「ね」

漢方の診察

熱厥:陰の衰えと熱が招く体の危機

- 熱厥とは 熱厥(ねっけつ)は、東洋医学における病名の一つで、突然意識を失い倒れてしまう症状を指す厥証(けっしょう)の中でも、体内の水分が不足し、熱がこもった状態によって引き起こされるものを指します。 -# 熱厥の原因 東洋医学では、人体は「気・血・水」のバランスによって健康が保たれていると考えられています。このバランスが崩れると、様々な不調が現れると考えられており、熱厥は体の熱が強すぎる、または体の水分が不足している状態が続くことで、気・血・水のバランスが崩れ、引き起こされると考えられています。 例えば、激しい運動や暑さの中で長時間過ごしたり、高熱が続いたりすることで、体内の水分が失われ、体の熱を冷ますことができなくなります。また、脂っこい食事や甘いものの摂り過ぎ、過度な飲酒やストレスなども、体内に熱をため込みやすく、熱厥の原因となると考えられています。 -# 熱厥の症状 熱厥は、意識を失って倒れてしまう以外にも、以下のような症状が現れることがあります。 * 顔色が赤い * 息が荒い * 皮膚が熱い * 脈が速い * 汗が多い * 意識がもうろうとする * けいれん 熱厥は、放置すると命に関わることもあります。上記の症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
その他

熱極生風:東洋医学における熱と痙攣の関係

- 東洋医学における熱 東洋医学では、人間の身体は自然の一部であり、自然界と調和することで健康を保つと考えられています。この調和が崩れると、様々な不調が現れると考えられており、その原因の一つとして「熱」が挙げられます。 熱は、体内のエネルギーの流れが滞ったり、バランスが崩れて過剰になった状態を指します。現代医学でいう体温とは異なり、感覚的に感じる熱さや、炎症、発熱などを含む幅広い概念です。 この熱は、体内の特定の場所に留まることがあります。例えば、胃に熱がこもると、口渇や便秘、胃の痛みなどを引き起こすとされています。また、熱は体内を移動することもあり、その結果、様々な症状が現れると考えられています。例えば、熱が上に昇ると、顔面が赤くなる、のぼせる、頭痛などの症状が現れ、下に下がると、下痢や頻尿を引き起こすとされています。 東洋医学では、熱の原因や症状に合わせて、食事療法や鍼灸、漢方薬などを用いて、身体のバランスを整え、熱を取り除くことで健康を取り戻すことを目指します。
漢方の診察

東洋医学における熱入心包

- 熱入心包とは -# 熱入心包とは 熱入心包とは、東洋医学の考え方の一つで、高熱を伴う重い感染症がさらに悪化した際に、体内に入り込んだ「邪熱」と呼ばれる熱の気が、心臓を包む膜である「心包」にまで入り込んでしまう状態を指します。 心臓は全身に血液を送る重要な臓器ですが、東洋医学では心臓は精神活動にも深く関わっているとされています。 そして、心臓を守るように存在する「心包」は、心臓が正常に働くために重要な役割を担っています。 この心包に邪熱が侵入してしまうと、心臓の働きが乱れてしまい、動悸や息切れなどの症状が現れやすくなります。 さらに、精神活動にも影響が及び、意識が混濁したり、うわごとを言ったり、興奮状態に陥ったりすることもあります。 熱入心包は、命に関わる危険性もある深刻な状態と考えられています。
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熱傷神明:熱が招く意識障害

- 熱傷神明とは -# 熱傷神明とは 熱傷神明とは、高熱によって意識が混濁したり、幻覚を見たり、興奮状態に陥ったりするなど、精神に異常をきたす状態を指します。まるで火照った体に神様が取り憑いたかのような状態に見えることから、この名前が付けられました。 主に体の機能が未発達な乳幼児や、免疫力が低下し体力も衰えている高齢者に見られます。これは、肺炎やインフルエンザなどの感染症によって高熱を引き起こした場合に多く発症します。 高熱が続くと、脳の機能が一時的に低下し、正常な情報処理や判断力が鈍ってしまうと考えられています。その結果、意識が朦朧としたり、現実と異なる幻覚を見たり、普段では考えられない言動をとったりするなど、様々な精神症状が現れるのです。 熱が下がればこれらの症状は自然と治まりますが、中には意識障害やけいれん、呼吸困難などを引き起こし、重症化するケースも稀にあります。特に乳幼児や高齢者の場合は、早急に適切な処置を行わなければ、後遺症が残ってしまう可能性もあるため、注意が必要です。
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東洋医学における熱淋:原因と症状

- 熱淋とは -# 熱淋とは 熱淋とは、東洋医学で使われる言葉で、体に熱がこもり、その影響で膀胱にトラブルが生じ、尿の排泄にまつわる様々な症状が現れる状態を指します。西洋医学の病気とは一対一に対応しませんが、例えるならば膀胱炎や尿道炎と似たような症状が現れることがあります。 熱淋の原因として主に考えられるのは、体に過剰な水分と熱が同時に存在する「湿熱」と呼ばれる状態です。この湿熱は、暴飲暴食などの食生活の乱れや、季節の変わり目などによる気候の変化によって発生すると考えられています。 例えば、脂っこい食事や甘いものの食べ過ぎは、体内に熱を生み出しやすいとされています。また、梅雨時などの湿気が多い時期や、暑い時期に冷たいものを摂りすぎるのも、体内に湿熱をため込む原因となります。 熱淋の症状としては、排尿時の痛みや残尿感、尿の濁り、頻尿、血尿などがあります。また、発熱や腰痛、下腹部痛などを伴うこともあります。 東洋医学では、熱淋の治療として、湿熱を取り除き、膀胱の機能を回復させることを目的とした治療が行われます。具体的には、鍼灸治療や漢方薬の処方などが挙げられます。 熱淋を予防するためには、普段から食生活に気を配り、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。また、適度な運動をして、体内の水分代謝を促すことも重要です。さらに、季節の変わり目には、服装で体温調節をするなど、体に負担をかけないよう注意することが必要です。
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東洋医学における熱盛傷津:体の潤いを奪う熱の影響

- 熱盛傷津とは -# 熱盛傷津とは 東洋医学では、健康を保つためには体内の「陰陽」のバランスが重要であると考えられています。 陰陽とは、自然界のあらゆる現象を相反する二つの性質で表す考え方です。 そして、この陰陽のバランスが崩れることで、様々な不調が現れると考えられています。 「熱盛傷津」は、この陰陽のバランスが崩れ、体の中に「熱」が過剰に生じた状態を指します。 この熱は、夏の強い日差しや、激しい運動、辛い物の食べ過ぎなど、様々な要因で発生します。 体内に熱がこもると、体内の水分は蒸発しやすくなり、大量の汗となって体外へ排出されます。 汗は体温調節に重要な役割を果たしていますが、過剰に排出されると、体に必要な潤いまで失われてしまいます。 東洋医学では、この潤いを「津液」と呼び、体の様々な機能を支える重要な要素だと考えています。 津液は、体内の水分調節や栄養の運搬、体温調節など、生命維持に欠かせない役割を担っています。 熱盛傷津の状態が続くと、この津液が不足し、様々な不調が現れます。 口の渇きや皮膚の乾燥、便秘、めまい、倦怠感など、 dryness (乾燥)の症状が現れやすくなります。 また、熱は精神活動とも密接な関係があるため、イライラしやすくなったり、不眠に悩まされることもあります。 熱盛傷津は、適切な養生法を行うことで改善することができます。 暑さや激しい運動を避け、十分な休息と睡眠をとり、体の熱を冷ます効果のある食材を積極的に摂り入れることが大切です。
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東洋医学の見方:熱結下焦とは

- 熱結下焦とは 東洋医学では、人間の体は、自然界と同様に、常に変化するものであり、その調和とバランスが健康を保つ上で重要だと考えています。体の状態は、気・血・水といった生命エネルギーの流れによって変化し、この流れが滞ったり、偏ったりすることで不調が現れると考えられています。 熱結下焦とは、過剰な熱が体の下腹部に停滞している状態を指します。東洋医学では、熱は上昇する性質を持つため、本来であれば体の上部に溜まりやすいと考えられています。しかし、様々な要因によって熱が下腹部に滞ってしまうことがあります。 熱がこもる場所としては、主に腸や膀胱、子宮などの臓器が挙げられます。これらの臓器に熱がこもることで、便秘や血尿、残尿感、下痢、生理不順、おりものの異常、痔、皮膚の炎症など、様々な症状が現れることがあります。 熱結下焦は、食生活の乱れやストレス、気候の影響など、様々な要因によって引き起こされると考えられており、その原因や症状に合わせて、食事療法や漢方薬、鍼灸治療などを組み合わせながら、体全体のバランスを整えていくことが大切です。
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熱邪伝裏:体内の奥深くへ進む熱

- 熱邪とは -# 熱邪とは 東洋医学では、私達の体に悪影響を及ぼす様々な要因を「邪気」と呼び、その一つに「熱邪」があります。熱邪とは、その名の通り熱を帯びた邪気のことを指します。 私達の体は、本来は一定の温度に保たれており、このバランスが保たれていることで健康な状態を維持しています。しかし、強い日差しを浴び続けたり、激しい運動をして体が熱を持った状態が続いたりすると、体内に熱が過剰に溜まってしまうことがあります。この過剰な熱が、東洋医学でいう「熱邪」として、様々な不調を引き起こすと考えられています。 例えば、夏の強い日差しを浴びて熱中症になったり、辛いものを食べ過ぎて胃の不快感や口内炎ができたりするのは、この熱邪の影響によるものと考えられています。また、熱邪は体に熱をこもらせるだけでなく、水分を奪い乾燥させる性質も持っています。そのため、喉の渇きや皮膚の乾燥、便秘などの症状が現れることもあります。 熱邪は、気温の高い夏だけでなく、冬でも暖房の効いた室内に長時間いたり、厚着をしすぎたりすることでも体内に溜まりやすくなります。体の熱バランスを崩さないように、季節や環境に合わせた過ごし方を心がけることが大切です。
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東洋医学における熱哮:原因と症状

- 熱哮とは -# 熱哮とは 熱哮とは、東洋医学において、肺に熱がこもることで起こる呼吸器疾患の一つです。激しい咳や喘鳴、呼吸困難などの症状が現れ、現代医学の喘息と共通する部分もありますが、東洋医学ではその原因や治療法が異なります。 熱哮は、主に肺に熱がこもり、気道の炎症を引き起こすことで発症すると考えられています。この熱は、風邪などの外邪が原因となる場合や、暴飲暴食、過労、ストレスなどによって体内に熱が生じる場合があります。また、辛いものや脂っこいものなど、熱を生みやすい食事も原因の一つとされています。 熱哮の特徴的な症状として、粘り気のある黄色や緑色の痰が挙げられます。これは、東洋医学で「熱痰」と呼ばれるもので、肺に熱がこもることで発生すると考えられています。その他、咳や喘鳴、呼吸困難、胸の痛み、発熱などの症状が現れることもあります。 熱哮の治療は、肺の熱を取り除き、呼吸機能を改善することを目的とします。そのため、東洋医学では、患者さんの体質や症状に合わせて、漢方薬の処方や鍼灸治療などが行われます。また、日常生活においても、辛いものや脂っこいもの、甘いものなどを控えるなど、食生活の改善が重要です。さらに、適度な運動や十分な休息を心がけ、ストレスを溜めないようにすることも大切です。
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熱因熱用:東洋医学の逆転の発想

- 熱と寒の調和 東洋医学では、健康とは体の中の相反する要素、すなわち「陰」と「陽」のバランスが保たれている状態と考えられています。この陰陽の考え方を日常生活に当てはめてみると、「陰」は静、冷、暗といった性質を、「陽」は動、熱、明といった性質を表しています。 この陰陽のバランスが崩れると、体に不調が現れると考えられています。その原因の一つに「熱」の偏りがあります。「熱」は体に必要なものですが、過剰になると様々な不調を引き起こします。 熱の偏りによって現れる症状は、炎症、発熱、痛み、便秘、イライラ感、動悸、不眠、口渇、赤い顔色、赤く腫れた喉など様々です。これらの症状は、西洋医学的に見ると異なる病気として診断されることもありますが、東洋医学では共通して「熱」が原因だと考え、その熱を取り除く治療を行います。 東洋医学では、一人ひとりの体質や症状に合わせて、食事療法や鍼灸治療、漢方薬の処方などを行い、体のバランスを整えていきます。例えば、熱を取り除く作用のある食材を積極的に摂ったり、体のツボを刺激して気の流れを調整したりすることで、自然治癒力を高め、健康な状態へと導きます。
漢方の治療

熱者寒之:東洋医学の逆説的治療法

- 熱者寒之とは 一見すると矛盾するように聞こえる「熱者寒之」という言葉は、東洋医学の治療における重要な概念の一つです。これは、高熱や炎症といった、体内の熱の偏りによって現れる症状に対して、体を冷やす性質を持つ生薬や治療法を用いることを意味します。 西洋医学では、発熱には解熱剤、炎症には抗炎症薬といったように、症状を抑える対症療法が一般的です。しかし東洋医学では、熱が出ているからといって、必ずしも体の状態が「熱」に偏っているとは限りません。例えば、体力が低下しているために、外部からの寒邪(風邪など)を十分に追い払えず、その結果として発熱している場合もあります。このような場合には、むやみに体を冷やすのではなく、温めることで体の抵抗力を高め、寒邪を追い出すことが重要となります。 熱者寒之の考え方は、単に症状だけを見るのではなく、その人の体質や状態、原因などを総合的に判断して治療を行うという、東洋医学の根本的な考え方に基づいています。自己判断でむやみに冷やすことや温めることは避け、専門家の診断のもと、適切な治療を受けるようにしましょう。
漢方の診察

東洋医学における熱毒:その原因と影響

- 熱毒とは -# 熱毒とは 東洋医学では、健康な状態を保つためには、体内のエネルギーである「気」・「血」・「水」が滞りなく巡り、陰陽のバランスが取れていることが重要だと考えられています。しかし、過労やストレス、不眠、食生活の乱れなど、様々な要因によってこのバランスが崩れることがあります。 その中でも、「熱毒」は、体内に過剰な熱「熱邪」が蓄積し、毒性を帯びてしまった状態を指します。まるで鍋の中のものが焦げ付くように、熱は体内の正常な働きを阻害し、様々な不調を引き起こすと考えられています。 熱毒は、単なる体の熱っぽさとは異なり、炎症や痛み、皮膚や粘膜の赤み、精神的なイライラなどを伴う点が特徴です。さらに、熱毒が長期間にわたって蓄積されると、免疫力の低下や慢性的な病気につながる可能性も懸念されます。 東洋医学では、熱毒の原因や症状に合わせて、食事療法や漢方薬、鍼灸治療などで体質改善を図り、熱を取り除きながら、再び体内バランスを整えていくことを目指します。
漢方の診察

熱重於湿證:梅雨時に注意すべき体のサイン

- 熱重於湿證とは -# 熱重於湿證とは 「熱重於湿證」とは、東洋医学の考え方で使われる言葉で、体の中に熱と湿気が過剰に溜まっている状態を指します。まるで蒸し暑い部屋に閉じ込められたように、体が重だるく感じられます。 高温多湿な日本の梅雨や夏場は、この「熱重於湿證」を引き起こしやすいと言われています。特に、冷たい飲み物や食べ物を過剰に摂取したり、冷房の効いた室内と暑い屋外の行き来を繰り返したりすることで、体の水分代謝機能が乱れ、湿気が体内に溜まりやすくなります。 さらに、脂っこい食事や甘い物の食べ過ぎは、消化器官に負担をかけ、体内に熱を生み出しやすくなります。この熱によって、さらに水分代謝が悪化するという悪循環に陥ってしまうのです。 熱重於湿證になると、体が重だるい、食欲不振、吐き気、下痢、むくみ、尿の出が悪い、舌に厚く白い苔がつくなどの症状が現れます。これらの症状は、まさに体内に熱と湿気がこもり、正常な機能が妨げられているサインと言えるでしょう。 東洋医学では、一人ひとりの体質や症状に合わせて、食事療法や生活習慣の改善、漢方薬の処方など、様々な角度から治療を行います。
体質

東洋医学における熱邪:その影響と対策

- 熱邪とは -# 熱邪とは 東洋医学では、健康を保つためには体内に流れるエネルギーである「気」のバランスが大切であると考えられています。このバランスが崩れると、体に様々な不調が現れると考えられており、その原因の一つとして「邪気」というものが存在します。邪気とは、体に悪影響を及ぼす外部からの要因のことを指し、寒さや暑さ、湿気、乾燥などが挙げられます。その中でも、体に過剰な熱をもたらすものを「熱邪」と呼びます。熱邪は、まるで体に熱がこもったような状態を引き起こし、様々な症状の原因となります。 例えば、夏の強い日差しを浴び続けたり、脂っこい食事や辛い物の食べ過ぎによって、体内に熱がこもってしまうことがあります。このような状態が熱邪と関連付けられます。具体的な症状としては、顔色が赤くなる、目が充血する、喉が渇く、便秘がちになる、イライラしやすくなる、などがあります。 熱邪は、風邪などの感染症によって発熱を引き起こす場合にも関係していると考えられています。また、過労やストレス、睡眠不足なども熱邪を助長する要因となることがあります。 東洋医学では、熱邪によって引き起こされる症状や病気に対して、その原因や体質に合わせた治療が行われます。例えば、熱を冷ます効果のある食材や生薬を用いたり、鍼灸治療によって体のバランスを整えたりすることで、熱邪を取り除き、健康な状態へと導いていくのです。
体質

東洋医学における「熱」:病気の原因となることも?

- 熱とは何か? 東洋医学では、熱という言葉を、単に温度が高い状態を意味するのではなく、体内のバランスが崩れた状態を表す言葉として用います。これは、体内のエネルギーの流れである「気」の流れが滞り、特定の部分に過剰に集中してしまうことで起こると考えられています。この状態が、東洋医学でいう「熱」の状態です。 熱は、まるで火が燃え盛るように、体内の様々な機能を過剰に活発化させてしまいます。その結果、のぼせや顔のほてり、炎症、動悸、イライラしやすくなる、便秘などの症状が現れます。まるで炎が周囲に燃え広がるように、熱もまた放置すると、体全体に広がり、様々な不調を引き起こす原因となるのです。
漢方の診察

熱閉心包證を理解する

- 熱閉心包證とは -# 熱閉心包證とは 熱閉心包證とは、東洋医学における病名の一つで、高熱によって心臓を包む組織「心包」に熱がこもり、その機能が阻害された状態を指します。西洋医学の髄膜炎と症状が似ている点が特徴です。 私たちの体には、「気」「血」「水」といった生命エネルギーが循環しており、これらが滞りなく流れることで健康が保たれています。しかし、何らかの原因で体に熱がこもってしまうと、この流れが阻害され、様々な不調が現れます。熱閉心包證の場合、過剰な熱が心包に影響を及ぼすことで、意識障害や精神錯乱、高熱、激しい動悸といった症状が現れると考えられています。 熱閉心包證は、高熱が続く感染症、特にウイルスや細菌によるものが主な原因となります。その他にも、強いストレスや過労、暑さなどによって体内に熱がこもり、発症することもあります。 熱閉心包證は、命に関わる可能性もある病気です。そのため、高熱が続く場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診することが大切です。早期に適切な治療を受けることで、重症化を防ぐことができます。
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熱入心包證:高熱と精神症状に注意

- 熱入心包證とは -# 熱入心包證とは 熱入心包證は、東洋医学の考え方で使われる病態名の一つです。 高熱が長く続き、意識や精神に異常をきたしている状態を指します。 西洋医学の診断名とは一対一に対応していませんが、髄膜炎や脳炎といった脳を包む膜に炎症が起こる病気や、高熱を伴う感染症などで、似たような症状が見られることがあります。 熱入心包證は、体の防御反応である「熱」が、過剰な状態になってしまったと考えられています。この過剰な熱が、体に必要な水分や栄養を消耗し、心や精神を司る働きを乱してしまうのです。 熱入心包證は、そのまま放置すると命に関わる危険性も高く、早急な治療が必要となります。東洋医学では、症状や体質に合わせて、熱を取り除き、心と体のバランスを整える治療を行います。
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熱盛動血證:その症状と意味とは?

{熱盛動血證とは、東洋医学の病証の一つで、体の中に過剰な熱がこもり、その熱が血液に悪影響を及ぼすことで、様々な出血症状が現れる状態を指します。 例えば、鼻血、歯茎からの出血、血痰、吐血、血尿、便に血が混じる、皮下出血など、体の様々な部位から出血が見られることがあります。 この病証は、単なる風邪などの transient な発熱とは異なり、体のバランスが大きく崩れ、体内の調節機能が正常に働かなくなっている状態を示唆しています。 そのため、熱盛動血證と診断された場合には、自己判断で対処せず、漢方薬の処方など、専門家の適切な指導を受けることが重要です。
漢方の診察

熱盛動風證:その症状と意味

- 熱盛動風證とは -# 熱盛動風證とは 熱盛動風證(ねつじょうどうふうしょう)は、東洋医学において、高熱に伴って痙攣や意識障害などの神経症状が現れる病態を指します。現代医学の特定の病気と完全に一致するわけではありませんが、髄膜炎や脳炎、破傷風などを疑わせるような深刻な状態を示唆している可能性があります。 熱盛動風證は、その名の通り、「熱」が体内で「盛ん」になり、「風」の邪気を「動」かしてしまう状態だと考えられています。東洋医学では、風は体の運動機能を司ると同時に、様々な病気を引き起こす要因の一つとされています。この風は、過剰な熱によって乱されてしまい、その結果として痙攣や意識障害といった神経症状が現れると考えられています。 熱盛動風證は、緊急を要する病態である可能性が高いため、西洋医学の診断と治療が不可欠です。自己判断で民間療法などに頼らず、速やかに医療機関を受診しましょう。医療機関では、西洋医学的な検査と並行して、東洋医学的な診察が行われることもあります。東洋医学では、脈診や舌診、腹診などを通して患者の状態を総合的に判断し、熱を取り除き、風の邪気を鎮めるための治療を行います。
漢方の診察

熱入営血證:その症状と意味を知る

- 熱入営血證とは -# 熱入営血證とは 熱入営血證とは、東洋医学で使われる言葉で、体の中に溜まった熱が、体の奥深くにある「営」と「血」という部分にまで入り込んでしまう病気のことです。「営」と「血」は、西洋医学でいう血液と似た働きをすると考えられており、全身に栄養を届けたり、心の働きを支えたりしています。 この病気は、風邪や感染症をこじらせてしまったり、長い間心に負担をかける生活を送ったりすることで、体のバランスが崩れてしまうことが原因だと考えられています。 熱入営血證になると、体に熱がこもるため、高熱が出たり、顔が赤くなることがあります。また、「営」と「血」が影響を受けることで、イライラしやすくなったり、落ち着かなくなったり、眠れなくなったりといった症状が現れます。さらに、血液の流れが悪くなるため、肌が乾燥したり、便秘になったりすることもあります。 熱入営血證は、体の奥深くにまで熱が入り込んでいる状態のため、自然に治すことは難しく、専門家の適切な治療が必要となります。
漢方の診察

東洋医学における熱入血分証

- 熱入血分証とは -# 熱入血分証とは 熱入血分証とは、東洋医学で使われる体の状態を表す言葉の一つです。体の中に侵入してきた熱の邪気が、血液に影響を与えることで、様々な症状が現れます。 熱は、本来体に必要なものですが、過剰になると体に悪影響を及ぼします。この熱の邪気が血液に入り込むことで、血液の働きが乱れてしまいます。その結果、高熱が出たり、意識がぼーっとしたり、出血しやすくなったりします。また、舌は体の状態を反映すると言われますが、熱入血分証の場合、舌が赤くなったり、ひび割れたりします。 熱入血分証は、風邪や炎症、精神的なストレスなどによって引き起こされると考えられています。症状が悪化すると、命に関わることもあります。熱入血分証が疑われる場合は、自己判断せず、専門家に相談することが大切です。
女性の悩み

熱入血室證:その原因と症状

- 熱入血室證とは -# 熱入血室證とは 熱入血室證は、東洋医学で使われる言葉で、体の中の熱のバランスが崩れ、その熱が血液の流れの中心である「血室」という場所にまで入り込んでしまうことで起こると考えられています。西洋医学では、「血室」は子宮や卵巣と関連付けられることが多く、女性の月経や妊娠、出産などに深く関わっています。 健康な状態では、体の中の熱はバランスを保っていますが、過労やストレス、不適切な食事、激しい運動などによって、このバランスが崩れることがあります。その結果、体に余分な熱(熱邪)が生じ、それが体の上部や外側へ向かうと、のぼせや顔面紅潮、喉の渇きなどの症状が現れます。 さらに熱が強まると、体の奥深く、特に血液循環の中心である「血室」にまで侵入してしまうことがあります。これが「熱入血室證」と呼ばれる状態です。血室は、月経や妊娠、出産など、女性の体に深く関わる重要な場所です。熱によって血室の働きが乱されると、月経周期の乱れ、月経痛の悪化、月経時の出血量の変化、不正出血、妊娠しにくくなる、流産しやすくなるなど、様々な症状が現れると考えられています。 熱入血室證は、あくまで東洋医学的な考え方であり、西洋医学的な検査で異常が見つからないこともあります。しかし、体の不調を感じたら、自己判断せずに、専門家の診察を受けるようにしましょう。
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熱毒が舌を襲う時:熱毒攻舌證とは

- 熱毒攻舌證の概要 熱毒攻舌證とは、東洋医学において、体内に侵入した熱の邪気である「熱毒」が舌を侵すことで、舌に様々な症状が現れる状態を指します。この「熱毒」は、例えば、風邪の初期症状が悪化した場合や、脂っこい食事や甘いものの過剰摂取、睡眠不足、過労、ストレスなどの生活習慣の乱れによって体内に生じる場合があります。 熱毒が舌を攻撃すると、舌はその影響を大きく受けます。具体的には、舌全体や一部が赤く腫れ上がり、激しい痛みを伴うようになります。また、熱毒によって舌の動きが制限され、発音しにくくなったり、食事が困難になることもあります。さらに、熱毒は舌だけでなく、全身に影響を及ぼすため、発熱、口の渇き、便秘、尿の色が濃くなる、脈が速く力強くなるといった症状が現れることもあります。 熱毒攻舌證は、その症状の重さや原因によって、さらに細かく分類されます。例えば、舌が鮮やかな赤色をしている場合は、熱の邪気が強いことを示唆し、濃い赤色や紫色を帯びている場合は、熱が体内でこもり、瘀血(血液の滞り)が生じている可能性を示唆します。このように、舌の色や状態は、熱毒の状態や原因を推察する上で重要な手がかりとなります。
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東洋医学における粘膩苔:その意味とは?

- 粘膩苔とは -# 粘膩苔とは 健康な人の舌は、薄いピンク色をしていて、表面に白い苔がうっすらと生えているのが一般的です。この苔の状態は、東洋医学では「舌苔(ぜったい)」と呼ばれ、健康状態や病気の兆候を判断する重要な指標のひとつとされています。舌苔には、様々な種類がありますが、その中でも「粘膩苔(ねんいたい)」は、舌の表面に生えた苔が、まるで水で濡れたようにテカテカと輝き、粘り気を帯びている状態を指します。 健康な舌苔は、乾燥していて軽く触れるだけで簡単に剥がれ落ちますが、粘膩苔は、舌の表面にベッタリと張り付いているため、なかなか剥がれ落ちません。これは、体内の水分代謝が滞り、余分な水分や老廃物が体内に溜まっている状態を示唆しています。 粘膩苔が現れる原因としては、暴飲暴食や脂っこい食事、冷たいものの摂り過ぎによる消化機能の低下、過労やストレス、睡眠不足による自律神経の乱れ、冷え性や低体温などが挙げられます。また、風邪やインフルエンザなどの感染症、慢性的な胃腸疾患、糖尿病などの生活習慣病などが原因で現れることもあります。 粘膩苔は、病気の診断基準になるわけではありませんが、体からの重要なサインであると言えるでしょう。もし、ご自身の舌に粘膩苔が見られる場合は、生活習慣を見直し、必要であれば医療機関を受診するようにしてください。