通利

漢方の治療

東洋医学における通因通用

- 通因通用の考え方東洋医学では、人間は自然の一部であり、自然と調和することで健康を維持できると考えられています。この考え方は、体の内部にも当てはまります。体の中では、「気・血・水」と呼ばれる生命エネルギーが絶えず循環しており、これらのバランスが保たれている状態が健康であると考えます。しかし、このバランスが崩れると、体に様々な不調が現れます。東洋医学では、これを「不通則痛」、つまり「流れが滞ると痛みを生じる」と捉えます。この滞りを生み出す原因となるのが、風邪や冷え、湿気などの外から侵入する「邪気」や、過労やストレス、偏った食事などの生活習慣の乱れによって体内に生じる「内因」です。「通因通用」とは、これらの原因によって滞りが生じている部位を特定し、流れをスムーズにすることで症状を改善するという治療の考え方です。例えば、風邪の初期症状である寒気や発熱は、体内に侵入した「風寒の邪気」が原因で、体の防衛反応として熱を生み出し、邪気を追い出そうとしている状態だと考えます。そこで、発汗作用のある食材や生薬を用いることで、体の外に邪気を排出するのを助け、症状の改善を促します。つまり、通因通用とは、単に症状を抑えるのではなく、その原因を突き止め、体の自然な回復力を引き出すことで根本的な治療を目指すという東洋医学の根幹を成す考え方なのです。