「て」

その他

見逃さないで!手発背の知識

- 手発背とは? -# 手発背とは? 「手発背」は、手の甲側、特に手のひらと指の付け根辺りに生じる、痛みと腫れを伴う化膿性感染症を指します。 日常生活で頻繁に使う場所であるため、初期症状は比較的軽いことが多く見られます。 しかし、その軽さから放置してしまうと、症状が悪化し重症化のリスクもあるため注意が必要です。 手発背は、皮膚表面の小さな傷口や、ささくれ、虫刺されなどから細菌が侵入することで発症します。 健康な状態であれば、体の免疫機能が細菌の侵入を防ぎますが、疲労やストレス、睡眠不足などで免疫力が低下していると、細菌への抵抗力が弱まり、手発背を発症しやすくなります。 主な症状としては、患部の赤み、熱感、腫れ、痛みが挙げられます。 さらに症状が進行すると、膿が溜まり、強い痛みを感じることがあります。 重症化すると、リンパ管や血管を通じて細菌が全身に広がり、敗血症などの生命に関わる病気を引き起こす可能性もゼロではありません。 手発背は、適切な治療を行うことで症状の悪化を防ぎ、完治を目指すことができます。自己判断で治療を進めず、早期に医療機関を受診し、医師の診断と適切な治療を受けるようにしましょう。
鍼灸

現代鍼灸治療:電気灸のススメ

- 電気の力で温めるお灸 -# 電気の力で温めるお灸 古来より、鍼灸治療において、身体を温めることを目的として用いられてきたお灸は、多くの人々に親しまれてきました。ヨモギの葉の裏側に生えている綿毛を乾燥させて作った「もぐさ」に火をつけ、その熱でツボを刺激することで、様々な効果が期待できます。 しかし近年、この伝統的なお灸に、現代の技術である電気を組み合わせた「電気灸」が注目を集めています。電気灸は、文字通り電気の力を利用して温熱を発生させるお灸です。もぐさを燃やす代わりに、電気を熱源として皮膚に温熱刺激を与えます。 電気灸は、従来のお灸と比べて、火を使わないため安全性が高く、煙や臭いも発生しないという利点があります。また、温度や時間のコントロールがしやすいという点も、電気灸ならではのメリットと言えるでしょう。そのため、病院や治療院だけでなく、家庭でも手軽に使えるお灸として人気が高まっています。
鍼灸

天灸:免疫力を高める伝統療法

- 天灸とは 天灸は、東洋医学の中でも長い歴史を持つ灸療法の一つです。灸療法とは、よもぎの葉を乾燥させて作った「艾(もぐさ)」と呼ばれるものを皮膚の上で燃やし、その温熱刺激によって体の冷えを取り除き、自然治癒力を高める治療法です。お灸には様々な種類がありますが、その中でも天灸は、特に強い温熱刺激を与えることで知られています。 天灸は、単に温めるだけでなく、皮膚に特定の生薬を配合した灸炷(きゅうしゅ)を用いる点が特徴です。この生薬の配合によって、より効果的に体の特定の場所に働きかけ、様々な症状の改善を目指します。 もう一つの大きな特徴は、灸によって皮膚に意図的に水ぶくれを作り出す点です。水ぶくれができるほどの強い温熱刺激を与えることで、体により強い刺激を与え、血行促進、免疫力向上、鎮痛効果など、様々な効果が期待できます。そのため、天灸は、西洋医学では効果が認めにくいとされる病気や症状に対しても、効果を発揮することがあると言われています。 天灸は、中国では千年以上の歴史を持つ伝統的な治療法であり、日本でも古くから行われてきました。近年では、その効果が見直され、再び注目を集めています。
体質

手足汗を東洋医学で考える

- 手足汗とは -# 手足汗とは 手足汗とは、その名の通り手や足に大量の汗をかいてしまう症状のことを指します。 誰でも緊張したり、気温の高い場所にいたりすると手や足に汗をかくことはあります。しかし、手足汗に悩む方は、日常生活で特に汗をかくような状況ではないにも関わらず、手や足に汗をかいてしまうことが特徴です。 この excessive な発汗は、日常生活で様々な支障をきたすことがあります。例えば、人と握手をする時や書類にサインをする時、あるいは公共の交通機関でつり革を持つ時など、人と接したり物に触れたりする際に、汗によって不快な思いをしてしまうことがあります。また、靴の中が汗で蒸れてしまい、靴下が湿って不快感を感じたり、嫌な臭いを発生させてしまったりすることもあります。 症状が重い場合には、日常生活に深刻な影響が出ることもあります。例えば、汗で手が滑ってしまい、字を書くことや楽器の演奏、パソコンの操作などに支障が出ることもあります。また、人前で手を見せることに抵抗を感じ、対人関係を築くことに困難を感じる方もいます。 手足汗は、決して珍しいものではなく、多くの人が悩んでいる症状です。原因や症状は人それぞれであり、生活習慣の改善や漢方薬の服用など、様々な対処法があります。一人で悩まずに、専門医に相談するなどして、自分に合った方法を見つけることが大切です。
漢方の診察

手足にじっとり汗?その原因と東洋医学的アプローチ

- 手足心汗とは? 手足心汗とは、文字通り手のひらや足の裏に過剰な汗をかいてしまう症状のことです。 健康な人でも緊張したり、気温の高い環境にいる時などは、誰でも手のひらや足の裏に汗をかきます。これは体温調節など、生きていく上で必要な体の機能です。 しかし、日常生活で特に気にならない程度の汗であれば問題ありませんが、書類が濡れてしまったり、人と握手をためらってしまったり、靴の中が蒸れてしまったりと、日常生活に支障をきたすほどの過剰な発汗は、医学的には「局所多汗症」と呼ばれます。その中でも特に手や足に症状が現れるものを手足心汗と呼びます。 手足心汗の原因は、自律神経の乱れや遺伝などが考えられています。 また、ストレスや緊張、不安、興奮などの精神的な要因も影響していると考えられています。さらに、甲状腺機能亢進症などの病気が原因で起こる場合もあります。
漢方の診察

手足の冷えと東洋医学

- 手足厥冷とは 手足厥冷とは、文字通り手足の先、特に膝や肘から先が冷えてしまう状態を指します。西洋医学では、四肢の冷え症に当てはまります。 多くの人は単なる冷えと捉えがちですが、東洋医学では体の内側の状態が表面に現れたものと考えます。つまり、手足の冷えは、体内のバランスが崩れているサインなのです。 東洋医学では、「気・血・水」のバランスが健康を保つ上で重要であると考えられています。このバランスが崩れると、様々な不調が現れます。その一つが手足の冷えである「手足厥冷」です。 例えば、「気」は体の中を温めたり、循環を促したりする働きがあります。「気」が不足すると、体が温まらず、冷えを感じやすくなります。また、「血」は全身に栄養を運ぶ役割を担っています。「血」の巡りが悪くなると、手足の先まで栄養が行き届かず、冷えを感じてしまうのです。さらに、「水」は体内の水分代謝を司り、不要な水分を排泄する働きをしています。水分の代謝が滞ると、「水毒」と呼ばれる状態になり、冷えの原因となります。 このように、手足厥冷は、体の様々な機能の乱れが影響して起こると考えられています。単なる冷えと安易に考えず、根本的な原因を探ることが大切です。
漢方の診察

東洋医学における手足のほてり:手足心熱

- 手足心熱とは 手足心熱(しょそくしんねつ)とは、文字通り手掌と足の裏に熱感を感じる状態を指す、東洋医学独特の概念です。西洋医学では、明確な病気として分類されていません。更年期障害や自律神経失調症に伴う症状の一つとして捉えられることもあります。 -# 手足心熱の原因 東洋医学では、身体の様々な部位や機能が互いに密接に関連し、調和を保っていると考えられています。この調和が崩れた状態を「不調和」と呼び、これが様々な症状を引き起こすと考えられています。手足心熱も、この不調和によって引き起こされると考えられています。 具体的には、身体の中心部に熱がこもりやすく、体内の水分や冷えやすい性質である「陰」が不足することで、手足に熱が偏って現れると考えられています。また、過労やストレス、睡眠不足、不適切な食生活なども、身体の不調和を招き、手足心熱を引き起こす要因になりえます。 -# 手足心熱への東洋医学的アプローチ 西洋医学では、手足心熱そのものを治療の対象とすることはありません。一方、東洋医学では、手足心熱は身体の不調和を示すサインと捉え、その根本原因を突き止めて治療を行います。 具体的には、脈診や舌診、体全体の調子、生活習慣などを詳しく聞き取り、身体の状態を総合的に判断します。その上で、漢方薬の処方や鍼灸治療、食事や生活習慣の指導などを行い、身体のバランスを整え、自然治癒力を高めることを目指します。
漢方の診察

東洋医学が解き明かす「手足のほてり」

- 手足のほてりとは? 「手足のほてり」は、医学的には「手足煩熱」と呼ばれる症状で、その名の通り手足に熱感や焼けるような感覚を覚える状態を指します。周囲の温度に関係なく、あるいは実際よりも熱く感じるのが特徴です。 この症状は、多くの人にとって単に不快なだけでなく、日常生活に支障をきたすこともあります。例えば、熱感のあまり集中力が途切れたり、仕事や家事に集中できないといった影響も考えられます。 特に夜間や就寝時に症状が悪化することが多く、布団に入っても手足の熱感が気になってなかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまったりするなど、睡眠に悪影響を及ぼすことがあります。その結果、睡眠不足や疲労感、倦怠感を引き起こし、日中の活動にも影響が出てしまうケースも少なくありません。
その他

伝染性の高い眼病、天行赤眼とは

- はじめに -# はじめに 天行赤眼とは、その名の通り、まるで天から降ってきたかのように、人から人へと急速に広がる感染力の強い目の病気です。学校や職場など、多くの人が集まって生活する場所では、一度発生するとあっという間に広がってしまい、注意が必要です。特に、小さなお子さんや抵抗力の弱い方が感染すると、重症化する恐れもあるため、日頃から予防を心がけることが大切です。 この病気は、主にウイルスによって引き起こされ、目の充血やかゆみ、涙目などの症状が現れます。また、まぶたが腫れたり、目やにが多く出たりすることもあります。これらの症状は、風邪とよく似ていますが、天行赤眼の場合は、両方の目に症状が現れることが多く、強い充血が見られるのが特徴です。 感染経路としては、咳やくしゃみなどの飛沫感染や、ウイルスが付着した手で目を触ることによる接触感染が挙げられます。そのため、日頃から手洗いやうがいを徹底し、目をむやみに触らないようにすることが大切です。また、タオルや洗面具などを共有することも、感染のリスクを高めるため、注意が必要です。 もしも、天行赤眼の症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。自己判断で市販の目薬を使用したり、放置したりすると、症状が悪化したり、周りの人に感染を広げてしまったりする可能性があります。 この病気は、適切な治療を行えば、通常は1週間から10日ほどで治ります。しかし、重症化すると、視力に影響が出る場合もあるため、早期発見・早期治療が重要です。
鍼灸

電気を帯びた熱鍼:電熱鍼療法

- 電熱鍼とは -# 電熱鍼とは 電熱鍼は、鍼治療の一種で、鍼を用いて身体に熱刺激を与える治療法です。 鍼治療は、東洋医学に基づき、身体に細い鍼を刺すことで、気や血の流れを整え、様々な症状を改善する方法です。電熱鍼では、この鍼治療に熱を加えることで、より高い治療効果を目指します。 電熱鍼では、金属製の鍼に微弱な電流を流すことで、鍼自体を発熱させます。この熱は、体の深部にまで伝わりやすく、筋肉の緊張緩和や血行促進効果が期待できます。そのため、肩こやし腰痛、冷え性など、様々な症状に効果があるとされています。 電熱鍼は、鍼治療の効果を高める方法の一つとして、多くの鍼灸院で取り入れられています。
鍼灸

鍼治療後の抜鍼:スムーズな施術の終わり方

- 鍼治療と抜鍼 鍼治療といえば、鍼を体に刺すことばかりが注目されがちですが、施術の効果を最大限に引き出し、体への負担を最小限に抑えるためには、鍼を抜く「抜鍼」の方法も非常に重要です。抜鍼は、ただ単に鍼を抜けば良いというものではなく、患者さんの状態や施術部位、鍼の種類などを考慮しながら、適切な方法で行わなければなりません。 例えば、筋肉の緊張が強い場合は、鍼を抜く際に痛みを感じやすいため、ゆっくりと時間をかけて抜く必要があります。また、炎症を起こしている部位に鍼をした場合は、抜鍼時に出血が起こりやすいため、鍼を抜いた後に患部をしっかりと押さえる必要があります。 さらに、鍼の種類によっても抜鍼の方法が変わります。細い鍼は、比較的抜きやすいですが、太い鍼は、抵抗が大きいため、慎重に抜く必要があります。 このように、抜鍼は、鍼治療の効果を高め、安全性を確保するために非常に重要なプロセスです。鍼灸師は、長年の経験と知識に基づいて、患者さん一人ひとりに最適な抜鍼を行っています。 鍼治療を受ける際には、抜鍼の方法についても意識することで、より安心して施術を受けることができます。
鍼灸

鍼治療における「出鍼」:安全な施術のために

- 出鍼とは -# 出鍼とは 出鍼とは、鍼治療において、体内に刺入した鍼を抜き去る最終段階を指します。これは、ただ単に鍼を抜くという行為ではなく、患者の状態を見極め、次の治療へと繋げるための重要なプロセスと言えます。 鍼の素材や太さ、施術を行う部位、患者さんの体質などによって、適切な抜針方法や時間などは異なります。例えば、細い鍼を使った場合や、虚弱体質の患者さんの場合は、比較的短時間で抜針することが多いです。逆に、太い鍼を使った場合や、体力のある患者さんの場合は、長めに刺入したままにすることもあります。 また、抜針の速度も重要です。ゆっくりと時間をかけて抜針する場合もあれば、素早く抜針する場合もあります。抜針時に痛みを感じやすい患者さんの場合は、痛みを最小限に抑えるために、ゆっくりと抜針することが大切です。 このように、出鍼は、鍼治療の効果を最大限に引き出し、患者さんの身体への負担を最小限に抑えるために、鍼灸師の経験と知識が求められる、繊細で重要な技術と言えるでしょう。
鍼灸

東洋医学における点刺療法

- 点刺療法とは 点刺療法は、東洋医学に基づいた治療法の一つで、身体に点在する「ツボ」と呼ばれる特定の部位に、専用の鍼を用いてごくわずかに刺激を与えることで、体の不調を改善することを目的としています。 点刺療法の歴史は大変古く、中国では紀元前から行われていたという記録が残っており、長い年月をかけてその効果と安全性が認められてきました。 その施術方法は、皮膚のごく浅い部分を鍼で刺激することで、体内に滞留した悪い気を排出したり、気や血の流れをスムーズにする効果があるとされています。 また、点刺療法は、身体の自然治癒力を高めることを目的の一つとしています。皮膚への軽い刺激は、身体に本来備わっている自然治癒力を活性化させ、免疫力向上や様々な症状の改善を促すと考えられています。 さらに、点刺療法は、身体全体のバランスを整え、心身の調和を図ることを目指します。東洋医学では、心と身体は密接に繋がっているとされており、身体の不調は心の状態にも影響を与えると考えられています。点刺療法は、身体だけでなく、精神的なストレスを軽減するのにも効果が期待できます。
鍼灸

鍼治療における点刺法:その特徴と効果

- 点刺法とは 点刺法は、鍼治療において用いられる技法の一つで、皮膚の表面をほんの一瞬、まるで点を描くように鍼で刺激する方法です。読んで字の如く、鍼を“点”のように打つことから、この名が付けられました。 従来の鍼治療では、身体の奥深くまで鍼を刺し、筋肉や神経に直接アプローチする方法が一般的でした。一方、点刺法では、皮膚の表面に軽く鍼を接触させる程度で、長時間刺したままにすることはありません。そのため、患者はほとんど痛みを感じることがなく、身体への負担も少ないという特徴があります。 点刺法は、その歴史を古代中国にまで遡ると言われています。長い歴史の中で受け継がれてきた伝統的な技法でありながら、現代の臨床においても幅広く応用されています。 点刺法の効果は、自律神経の調整、血行促進、免疫力向上など、多岐にわたるとされています。身体の表面を軽く刺激することで、その刺激がツボを通じて全身に伝わり、様々な効果を発揮すると考えられています。 近年では、その即効性と安全性の高さから、肩こりや腰痛、冷え性、便秘、自律神経失調症など、様々な症状に効果が期待できるとして、注目を集めています。
その他

忘れられた脅威:天然痘

- 歴史の中の恐怖 天然痘は、人類の歴史に暗い影を落とす恐ろしい感染症として、長い間人々を苦しめてきました。幾世紀にもわたり、世界各地で猛威を振るい、流行するたびに多くの人々の命を奪っていったのです。たとえ命を落とさずに済んだとしても、後遺症として残る酷い痘痕は、生き残った人々の心身に深い傷跡を残しました。 天然痘の症状は、まず高熱と激しい頭痛に襲われることから始まります。そして、全身の皮膚に特徴的な発疹が現れ、それが膿疱へと変化していくのです。その姿は見るも無残であり、人々にとって天然痘は恐怖と死の象徴でしかありませんでした。流行の知らせは、人々を恐怖に陥れ、社会全体を混乱に陥れたのです。 衣服や寝具を共用することが多かった時代、天然痘は人から人へと容易に感染しました。特に、衛生状態の悪い地域では、感染拡大を防ぐことは困難を極めました。人々は、有効な治療法がないまま、ただ恐怖におびえながら、この恐ろしい病魔と対峙しなければなりませんでした。しかし、長い年月を経て、人々の天然痘に対する戦いは新たな局面を迎えます。18世紀末、イギリスの医師ジェンナーによって種痘法が発見されたのです。これは、牛の痘瘡を用いることで、天然痘に対する免疫を獲得するという画期的な方法でした。種痘法の普及は、その後、天然痘の撲滅に大きく貢献し、1980年にはWHOによって、ついに根絶宣言が出されました。 天然痘は、人類にとって長い間、克服すべき大きな脅威でした。その歴史は、感染症の脅威と、それと戦い続けた人類の努力を私たちに語りかけています。
その他

東洋医学が考える癲癇とその治療

- 癲癇の概要 癲癇は、脳内の神経細胞の活動が異常に高まり、発作を繰り返す慢性的な病気です。発作は、意識、運動、感覚、行動などに一時的な異常を引き起こします。 -# 症状の多様性 癲癇の症状は、発作の種類や程度、影響を受ける脳の部位によって大きく異なります。 * 一部の患者さんでは、意識が短時間ぼーっとするだけの軽い発作が起こります。 * 一方、全身に激しい痙攣が起こり、意識を失って倒れてしまうような重い発作を起こす患者さんもいます。 -# 癲癇の原因 癲癇の原因は、脳の損傷、遺伝、感染症、代謝異常など、 様々なものがあります。 * 頭部外傷や脳卒中などによって脳に損傷を受けた場合に発症することがあります。 * また、家族に癲癇の人がいて、遺伝的に発症リスクが高い場合もあります。 -# 癲癇の治療 癲癇の治療は、発作の頻度や重症度、患者さんの状態などを考慮して 行われます。 * 薬物療法が一般的ですが、薬の種類や量は患者さんごとに調整する必要があります。 * 薬物療法だけでは発作のコントロールが難しい場合には、外科手術や食事療法などの選択肢もあります。 -# まとめ 癲癇は、適切な治療によって発作をコントロールし、普通の生活を送ることができる病気です。
漢方の診察

舌診で見る体のサイン:點刺舌

- 點刺舌とは? 點刺舌とは、その名の通り、舌の表面に無数の小さな突起が見られる状態を指します。まるでイチゴの表面のように見えることから、西洋医学では「イチゴ舌」とも呼ばれます。健康な舌は、淡いピンク色で滑らかな表面をしていますが、點刺舌の場合、赤や白、時には黒っぽい斑点や棘状の隆起が現れ、見た目にもはっきりと変化が現れます。 東洋医学では、舌は体内の状態を映し出す鏡と考えられています。舌は内臓と密接に繋がっていると考えられており、舌の各部位は体の特定の臓腑に対応しています。そのため、舌の色や形、表面の状態などを観察することで、体内の不調や病気の兆候を読み解こうとするのが舌診です。 點刺舌は、舌の表面にある舌乳頭と呼ばれる器官が腫れ上がったり、萎縮したりすることで現れます。東洋医学では、氣や血(けつ)の不足、あるいは熱や湿などの邪氣が体内に溜まっている状態を反映していると考えられています。氣や血の不足は、疲れやすさ、息切れ、めまい、顔色が悪いなどの症状に繋がります。一方、熱がこもると、口の渇き、便秘、イライラしやすくなるなどの症状が現れ、湿が溜まると、体が重だるく感じたり、食欲不振や下痢などの症状が現れやすくなります。 このように、點刺舌はそれ自体が病気ではありませんが、体からの重要なサインであると言えるでしょう。もし、舌に異常を感じたら、自己判断せずに、専門医の診察を受けるようにしましょう。
その他

小児に見られる「天釣」:その症状と東洋医学的理解

- 天釣とは何か -# 天釣とは何か 天釣とは、主に小さなお子様にみられる、急な高熱と共に、頭が後ろに反り返り、眼球が上転してしまうといった特徴的な症状を示す病気です。まるで、天井から吊り下げられているかのような姿勢になることから、その名が付けられました。現代医学では、このような症状は、髄膜炎や脳炎など、脳や脊髄といった中枢神経に細菌やウイルスが感染することで起こると考えられています。 天釣は、決して珍しい病気ではありません。乳幼児期、特に生後6ヶ月から1歳頃に多く発症する傾向があり、注意が必要です。発症すると、高熱に加えて、意識が混濁したり、痙攣を起こしたり、嘔吐を繰り返したりする場合もあります。これらの症状は、中枢神経に炎症が起こることで、様々な神経伝達に異常をきたしてしまうために現れると考えられています。 天釣は、早期に適切な治療を行えば、多くの場合後遺症を残さずに回復することができます。しかし、発見が遅れたり、治療が適切に行われなかった場合には、重い後遺症を残してしまう可能性もあります。そのため、お子様に高熱や痙攣、意識障害などが見られた場合には、速やかに医療機関を受診し、専門医による適切な診断と治療を受けることが重要です。
鍼灸

体内エネルギー循環の要:手少陽三焦経

- 三焦経とは -# 三焦経とは 東洋医学では、生命エネルギーである「気」が全身を巡り、その流れが滞りなく循環することで健康が保たれると考えられています。この「気」の通り道である「経絡」は、体中に網の目のように張り巡らされており、主要な経絡として十二経脈が存在します。 その十二経脈の一つである「手少陽三焦経」は、体の表面を流れる陽経の一つで、特に体の側面を走行し、体の上焦、中焦、下焦という三つの部位を貫くように流れています。 ここでいう「三焦」は、特定の臓器を指すのではなく、体の機能を分類した概念です。上焦は呼吸や循環を司る機能、中焦は消化吸収を担う機能、下焦は排泄や生殖に関わる機能をそれぞれ代表しています。 つまり、三焦経は呼吸器系、消化器系、泌尿器系、生殖器系など、生命活動に重要な機能をつなぎ、統括する役割を担っていると考えられています。 このように、三焦経は全身の気の流れを調整し、各臓器の機能を円滑にすることで、健康維持に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
鍼灸

体内を巡る守護者:手厥陰心包経

- 心の番人、心包経とは 東洋医学では、私たちの体には目には見えない「気」というエネルギーが流れていると考えられています。 この「気」は、体の中をくまなく巡ることで、生命を維持し、心と体のバランスを整えています。 そして、その「気」の通り道となるのが「経絡」と呼ばれるものです。 「心包経」は、心臓を包む「心膜」と密接に関係のある経絡です。 「心膜」は、心臓を外部の衝撃から守る役割を担っています。 心包経は、その「心膜」の働きを支え、心を穏やかに保ち、精神的なストレスから私たちを守ってくれる、いわば心の守護者のような役割を担うと考えられています。 心包経の経路は、胸の中央から始まり、腕の内側を通って、手のひらの中指の先端まで続いています。 この経路に沿って、いくつかのツボが点在しており、それぞれのツボは体の特定の部位や機能と関連しています。 心包経は、精神的なバランスを保つことに大きく関わっています。 例えば、不安や緊張を感じやすい、イライラしやすい、動悸がする、不眠といった症状は、心包経の乱れが関係していると考えられています。 これらの症状を改善するために、心包経のツボを刺激することで、気の巡りを整え、心の安定を取り戻す効果が期待できます。
鍼灸

経絡の旅:手太陽小腸経

- 手の太陽小腸経とは 東洋医学では、人体を流れる生命エネルギーである「気」の通り道を「経絡」と呼びます。経絡は体中に網の目のように張り巡らされており、その中の一つである十二正経は、特に重要な役割を担っています。 手の太陽小腸経も十二正経の一つであり、主に小腸の働きと深く関わっています。小腸は食物から栄養を吸収する臓器ですが、東洋医学では心の働きにも影響を与えると考えられています。 手の太陽小腸経は、小指の外側から始まり、腕の外側、肩、首を通って顔、耳の前までを流れています。この経絡の「気」の流れが滞ると、小腸の機能が低下するだけでなく、肩こりや首のこり、耳鳴り、頭痛などの症状が現れることがあります。 また、精神的なストレスや緊張によっても、手の太陽小腸経の「気」の流れは乱れやすくなります。逆に、手の太陽小腸経の「気」の流れを整えることで、小腸の働きを活性化し、心身のバランスを整えることができると考えられています。
鍼灸

手少陰心経:心臓と心のつながり

東洋医学では、私たちの目には見えない「気」というエネルギーが体内をくまなく巡り、そのおかげで心身ともに健康な状態を保てると考えられています。この「気」の通り道となるのが「経絡」であり、体中に網の目のように張り巡らされています。 経絡の中でも特に重要なのが十二正経と呼ばれる経絡であり、今回ご紹介する手少陰心経もその一つに数えられます。 心経は、心臓から始まり、体の前面を通って小指へと至る経絡です。心臓は全身に血液を送る重要な臓器ですが、東洋医学では心臓は精神活動にも深く関わると考えられてきました。 そのため、心経の働きが乱れると、動悸や息切れなどの心臓に関する症状だけでなく、不眠や不安、精神不安定といった精神的な症状が現れるとも考えられています。 また、東洋医学では顔色や舌の状態なども観察しますが、心経の乱れは顔色が悪くなったり、舌の先端に赤い点が出たりするなどのサインとして現れることがあります。 心経の働きを整えるためには、規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、「気」の流れをスムーズにすることが大切です。
鍼灸

呼吸と密接な関係をもつ経絡:手太陰肺経

- 体の中心から始まるエネルギーの流れ 東洋医学では、私たちの体には目には見えない「気」というエネルギーが流れていると考えられています。この「気」は、体中に張り巡らされた道筋である「経絡」を通じて、全身をくまなく巡っています。 経絡の中でも特に重要なのが「十二正経」と呼ばれるもので、主要な臓腑と密接に関係しています。今回ご紹介する「手太陰肺経」も、この十二正経の一つに数えられます。 手太陰肺経は、体の中心部に位置する「中焦」と呼ばれる場所から始まります。 「中焦」は、私たちが毎日口にする飲食物から、生命活動に必要なエネルギーを生成する、いわば体のエネルギー工場のような場所です。ここで作られた「気」は、肺経という道筋を通って、全身へと送り届けられます。 肺は、体中に酸素を送り込み、不要な二酸化炭素を排出する呼吸器ですが、東洋医学では、単に呼吸をするだけでなく、「気」を全身に巡らせる役割も担っているとされています。 つまり、手太陰肺経は、体の奥深くで作られたエネルギーを、肺の働きを通じて全身に行き渡らせる、重要な役割を担っていると言えるでしょう。
鍼灸

体のエネルギーライン:手三陽経

- 手三陽経とは -# 手三陽経とは 東洋医学では、人体には「経絡(けいらく)」と呼ばれるエネルギーの通り道があるとされています。この経絡は、体の内と外を結び、気血を全身に巡らせることで、心身の健康を維持する役割を担っています。 手三陽経とは、その経絡の中でも、上肢後面、つまり手の指先から頭の方向へ流れる3つの経絡、大腸経、小腸経、三焦経をまとめた呼び名です。 具体的には、大腸経は人差し指の外側から始まり、腕の外側を通って顔の横にいたる経絡、小腸経は小指の外側から始まり、腕の後側を通って耳の上部にいたる経絡、三焦経は薬指の外側から始まり、腕の中央部を通って眉の外側にいたる経絡です。 これらの経絡は、それぞれ対応する臓腑と密接に関係しており、その臓腑の機能を調整する役割を担っています。例えば、大腸経は消化器官である大腸の働きを、小腸経は栄養の吸収を行う小腸の働きを、三焦経は体内の水分代謝を司る三焦の働きをそれぞれ調整しています。 手三陽経は、主に体の背面を走行し、体の陽気を調整する役割を担う陽経に分類されます。陽経は、外部からの邪気の侵入を防ぎ、体の防衛機能を高める役割も担うことから、手三陽経は風邪の予防や治療にも重要な役割を果たすと考えられています。 東洋医学では、経絡のバランスを整えることで、心身の健康を維持できると考えられています。そのため、鍼灸治療やツボ押しなどで手三陽経を刺激することで、様々な症状の改善や健康増進が期待できます。