めまいと麻痺：内風證を知ろう

めまいと麻痺：内風證を知ろう

内風證とは

– 内風證とは

-# 内風證とは
東洋医学では、人間の身体は自然と調和し、気・血・津液といった生命エネルギーが滞りなく巡っている状態が健康であると考えます。しかし、様々な要因によってこのバランスが崩れると、体に不調が生じます。この不調を引き起こす原因の一つに「邪気」があり、その中でも特に動きやすい性質を持つものが「風」です。

内風證は、この「風」の邪気が体内で過剰に生じたり、動きが乱れたりすることで発症すると考えられています。まるで自然界で風が吹き荒れるように、体内の「風」もまた、様々な場所に影響を及ぼし、多岐にわたる症状を引き起こします。

代表的な症状として、めまいやふらつき、手足の痺れなどがあげられます。その他にも、顔面神経麻痺、痙攣、言語障害、意識障害など、様々な症状が現れることが特徴です。

内風證は、その原因や症状、体質などによっていくつかのタイプに分類され、それぞれに応じた治療が行われます。漢方薬の処方や鍼灸治療などを通して、体内の「風」の乱れを整え、健康な状態へと導きます。

内風證の原因

– 内風證の原因

内風證は、東洋医学において、体内に「風」の邪気が入り込むことで様々な症状が現れるとされています。この内風證を引き起こす原因は大きく二つに分けられます。

一つ目は、体の活力が低下した状態です。現代社会において、疲労や睡眠不足、過労は珍しくありません。しかし、このような状態が続くと、私たちの体は本来持つべき防御機能を十分に発揮することができなくなってしまいます。その結果、風邪などの外邪だけでなく、目に見えない「風」の邪気も容易に体内に侵入してしまうのです。

二つ目は、喜怒哀楽といった感情の激しい変化です。怒りやストレス、緊張といった感情は、私たちの心身に大きな影響を与えます。東洋医学では、これらの感情の変化は、体内の「気」の流れを乱し、バランスを崩すと考えられています。そして、この「気」の乱れが、内風を生み出す要因の一つとなるのです。

このように、内風證は、体の活力の低下と感情の乱れが複雑に絡み合って発症すると考えられています。日々の生活習慣を見直し、心身のバランスを整えることが、内風證の予防、そして健康な生活を送るために重要と言えるでしょう。

めまいと目のかすみ

– めまいと目のかすみ

東洋医学では、めまいと目のかすみは、どちらも体のバランスを司る「気」の乱れが原因で起こると考えられています。特に、「内風」と呼ばれる体の内部から生じる風が、頭部に影響を与えることで、これらの症状が現れるとされています。

めまいは、回転性、浮動性、立ちくらみなど、様々な形で現れます。これは、風の邪気が頭に上昇し、気の流れを乱すことで、脳が正常に機能しなくなるために起こると考えられています。

また、目のかすみは、風の邪気が視神経に影響を与えることで起こります。視神経は、脳からの指令を目に伝える役割を担っていますが、風の邪気によってその働きが阻害されると、視界がぼやけたり、視力が低下したりすると考えられています。

これらの症状は、風の邪気の強さや影響を受ける部位によって、その程度が異なります。軽い場合は、一過性のめまいや目のかすみで済むこともありますが、重症化すると、吐き気や嘔吐を伴う激しいめまいや、物が二重に見える複視などを引き起こすこともあります。

東洋医学では、めまいや目のかすみの根本的な治療として、気の乱れを整え、風の邪気を追い出すことを目指します。具体的には、鍼灸治療や漢方薬の処方、食事療法や運動療法などの指導が行われます。

痺れと感覚異常

– 痺れと感覚異常

東洋医学では、体の感覚に異常が生じる「痺れ」は、主に「風」の邪気によって引き起こされると考えられています。風は、その性質上、体内を絶えず動き回り、様々な場所に影響を及ぼします。

特に、手や足などの四肢は風の影響を受けやすく、しびれや麻痺、感覚の異常などを感じやすくなります。これは、風が体のエネルギーの通り道である経絡を阻害することで、気血の流れが滞ってしまうために起こると考えられています。

症状は様々で、軽い場合は、一時的なしびれや感覚の鈍化、皮膚を虫が這うようなむず痒さなどを感じることがあります。このような症状は、冷えや疲労、ストレスなどがきっかけで一時的に現れることも少なくありません。

しかし、症状が重い場合は、麻痺や運動障害、感覚の喪失といった深刻な状態に陥ることもあります。このような状態は、長期間にわたって体のバランスが崩れていることを示唆しており、根本的な体質改善や生活習慣の見直しが必要となります。

痺れや感覚異常を感じた場合は、自己判断せずに、専門家の診断を受けることが大切です。

顫震と抽搐

– 顫震と抽搐

東洋医学では、体が本来持つべき機能がうまく働かなくなる状態を「證」と呼びます。その中でも、「内風」は、体内の生命エネルギーである「気」が乱れ、風のように動きが不安定になる状態を指します。

内風證では、筋肉が自分の意思とは関係なく収縮してしまうことで、震えや痙攣といった症状が現れることがあります。これは、風の邪気が体内を巡る経路である「経絡」や、経絡の中を流れる気血の通り道である「脈」に影響を与えることで、筋肉をスムーズに動かすことができなくなってしまうために起こると考えられています。

症状は、 едва noticeable な震えから、体全体が激しく痙攣する状態まで、患者さんによって様々です。また、顔の筋肉が影響を受けると、顔面神経麻痺のように、顔が歪んでしまうこともあります。

これらの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、精神的な負担となることもあります。そのため、気になる症状がある場合は、自己判断せずに、早めに専門医に相談することをおすすめします。

掻痒

– 掻痒

-# 掻痒

かゆみは、東洋医学では「風」の邪気の影響で起こると考えられています。 特に、体の内部から生じる「内風」によって引き起こされるかゆみは、皮膚の乾燥や炎症を伴わない点が特徴です。これは、目に見える湿疹や発疹がないにも関わらず、強い痒みを訴える方が多いことからもうかがえます。

内風は、精神的なストレスや過労、老化などによって体のバランスが崩れた際に生じやすく、風の邪気が皮膚を刺激することで痒みが生じると考えられています。 この痒みは、特定の場所に限らず、全身に現れることがあります。

その程度は様々で、我慢できないほど強い場合もあれば、一時的な場合もあります。また、かゆみに伴い、皮膚に一時的に発疹が現れることもありますが、一般的には赤みや腫れは見られません。

東洋医学では、内風による痒みには、風の邪気を鎮め、体のバランスを整える治療を行います。 具体的には、鍼灸治療や漢方薬の処方、生活習慣の改善指導などを行います。