは?

秋は過ごしやすい気候で、木々が赤や黄色に移り変わる美しい季節ですが、東洋医学では、空気中に乾燥した悪い気が漂い始め、体の調子に影響を与える季節と考えられています。特に、空気の乾燥によって引き起こされる「外燥(がいそう)」は、私たちの体に様々な不調をもたらす要因となります。秋の乾燥した空気は、体内の水分を奪い、体の潤いを失わせるため、肌や髪、喉などの乾燥を感じやすくなります。肌のかさつきや粉吹き、髪のぱさつき、喉の痛みや咳、鼻の乾燥などは、外燥の典型的な症状です。また、東洋医学では、肺は乾燥に弱い臓器と考えられており、外燥の影響を受けやすいとされています。肺の機能が低下すると、呼吸器系の不調だけでなく、免疫力の低下や疲労感、倦怠感など、様々な症状が現れる可能性があります。外燥から体を守るためには、乾燥した空気から体を守り、体内の潤いを保つことが大切です。
体質

東洋医学における燥邪:乾燥がもたらす体の不調

- 燥邪とは東洋医学では、自然界の変化と体の調和を大切に考えています。季節や環境の変化は、私たちの体に影響を与える「気」を生み出し、そのバランスが崩れることで病気を引き起こすとされています。この「気」の乱れを引き起こすもののことを「邪気」と呼びますが、特に乾燥した状態が体に悪影響を及ぼすものを「燥邪(そうじゃ)」と言います。燥邪は、その名の通り、乾燥によって引き起こされます。秋の空気が乾燥する時期に多く見られることから「秋の邪気」とも呼ばれていますが、何も秋に限ったものではありません。乾燥した食べ物を食べ過ぎたり、エアコンの効いた部屋に長時間いたりするなど、現代社会では一年を通して燥邪の影響を受けやすいと言えるでしょう。具体的には、肌や髪、喉の乾燥、便秘、咳、空咳といった症状が現れます。さらに悪化すると、皮膚のかゆみ、声のかれ、鼻血などの症状が出ることもあります。また、東洋医学では、心の状態も体の状態と密接に関係していると考えられています。燥邪は、イライラしやすくなったり、不安を感じやすくなったりといった精神的な影響を与えることもあります。
漢方の診察

秋の乾燥に注意!:燥邪傷肺證とは?

- 燥邪傷肺證とは-# 燥邪傷肺證とは東洋医学では、自然界の変化と体の状態は密接に関係していると考えられており、特に秋の乾燥した空気は、体内の水分や潤いを奪う「燥邪(そうじゃ)」を生み出すと考えられています。 燥邪は、体の様々な部分に影響を与えますが、特に影響を受けやすいのが肺です。肺は、西洋医学では呼吸をつかさどる臓器として知られていますが、東洋医学では、呼吸だけでなく、体全体の水分代謝や防御機能にも深く関わっているとされています。 つまり、肺は体内に吸い込んだ空気から酸素を取り込むだけでなく、体内の水分を調節し、外部からの邪気から体を守る働きも担っていると考えられているのです。このため、秋になって空気が乾燥してくると、肺は燥邪の影響を直接的に受け、その機能が低下しやすくなります。 その結果、咳や喉の乾燥、痰が絡む、声がれ、皮膚の乾燥、便秘などの症状が現れます。これらの症状は、まさに燥邪が肺を傷つけている状態を表しており、東洋医学では「燥邪傷肺證(そうじゃしょうはいしょう)」と呼ばれています。燥邪傷肺證は、秋に特に多く見られる症状ですが、乾燥した室内で長時間過ごしたり、水分摂取が少ない場合など、秋以外でも発症する可能性があります。 対策としては、乾燥した環境を避け、十分な水分を摂ること、体を温める食材を積極的に食べることなどが有効です。 また、東洋医学では、肺の機能を高める漢方薬を用いることで、燥邪傷肺證の症状を改善することもあります。
漢方の診察

秋の乾燥に注意!燥邪犯肺證とは?

- 燥邪犯肺證とは-# 燥邪犯肺證とは秋の訪れとともに、空気の乾燥が強まりますが、東洋医学では、この乾燥した状態を「燥」と捉え、「邪気」の一種である「燥邪」が体に侵入しやすくなると考えます。そして、この燥邪が特に影響を与えやすいのが、呼吸をつかさどる重要な臓器である「肺」です。「燥邪犯肺證」は、まさにこの燥邪が肺に侵入し、その機能を阻害することで引き起こされる様々な症状を指します。肺は、体内に新鮮な空気を取り込み、不要なものを排出する役割を担っていますが、燥邪の影響を受けると、そのスムーズな働きが妨げられます。具体的には、乾燥による喉の痛みや咳、痰の絡み、声のかすれといった呼吸器系の症状が現れます。さらに、燥邪は体の潤いを奪う性質があるため、皮膚の乾燥や便秘といった症状も引き起こすことがあります。燥邪犯肺證は、まさに秋の乾燥がもたらす体の不調と言えるでしょう。
内臓

秋の乾燥に注意!燥氣傷肺とは

- 燥氣傷肺とは-# 燥氣傷肺とは東洋医学では、自然界と人体は密接に繋がっていると捉え、季節の変化が身体に様々な影響を及ぼすと考えます。秋は空気が乾燥し始める季節ですが、この乾燥した空気のことを「燥邪(そうじゃ)」と呼びます。燥邪は、その名の通り、身体から水分を奪う性質を持っています。特に、呼吸を通して外界と直接触れ合う「肺」は、燥邪の影響を受けやすい臓器です。肺は、体内に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する呼吸機能だけでなく、体内の水分代謝にも深く関わっています。秋の乾燥した空気によって肺が乾燥してしまうと、肺の潤いである「肺津(はいしん)」が不足し、「燥氣傷肺(そうきしょうはい)」という状態に陥ると考えられています。肺津は、肺の正常な機能を保つために欠かせないものです。肺津が不足すると、空咳や痰が絡む、喉の渇き、肌の乾燥などの症状が現れます。燥氣傷肺は、秋に多く見られる症状ですが、近年では、エアコンの使用や食生活の変化などにより、秋以外の季節でも起こりやすくなっています。日頃から、乾燥した空気や冷たい空気を避け、十分な水分補給を心がけることが大切です。
内臓

東洋医学における肺気実:その原因と症状

- 肺気実とは-# 肺気実とは東洋医学では、目には見えない「気」という生命エネルギーが体の中をくまなく巡っているとされています。この「気」は、呼吸や食事を通して体に取り込まれ、体の隅々まで行き渡り、様々な働きを助ける役割を担っています。 「肺気実」とは、この「気」の流れが肺で滞ってしまう状態を指します。まるで、空気の通り道である肺に、不要なものが詰まってしまっているような状態です。肺は、私たちが生きていく上で欠かせない呼吸を司る臓器です。新鮮な空気を吸い込み、体の中の老廃物を排出する役割を担っています。 この肺の働きが、何らかの原因で過剰になったり、あるいは肺に「気」が滞ってしまうことで、咳や痰、呼吸困難などの呼吸器症状が現れます。 さらに、肺は全身の「気」の循環にも深く関わっており、肺の機能が低下すると、全身の「気」の流れも滞りやすくなります。その結果、倦怠感や食欲不振、むくみなどの全身症状が現れることもあります。肺気実は、風邪や気管支炎、喘息などの呼吸器疾患によって引き起こされることが多いですが、精神的なストレスや不規則な生活習慣、食生活の乱れなども原因の一つと考えられています。
内臓

東洋医学における肺實:その原因と症状

- 肺實とは-# 肺實とは肺實とは、東洋医学における概念の一つで、呼吸をつかさどる肺の働きが、様々な要因によって阻害され、本来の機能を十分に果たせなくなっている状態を指します。私たちの体にとって、肺は欠かせない臓器です。新鮮な空気を体内に取り込み、生命活動に不可欠な酸素を全身に送り届ける役割を担っています。同時に、体内で発生した不要な二酸化炭素を外に排出する働きも担っています。この一連の呼吸活動によって、私たちは健やかに生きていくことができるのです。しかし、何らかの原因で肺の働きが滞ってしまうと、呼吸に関連する様々な不調が現れます。例えば、息苦しさを感じたり、咳や痰が出やすくなったりします。さらに悪化すると、体内に十分な酸素を取り込めなくなり、生命維持にも支障をきたす可能性も出てきます。東洋医学では、こうした肺の機能低下を「肺實」と捉え、その原因や症状、体質に合わせた対処法を探っていきます。