流注:転移性癰の脅威
- 流注とは
-# 流注とは
東洋医学では、人間の体には「気・血・津液」と呼ばれる生命エネルギーが流れており、これらが体内をくまなく巡ることで健康が保たれると考えられています。そして、このエネルギーの通り道となるのが「経絡」と呼ばれるものです。
「流注」とは、体の中に侵入した病気の原因となる邪気が、この経絡の流れに沿って移動し、別の場所に到達して新たな病気を引き起こす現象を指します。
特に、皮膚に生じる悪性の腫れ物である「癰(よう)」が、元の場所から離れた場所に現れることを「流注」と呼ぶことが多く、これは西洋医学でいう「転移性癰」に相当します。
癰は、放置すると重症化しやすく、命に関わる場合もあるため注意が必要です。流注は、癰以外にも、様々な病気の発生や悪化に関係すると考えられており、東洋医学では重要な概念の一つとなっています。