東洋医学における癘氣:感染症の正体
- 癘氣とは何か?
-# 癘氣とは何か?
癘氣(れっき)とは、東洋医学において、感染症を引き起こすと考えられている邪気の一種です。 目に見えない微生物やウイルスが病気の原因となるという現代医学の概念とは異なり、東洋医学では、自然環境や人間の生活環境、感情の乱れなどによって生じる目に見えないエネルギー、すなわち「氣」のバランスの乱れが、病気の原因となると考えられています。この「氣」には、私たちが呼吸をする「空気」と、生命エネルギーとしての「氣」の両方の意味合いが含まれています。
癘氣は、汚染された空気や水、不衛生な環境などから発生し、空気中を漂って人から人へと伝染すると考えられています。 また、過労や睡眠不足、精神的なストレス、暴飲暴食など、体の抵抗力が弱っている状態では、癘氣を受けやすくなるとされています。
癘氣は、現代医学でいうところのウイルスや細菌などと完全に一致するわけではありません。しかし、感染症の原因となる目に見えない存在という点において、共通する概念と言えるでしょう。 東洋医学では、癘氣の侵入を防ぐためには、普段から生活環境を整え、心身ともに健康な状態を保つことが大切であるとされています。