
滋陰潜陽:陰陽のバランスを整える治療法
- 陰陽の不均衡と病気
東洋医学では、健康とは体内の陰と陽のバランスがとれている状態だと考えられています。自然界のあらゆる現象は、相反する二つの性質、「陰」と「陽」で成り立っています。
「陰」は静かで暗い、冷たい性質を指し、月や夜、休息などを表します。一方、「陽」は活動的で明るい、温かい性質を指し、太陽や昼、活動などを表します。
この陰陽のバランスが崩れると、体に様々な不調が現れると考えられています。この状態を「陰陽失調」と言い、陰が不足して陽が過剰になる「陰虚陽亢」、陽が不足して陰が過剰になる「陽虚陰盛」、陽が不足しているにもかかわらず一時的に亢進しているように見える「虚陽上浮」、陰が不足しているにもかかわらず一時的に亢進しているように見える「虚陰浮越」の4つのタイプに分けられます。
例えば、怒りやストレス、睡眠不足、過労などが続くと、陰が不足して陽が亢進した「陰虚陽亢」の状態になりやすいと言われています。その結果、めまい、耳鳴り、不眠、動悸、ほてり、のぼせ、イライラなどの症状が現れます。
また、加齢や病気、過労などで体力が低下すると、陽が不足し陰が過剰になる「陽虚陰盛」の状態になりやすいと言われています。冷え性、むくみ、倦怠感、下痢などがその代表的な症状です。
東洋医学では、病気の治療だけでなく、病気の予防としても、この陰陽のバランスを整えることが重要だと考えられています。