東洋医学における脾不統血:その役割と影響
- 脾不統血とは
-# 脾不統血とは
「脾不統血」とは、東洋医学の考え方の一つで、体の重要な器官である「脾」の働きが弱まり、血液を血管内に正常に保てなくなる状態を指します。
東洋医学では、「脾」は飲食物から「気」と「血」を生み出す源と考えられており、全身に栄養を届ける役割を担っています。 また、「脾」は血液が血管から漏れ出さないようにコントロールする働きも持っています。この働きを「統血」と言います。
しかし、疲労やストレス、冷え、食生活の乱れなどにより「脾」の働きが弱まると、「統血」の機能も低下します。その結果、血液が血管から漏れ出しやすくなり、「脾不統血」の状態になると考えられています。
「脾不統血」になると、様々な症状が現れます。代表的なものとしては、出血しやすくなる、あざができやすい、月経過多、鼻血、歯ぐきからの出血などが挙げられます。 また、「脾」は消化吸収にも関わるため、「脾不統血」になると食欲不振、下痢、軟便といった消化器症状が現れることもあります。さらに、顔色が悪い、疲労感、めまい、息切れ、動悸なども、「脾不統血」のサインとして現れることがあります。
「脾不統血」は、日常生活における養生が重要です。特に、「脾」を温めること、消化しやすい食事を心がけること、十分な睡眠をとること、ストレスを溜めないことなどが大切です。症状が重い場合は、専門の医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。