内閉外脱：衰弱が招く危険な状態

内閉外脱：衰弱が招く危険な状態

内閉外脱とは

– 内閉外脱とは

-# 内閉外脱とは

東洋医学では、私たちが健康に過ごすためには、体の中に「元気」というエネルギーが満ちていることが重要だと考えています。 この「元気」は、体のバリア機能や免疫力、自然治癒力などをつかさどり、外から侵入してくる邪気から体を守ってくれています。例えるなら、城を守る勇敢な兵士のようなものです。

しかし、過労やストレス、睡眠不足、偏った食事などが続くと、この「元気」が徐々に消耗してしまいます。その結果、邪気を十分に排除できなくなり、体に様々な不調が現れ始めます。この状態を、東洋医学では「内閉外脱」と呼びます。

「内閉」とは、まさに城門が閉ざされた状態を指します。「元気」が不足することで、体の中に邪気が閉じ込められ、うまく排出することができなくなります。その結果、発熱や倦怠感、食欲不振、胃腸の不調、精神不安定など、様々な症状が現れます。

一方、「外脱」とは、城の外にまで被害が及んでいる状態を指します。長期間にわたり「内閉」の状態が続くと、「元気」の不足に加えて、体内の水分の代謝も乱れてしまいます。体内に余分な水分が溜まりやすくなるため、むくみや下痢、冷え症、めまい、息切れなどを引き起こす原因となります。

内閉外脱は、体の防衛システムが弱体化し、様々な病気にかかりやすい状態と言えるでしょう。日頃から「元気」を養い、内閉外脱を防ぐことが大切です。

内閉のメカニズム

– 内閉のメカニズム

-# 内閉のメカニズム

東洋医学では、人間の身体は、常に変化する自然環境と調和しながら、独自のエネルギー循環システムによって生命を維持していると考えています。このエネルギーは「気」と呼ばれ、生命活動の源泉となります。

内閉とは、この「気」の流れが滞り、身体の様々な機能が低下した状態を指します。まるで、乾ききった大地に植物が育たなくなってしまうように、体内の臓器は「気」という潤いを十分に得ることができず、本来の働きを発揮できなくなってしまうのです。

内閉の原因は、過労やストレス、慢性的な病気など、現代社会に潜む様々な要因が考えられます。これらの要因は、私たちの心身に負担をかけ続け、「気」を徐々に消耗させていくのです。その結果、身体は栄養や潤いを十分に受け取ることができなくなり、内側から弱っていきます。

まるで、澄み切った小川が、ゴミや泥によって流れを阻まれてしまうように、私たちの体の中でも、様々な要因によって「気」の流れが滞ってしまうことがあるのです。内閉を理解することは、自身の心身の状態に耳を傾け、「気」の流れをスムーズにするために、生活習慣を見直すきっかけになるでしょう。

外脱のメカニズム

– 外脱のメカニズム

外脱とは、東洋医学において、体の活力が低下し、外部からの邪気を十分に防ぎきれない状態を指します。まるで、城壁を守る兵士たちが疲弊し、敵の侵入を許してしまうかのようです。

この「邪気」とは、風邪の原因となるウイルスや細菌、気温の変化（寒さや暑さ）、湿気、乾燥など、私たちの健康を脅かす様々な外的要因を指します。これらの邪気は、常に私たちの周りに存在し、体の抵抗力が弱まっているときに、その隙を狙って侵入しようとします。

普段は、私たちの体には「元気」と呼ばれる生命エネルギーが満ち溢れており、この元気が城壁のように邪気の侵入を防いでくれています。しかし、過労や睡眠不足、偏った食事、ストレスなどが続くと、この元気が徐々に消耗してしまいます。

元気が衰えた状態では、邪気を跳ね返す力が弱まり、容易に体内に侵入を許してしまいます。その結果、風邪を引きやすくなったり、体調を崩しやすくなったりするのが、「外脱」の状態です。外脱は、病気の一歩手前の状態とも言えるでしょう。

内閉外脱の症状

– 内閉外脱の症状

内閉外脱とは、東洋医学において生命エネルギーである「気」が著しく衰弱し、身体の内部に閉じ込められた状態を指します。この状態になると、様々な機能が低下し、様々な不調が現れます。

最も一般的な症状の一つに、強い倦怠感があります。これは、身体を動かすための十分な「気」が生成されず、身体全体にエネルギーが行き渡らないために起こります。また、「気」の不足は食欲にも影響を及ぼし、食欲不振を引き起こします。

めまいや息切れも、内閉外脱の典型的な症状です。めまいは、「気」の不足により脳へ十分な血液が送られないために起こり、息切れは呼吸機能の低下を示しています。

冷えも特徴的な症状です。これは、「気」の循環が悪くなることで、身体の末端まで温かい血液が行き渡らなくなるために起こります。さらに、水分の代謝も滞りやすくなるため、むくみが生じやすくなります。

消化機能も低下し、下痢を引き起こしやすくなります。

重症化すると、意識が朦朧とするなどの意識障害が現れることもあります。

内閉外脱は、放置すると生命に関わる危険性もあるため、早期の発見と適切な治療が重要です。

内閉外脱への対策

– 内閉外脱への対策

内閉外脱とは、東洋医学の考え方で、体の中の生命エネルギーである「気」が、体内にとどめておくべき「衛気」と、体外に出入りする「営気」のバランスが乱れ、体に必要な「気」が外に漏れてしまっている状態を指します。

この状態を改善するには、まず日常生活を見直し、「気」を消耗するような生活習慣を改めることが重要です。

質の高い睡眠を十分に確保し、心身を休ませることで、「気」の生産を促しましょう。また、暴飲暴食を避け、消化に良い、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。さらに、適度な運動を習慣化することで、「気」の循環を促し、心身のバランスを整えましょう。

過度なストレスは、「気」の乱れに繋がります。ストレスを溜め込まないように、自分なりのリラックス方法を見つけ、心身のリフレッシュを心がけましょう。

東洋医学では、こうした生活習慣の改善に加え、漢方薬や鍼灸治療を用いることで、体内の「気」のバランスを整え、内閉外脱の状態を改善していきます。

漢方薬は、体の constitution に合わせて処方され、「気」の不足を補ったり、流れを調整したりすることで、体の内側から働きかけます。鍼灸治療は、身体の特定のツボを刺激することで、「気」の流れを調整し、自然治癒力を高める効果が期待できます。

内閉外脱は、放置すると様々な不調に繋がることがあります。自己判断で対処するのではなく、専門家の意見を仰ぎ、適切な治療を受けるようにしましょう。