胃腸の悲鳴?食べ過ぎに潜む『傷食』の脅威
- 暴飲暴食は胃腸の大敵
現代社会において、ついつい食事の量が増えてしまったり、好きなものばかりを食べてしまうことはありませんか?美味しいものを好きなだけ食べることは、確かに幸せなひとときを与えてくれます。しかし、このような食生活を続けていると、知らず知らずのうちに胃腸に負担をかけてしまい、『傷食』と呼ばれる状態を引き起こしてしまう可能性があります。
傷食とは、食べ過ぎや偏った食事によって脾や胃が傷つけられ、正常な消化吸収の働きが損なわれてしまう状態を指します。東洋医学では、脾胃は「後天の本」と称され、生命活動の源となる「気」を生み出す重要な臓器と考えられています。生まれた時は両親から受け継いだ「気」によって生命活動を維持していますが、成長するにつれて、脾胃のはたらきによって作られた「気」に頼っていくと考えられています。つまり、傷食は単なる胃の不調ではなく、全身の健康を脅かす可能性を秘めているのです。
具体的な症状としては、食欲不振や胃もたれ、消化不良による下痢や便秘、お腹の張りなどが挙げられます。さらに悪化すると、栄養不足から体力や気力の低下、冷え症、むくみなどを引き起こすこともあります。また、東洋医学では、心と体は密接に繋がっていると考えられています。傷食によって脾胃が弱ると、精神状態にも影響が現れ、イライラしやすくなったり、憂うつな気分になったりすることもあるとされています。