中風とは?:東洋医学的観点からの解説

中風とは?:東洋医学的観点からの解説

東洋医学を知りたい

先生、『中風病』って東洋医学ではどんな病気なんですか?

東洋医学研究家

いい質問だね。『中風病』は、急に半身が麻痺したり、口や目がゆがんだり、言葉がうまく話せなくなったりする病気だよ。現代医学でいう脳卒中に近いと考えられているんだ。

東洋医学を知りたい

風邪で脳卒中になるんですか?

東洋医学研究家

風邪だけが原因ではないんだけど、東洋医学では、風邪の原因となる邪気が体の中に入ってきて、体の弱い部分に影響を与えて発症すると考えられているんだよ。

中風病とは。

東洋医学でいう『中風病』とは、かぜを引いたことがきっかけで急に半身まひになったり、顔がゆがんで口がしまらなくなったり、うまくものが言えなくなったりする病気のことです。

中風とは

中風とは

– 中風とは

-# 中風とは

中風とは、東洋医学において、体に風の邪が侵入し、気血の流れが乱れることで起こると考えられている病気です。まるで風に吹かれたかのように、突然、体の片側に麻痺やしびれが現れたり、顔が歪んだり、言葉がうまく話せなくなったりします。これらの症状は、西洋医学でいう脳卒中とよく似ています。

しかし、西洋医学では脳の血管が詰まったり破れたりすることが原因とされるのに対し、東洋医学では「風」という概念を用いて、その原因や病態を捉えます。東洋医学でいう「風」とは、目に見えない自然現象の一つであり、気候の変化や生活習慣の乱れ、過労、ストレスなどによって体のバランスが崩れた際に、邪気として体内に侵入すると考えられています。

風が体内に侵入すると、気血の流れが阻害され、体の様々な機能がうまく働かなくなります。これが中風の発症に繋がると考えられています。このように、西洋医学と東洋医学では、同じような症状であっても、その原因や病態に対する捉え方が大きく異なります。

中風の治療においても、西洋医学では投薬や手術などが中心となる一方、東洋医学では、鍼灸治療や漢方薬の処方、食事療法、生活習慣の改善など、一人ひとりの体質や病状に合わせた総合的な治療が行われます。

項目 西洋医学 東洋医学
定義 脳の血管が詰まったり破れたりすることが原因で起こる病気 体に風の邪が侵入し、気血の流れが乱れることで起こると考えられている病気
症状 体の片側に麻痺やしびれ、顔面麻痺、言語障害など 体の片側に麻痺やしびれ、顔面麻痺、言語障害など
原因 脳血管障害 気候の変化、生活習慣の乱れ、過労、ストレスなどにより体のバランスが崩れ、風の邪気が体内に侵入
病態 脳の損傷 気血の流れの阻害
治療 投薬、手術など 鍼灸治療、漢方薬、食事療法、生活習慣の改善など

風の影響

風の影響

東洋医学では、自然界のあらゆる現象は「陰陽五行説」という考え方に基づいて説明されます。この考え方では、自然界は「木火土金水」の五つの要素で成り立っており、それぞれが異なる性質を持っています。この五つの要素は、私たちの体や心にも影響を与えていると考えられています。

「風」はこの五行の一つである「木」の性質に属し、「動き」や「変化」を象徴します。春になり、木々が芽を出し成長するように、風もまた、動きやすく変化しやすい性質を持つのです。そして、風が体に侵入すると、この「動き」と「変化」の性質により、気血の流れが急激に乱れ、中風の症状を引き起こすと考えられています。

風の性質は、春や風の強い日に強まります。そのため、これらの時期には、風の影響を受けやすく、中風の症状が出やすくなるとされています。また、風の影響は、気候の変化や生活習慣の乱れなどによって強まることもあります。

要素 性質 季節 影響
動き、変化 気血の流れを乱す(中風)
動き、変化 春、風の強い日 気血の流れを乱す(中風)

中風の症状

中風の症状

– 中風の症状

中風は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳に栄養や酸素が行き渡らなくなり、様々な神経症状を引き起こす病気です。その症状は多岐にわたり、体の片側に麻痺やしびれが現れたり、顔が歪んでしまうこともあります。また、言葉がうまく話せなくなったり、ろれつが回らなくなるといった症状が現れることもあります。

東洋医学では、これらの症状は体のどこに「風」の邪が侵入したかによって異なると考えられています。例えば、顔が歪む場合は、顔面に風の邪が侵入したと考えられ、言語障害の場合は、舌を司る経絡に影響が及んでいるとされます。

中風の症状は、一時的に現れてすぐに治まることもあれば、長期間にわたって症状が残ってしまうこともあります。症状の程度や期間は、脳のどの部分がどの程度損傷を受けたかによって大きく異なります。いずれの場合も、早期に適切な治療を開始することで、症状の改善や後遺症の軽減が期待できます。中風の疑いがある場合は、できるだけ早く医療機関を受診することが大切です。

症状 西洋医学的解釈 東洋医学的解釈
体の片側の麻痺やしびれ 脳への血液供給不足による神経障害 体に侵入した「風」の邪の影響
顔面麻痺 脳神経へのダメージ 顔面に侵入した「風」の邪の影響
言語障害(ろれつが回らない、言葉が出てこない) 言語中枢へのダメージ 舌を司る経絡への「風」の邪の影響

中風の治療

中風の治療

– 中風の治療

中風とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、体に麻痺やしびれなどの症状が現れる病気です。東洋医学では、この中風は「風」の邪気が体に侵入することで発症すると考えられています。

風の邪気は、体内を勢いよく巡る性質を持っているため、体の動きを司る「気」や「血」の流れを阻害し、様々な神経症状を引き起こすとされています。そのため、中風の治療においては、まず第一にこの風の邪気を体外に排出しなければなりません。

そのために用いられるのが、鍼灸治療や漢方薬、マッサージ、食事療法といった東洋医学独自の治療法です。

鍼灸治療では、体のエネルギーの通り道である「経絡」上に存在するツボと呼ばれる特定のポイントに鍼を刺したり、艾の葉を燃やしたお灸で温めたりすることで、滞っていた気血の流れをスムーズにし、体のバランスを整えていきます。

漢方薬は、患者の体質や症状に合わせて、自然界に存在する生薬を組み合わせて処方されます。それぞれの生薬が持つ力を引き出し、体内の水分代謝を調整したり、血流を改善したりすることで、中風によって引き起こされた症状の緩和を目指します。

マッサージは、身体を優しく揉みほぐすことで、筋肉や関節の緊張を和らげ、血行を促進する効果が期待できます。また、食事療法では、消化の良い温かい食べ物を中心に摂るように指導されます。これは、冷えた食べ物は胃腸に負担をかけ、気血の巡りを悪くすると考えられているためです。

中風の治療は、患者さん一人ひとりの体質や症状に合わせて、これらの治療法を組み合わせながら進めていきます。

治療法 効果・メカニズム
鍼灸治療 経絡上のツボに鍼を刺したり、お灸で温めたりすることで、気血の流れをスムーズにする。
漢方薬 患者の体質や症状に合わせた生薬の組み合わせにより、水分代謝調整、血流改善などを図る。
マッサージ 筋肉や関節の緊張を和らげ、血行を促進する。
食事療法 消化の良い温かい食べ物を中心に摂ることで、胃腸への負担を軽減し、気血の巡りを良くする。

日常生活での予防

日常生活での予防

– 日常生活での予防

脳卒中、いわゆる中風は、ある日突然、私たちの日常を奪ってしまう病気です。 しかし、中風は決して「不運」によってのみもたらされるものではありません。 実は、普段の生活習慣の積み重ねが大きく影響しています。

中風の大きな原因の一つとして、生活習慣病との関連が挙げられます。 つまり、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を予防、改善することで、中風のリスクを抑えることができるのです。

では、具体的にどのような点に注意すれば良いのでしょうか? まずは「食」。偏った食事は生活習慣病のリスクを高めます。 毎日の食事では、栄養バランスを意識し、様々な食材をまんべんなく摂ることが大切です。 特に、塩分や脂肪分の多い食事は控えめにしましょう。

次に「運動」。適度な運動は、血圧や血糖値をコントロールし、肥満の予防にも効果的です。 激しい運動である必要はありません。 軽い散歩やストレッチなど、無理なく続けられる運動を生活に取り入れてみましょう。

そして「休養」。 忙しい毎日の中で、睡眠不足やストレスをため込んでいませんか? 睡眠不足や過剰なストレスは、自律神経のバランスを崩し、血圧の上昇や血管の収縮を引き起こしやすくなります。 十分な睡眠をとり、リラックスする時間を持ち、心身ともに休ませることを心がけましょう。

特に寒い冬は、体が冷えて血圧が上がりやすくなるため注意が必要です。外出時は、帽子やマフラーなどでしっかりと防寒対策を行いましょう。

中風は決して他人事ではありません。 規則正しい生活、バランスの取れた食事、ストレスをためない生活を心がけることで、中風のリスクを減らし、健やかな毎日を送りましょう。

項目 具体的な内容 効果
– 栄養バランスを意識した食事
– 塩分や脂肪分の多い食事は控えめに
生活習慣病のリスクを低下
運動 – 適度な運動(軽い散歩やストレッチなど) – 血圧や血糖値のコントロール
– 肥満の予防
休養 – 十分な睡眠
– リラックスする時間を持ち、心身ともに休ませる
– 自律神経のバランスを整える
– 血圧の上昇や血管の収縮の予防
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