粘膜

その他

東洋医学が診る潰瘍

- 潰瘍とは潰瘍とは、皮膚や粘膜にできた傷が治癒せず、組織が欠損した状態を指します。この傷は、外部からの刺激や病気などによって引き起こされ、体の様々な部位に発生する可能性があります。特に、胃や十二指腸といった消化器系に発生する潰瘍は多く、それぞれ「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」として知られています。胃や十二指腸は、食べ物を消化するために強い酸性の胃液を分泌していますが、この胃液によって粘膜が傷つけられることで潰瘍が形成されます。また、口の中にできる口内炎も潰瘍の一種です。口内炎は、粘膜に炎症が起こり、小さな傷ができたり、赤く腫れたりすることで痛みを生じます。口内炎の原因は様々で、ウイルス感染や栄養不足、ストレスなどが関係していると考えられています。潰瘍は、自然に治癒することもありますが、症状が悪化すると出血や perforation (穿孔)などの合併症を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の場合は、早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
漢方の診察

知っておきたい紫斑:原因と東洋医学的アプローチ

- 紫斑とは紫斑とは、皮膚や粘膜に現れる、赤紫色の斑点のことを指します。これは、毛細血管などから血液成分が皮下に漏れ出てしまうことで起こります。その大きさは、小さな点状のものから、大きな斑状のものまで様々です。形も円形や楕円形など、様々なものがみられます。多くの場合、痛みやかゆみなどの自覚症状を伴いませんが、放置すると症状が悪化する可能性もあるため、注意が必要です。紫斑は、見た目には一見するとあざのように見えることもあります。しかし、あざは一般的に、外部からの衝撃によって毛細血管が損傷し、皮下出血を起こすことで発生します。一方、紫斑は、外部からの衝撃とは関係なく、血液の病気や、血管の異常、アレルギー反応などが原因で発生することが特徴です。紫斑は、原因や症状によっていくつかの種類に分けられます。例えば、血管の壁が弱くなることで紫斑が生じる場合や、血小板の数が減少することで出血が止まりにくくなることで紫斑が生じる場合などがあります。紫斑が現れた場合には、自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
漢方の診察

東洋医学が考える口内炎「口疳」とは?

- 口疳の概要口疳とは、口の中の粘膜、特に頬の内側に多数の赤い斑点やただれができる症状を指します。これは、西洋医学でいうところの口内炎と共通する部分も多いですが、東洋医学では単なる口の中の炎症として捉えるのではなく、体全体のバランス、特に胃腸の働きと密接な関係があると考えられています。東洋医学では、食べ物の消化吸収を担う「脾」や、消化された飲食物から必要な栄養を全身に送り出す「胃」の働きが弱まっている状態を「脾胃虚弱」と呼びます。口疳は、この脾胃虚弱が原因で起こると考えられており、食べ過ぎや偏った食事、冷たい物の摂り過ぎ、ストレスなどが脾胃に負担をかけ、その結果、口の中に熱がこもって炎症を起こすとされています。また、口疳は体の熱の滞りによっても引き起こされると考えられています。東洋医学では、心身の活動の源となるエネルギーを「気」と呼びますが、ストレスや不眠、過労などが続くと、この「気」の流れが滞り、熱を生み出すと考えられています。この熱が体の上部に昇り、口に症状として現れるのが口疳です。口疳の治療では、炎症を抑える対症療法を行うと同時に、根本原因である脾胃虚弱や体の熱の滞りを改善することが重要になります。具体的には、生活習慣の改善、食事療法、漢方薬の服用などを通して、体質を改善していくことが大切です。
漢方の診察

東洋医学が考える口糜とその対処法

- 口糜とは何か-# 口糜とは何か口糜とは、口の中に白い斑点がたくさん現れる症状を指します。この白い斑点は、頬の内側や舌、唇の裏側など、口の中の粘膜に発生します。多くは円形または楕円形で、周囲が赤く炎症を起こしていることが特徴です。口糜ができると、痛みやかゆみ、灼熱感を伴うことが多く、食事や会話、飲み込みなどに支障をきたすこともあります。東洋医学では、口の中は胃や脾臓など消化器系の状態を反映していると考えられています。そのため、口糜はこれらの臓腑の働きが弱っているサインと捉えられます。特に、食べ過ぎや脂っこいものの摂り過ぎ、冷たい食べ物や飲み物の多飲、過労やストレス、睡眠不足などが原因で、胃腸に負担がかかり、口糜が生じると考えられています。口糜は、原因や症状によって様々な漢方薬を用いて治療します。自己判断で漢方薬を使用することは避け、専門家の診断を受けて適切な治療を受けることが大切です。
西洋医学との比較

東洋医学から見る息肉:その原因と治療

- 息肉とは-# 息肉とは息肉とは、鼻や副鼻腔の粘膜から生じる、まるでブドウの房のような形をした突起物のことです。その大きさは、ごく小さなものから数センチに達するものまで様々です。初期段階では自覚症状がない場合もありますが、息肉が大きくなるにつれて、鼻の空気の通り道が塞がれてしまい、鼻づまりや嗅覚の低下といった症状が現れることがあります。息肉ができる原因は、まだはっきりとは解明されていませんが、慢性的な炎症が関係していると考えられています。例えば、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などを長期間患っていると、鼻の粘膜に炎症が起こり、その結果として息肉が形成されやすくなると言われています。さらに、鼻茸が大きくなると、鼻呼吸を困難にするだけでなく、睡眠中に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群や、耳と鼻をつなぐ管である耳管が塞がってしまうことによる中耳炎などを引き起こす可能性もあります。そのため、息肉が疑われる場合は、自己判断せずに耳鼻咽喉科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
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東洋医学における乾燥:外燥証を理解する

- 外燥証とは-外燥証とは-外燥証とは、東洋医学において、乾燥した気候に体が適応できずに、様々な不調が現れる状態を指します。 秋の乾燥した空気や、冬場の暖房の効いた室内など、空気中の湿気が少ない環境に身を置くことで、体の水分や潤いが失われ、様々な症状が現れます。外燥証は、主に肺の機能と密接に関係しています。東洋医学では、肺は呼吸をつかさどるだけでなく、体内の水分代謝や防御機能にも深く関わっていると考えられています。そのため、乾燥した空気を過剰に吸い込むことで、肺の機能が低下し、体内の水分バランスが崩れ、外燥証の症状が現れると考えられています。具体的には、空咳、喉の渇き、皮膚の乾燥、便秘などが代表的な症状として挙げられます。咳は乾燥した空気によって気道が刺激されることで起こり、痰を伴わない乾いた咳が特徴です。また、体内の水分が不足することで、喉の渇きや皮膚の乾燥も引き起こされます。さらに、腸の動きも鈍くなるため、便秘になりやすくなります。外燥証は、適切な養生法を行うことで改善することができます。乾燥した環境を避ける、十分な水分を摂る、潤いを与える食材を食べる、などの方法が有効です。また、東洋医学では、肺の機能を高め、体内の水分バランスを整える漢方薬も用いられます。外燥証の症状が重い場合や、自己療法で改善しない場合は、専門医に相談することをおすすめします。