流行病「おたふくかぜ」:その原因と症状

流行病「おたふくかぜ」:その原因と症状

東洋医学を知りたい

先生、『痄腮』って東洋医学の用語でどんな意味ですか?

東洋医学研究家

いい質問だね。『痄腮』は簡単に言うと、耳の下が腫れて痛くなる病気のことだよ。風熱毒っていう邪気が原因で起こると考えられているんだ。

東洋医学を知りたい

風熱毒っていうのは、風邪のウイルスみたいなものですか?

東洋医学研究家

そうだね、風邪のウイルスも風熱毒の一つと考えられるよ。他にも、体に熱がこもったり、毒となるものが体に入ってくると風熱毒になると考えられているんだ。

痄腮とは。

「おたふくかぜ」は、東洋医学では「痄腮」(じゃそん)と呼ばれます。これは、風邪のような症状を引き起こす邪気によって流行する病気で、耳の下のあたりにある唾液腺が、片方または両方が腫れて痛みます。

おたふくかぜとは

おたふくかぜとは

– おたふくかぜとは

おたふくかぜは、医学的には「流行性耳下腺炎」と呼ばれる、ウイルスが原因で起こる感染症です。このウイルスに感染すると、耳の下あたりにある唾液を作る器官である耳下腺が腫れて痛みが出ます。 多くの場合、耳下腺の腫れは片側だけに現れますが、両側が腫れるケースも見られます。

おたふくかぜは、感染力が非常に強い病気として知られています。感染経路としては、咳やくしゃみによる飛沫感染が挙げられます。 また、感染者の唾液が付着したおもちゃなどを介して、間接的に感染するケースも少なくありません。 特に、免疫力が発達していない幼児や小学生の間で流行しやすく、集団生活を送る保育園や幼稚園、小学校などで集団感染が発生することもあります。

おたふくかぜは、一般的に予後が良好な病気とされていますが、合併症を引き起こす可能性もゼロではありません。合併症として代表的なものは、髄膜炎や難聴です。 稀ではありますが、脳炎や精巣炎、卵巣炎などを発症することもあります。思春期以降の男性が感染すると、精巣炎によって男性不妊のリスクが高まるという報告もあります。

おたふくかぜの予防には、ワクチン接種が有効です。日本では、任意接種として麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)の接種が推奨されています。ワクチンを接種することで、おたふくかぜの発症リスクを大幅に抑えられます。

項目 内容
正式名称 流行性耳下腺炎
原因 ウイルス
主な症状 耳下腺の腫れと痛み
感染経路 咳やくしゃみによる飛沫感染、接触感染
流行しやすい年代 幼児、小学生
合併症 髄膜炎、難聴、脳炎、精巣炎、卵巣炎など
予防法 麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)の接種

主な原因

主な原因

– 主な原因

東洋医学では、おたふくかぜは「痄腮(ザソウ)」と呼ばれ、外界の邪気である“風熱邪”が体に侵入することで発症すると考えられています。この“風熱邪”は、春の終わりから夏の暑い時期に多く発生し、発熱や喉の痛み、腫れなどの症状を引き起こします。

特に、春先や夏場は気温が上がり湿度も高くなるため、“風熱邪”が活発になり、おたふくかぜが流行しやすくなります。また、気温の変化が激しい季節の変わり目などは、体がその変化に対応できず、免疫力が低下しやすくなります。

さらに、日頃から睡眠不足や栄養バランスの偏った食事、過労などが続くと、体の抵抗力が下がり、“風熱邪”に対する防御力が弱まってしまいます。その結果、体に“風熱邪”が侵入しやすくなり、おたふくかぜを発症しやすくなってしまうのです。

つまり、おたふくかぜを予防するためには、“風熱邪”の侵入を防ぎ、体の免疫力を高めておくことが重要です。そのためには、普段からバランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、健康的な生活習慣を送りましょう。

原因 詳細
風熱邪の侵入 春の終わりから夏の暑い時期に多い外界の邪気。発熱、喉の痛み、腫れなどを引き起こす。
気温・湿度の変化 春先や夏場は気温と湿度が上がり、風熱邪が活発になるため、おたふくかぜが流行しやすくなる。
免疫力の低下 気温の変化が激しい季節の変わり目や、睡眠不足、栄養バランスの偏り、過労などにより免疫力が低下すると、風熱邪への防御力が弱まる。

特徴的な症状

特徴的な症状

– 特徴的な症状

おたふくかぜは、ムンプスウイルスというウイルスによって引き起こされる感染症です。その名の通り、耳の下にある耳下腺という唾液腺が腫れるのが特徴です。腫れは片側だけに現れることもありますが、多くの場合は両側に及びます。耳の下から顎にかけて、まるでおたふくの顔のように腫れ上がるため、この病気が「おたふくかぜ」と呼ばれるようになったと言われています。

腫れた部分は触ると痛みを伴い、口を開けたり、ものを噛んだりするのも辛くなります。また、発熱や頭痛、食欲不振、全身倦怠感などの症状が現れることもあります。

おたふくかぜの症状は、通常1~2週間ほどで自然に治まります。しかし、まれに髄膜炎や難聴、男性では睾丸炎、女性では卵巣炎といった合併症を引き起こすこともあるため、注意が必要です。特に思春期以降の男性が睾丸炎を合併すると、将来、不妊症の原因となる可能性もあるため、注意が必要です。

症状 詳細
耳下腺の腫れ 片側または両側の耳下腺が腫れる。耳の下から顎にかけて腫れ上がり、おたふくの顔のように見える。
痛み 腫れた部分は触ると痛む。口を開けたり、ものを噛んだりするのも辛い。
その他の症状 発熱、頭痛、食欲不振、全身倦怠感など。
症状の期間 通常1~2週間ほどで自然に治まる。
合併症 髄膜炎、難聴、睾丸炎(男性)、卵巣炎(女性)など。特に思春期以降の男性が睾丸炎を合併すると、将来、不妊症の原因となる可能性もある。

予防と対策

予防と対策

– 予防と対策

おたふくかぜは、ムンプスウイルスによる感染症で、特に幼児や学童期のお子様に多く見られます。ワクチン接種によって発症を防ぐことが期待できますので、予防として積極的に検討しましょう。

おたふくかぜの予防には、ワクチン接種が最も効果的です。日本では、麻疹・風疹とおたふくかぜの混合ワクチン(MMRワクチン)が推奨されています。ワクチンは2回接種することで、より高い予防効果が期待できます。1歳と小学校入学前の2回接種が標準的なスケジュールです。

おたふくかぜは、感染者の咳やくしゃみ、唾液などを介して、ほかの人にうつります。そのため、感染拡大を防ぐためには、日頃から手洗いとうがいを徹底することが重要です。石鹸と流水を用いて、手指のすみずみまで丁寧に洗いましょう。うがいは、水だけで構いませんので、こまめに行うように心がけましょう。

また、流行期には、できるだけ人混みを避けるようにしましょう。やむを得ず人混みに行く場合は、マスクを着用するなどの対策を心がけてください。

もしも、おたふくかぜに感染してしまった場合は、安静にして休養を取り、水分を十分に摂取するようにしましょう。特に、発熱が続く場合は、脱水症状を防ぐために、こまめに水分補給を行いましょう。

おたふくかぜは通常、安静にしていれば自然に治癒しますが、合併症を引き起こすこともあります。症状が重い場合や、合併症が疑われる場合は、自己判断せずに、速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしてください。

項目 内容
予防 – ワクチン接種 (MMRワクチン 2回)
– 手洗いとうがいの徹底
– 人混みを避ける
– マスクの着用
対策 – 安静と休養
– 水分補給
– 症状が重い場合や合併症が疑われる場合は、医療機関を受診
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