東洋医学

その他

東洋医学から見る火丹

- 火丹とは 火丹とは、東洋医学の考え方で使われる言葉で、皮膚に急に現れる赤い炎症のことを指します。まるで燃え盛る炎のように、赤みと熱を帯びた腫れが特徴です。 この火丹、その名の通り体の中の熱が原因と考えられています。東洋医学では、心や肝といった体の機能と密接に関わっているとされ、感情の乱れやストレス、不摂生な生活によって体内の熱バランスが崩れ、その熱が皮膚に現れたものが火丹だと考えられています。 現代の医学では、火丹は細菌やウイルス感染などによる皮膚の炎症全般を指すことが多く、湿疹や皮膚炎、帯状疱疹なども含まれます。火丹は、その原因や症状によって様々な種類に分けられ、それぞれに合わせた治療法が選択されます。 例えば、赤く腫れ上がり、熱と痛みを伴う場合は、熱を取り除く作用のある生薬を用いたり、炎症を抑える効果のある漢方薬を処方したりします。また、食事療法や生活習慣の改善指導など、体質改善を目指した治療も行われます。 火丹は、早期発見と適切な治療によって症状を抑え、再発を防ぐことが重要です。皮膚に異常を感じたら、自己判断せずに早めに専門医に相談しましょう。
その他

東洋医学から見る發頤:耳下腺炎とその化膿

- 發頤とは -# 發頤とは 發頤(はつい)とは、東洋医学における概念の一つで、現代医学でいう耳下腺炎、特に膿を持つものを指します。耳下腺は、耳の下あたりに位置し、唾液を分泌する大切な器官です。この耳下腺に炎症が起こることで、腫れや痛み、発熱といった症状が現れます。 發頤は、現代医学ではウイルス感染が主な原因として考えられていますが、東洋医学では、ウイルス感染に加えて、身体の内部環境や外部環境との関連性も重視して、その原因を探っていきます。 例えば、暴飲暴食や脂っこいものの食べ過ぎによって、身体の中に余分な熱や湿気が溜まり、それが原因で發頤を引き起こすと考えられています。また、冷たい風や寒さに当たることで、身体の抵抗力が低下し、發頤を発症しやすくなるとも考えられています。 東洋医学では、發頤の治療として、身体に溜まった熱や湿気を取り除き、免疫力を高めることを目的とした漢方薬の処方や、鍼灸治療などが行われます。さらに、生活習慣の改善や食事療法なども併用することで、發頤の予防や再発防止を目指します。 發頤は、適切な治療を行えば、多くの場合、後遺症を残さずに治癒します。ただし、症状が重い場合や、適切な治療を行わない場合は、膿が周囲の組織に広がり、重症化する可能性もあるため注意が必要です。発熱や耳下腺の腫れ、痛みなど、發頤の症状が見られる場合は、自己判断せずに、早めに医療機関を受診しましょう。
その他

流注:転移性癰の脅威

- 流注とは -# 流注とは 東洋医学では、人間の体には「気・血・津液」と呼ばれる生命エネルギーが流れており、これらが体内をくまなく巡ることで健康が保たれると考えられています。そして、このエネルギーの通り道となるのが「経絡」と呼ばれるものです。 「流注」とは、体の中に侵入した病気の原因となる邪気が、この経絡の流れに沿って移動し、別の場所に到達して新たな病気を引き起こす現象を指します。 特に、皮膚に生じる悪性の腫れ物である「癰(よう)」が、元の場所から離れた場所に現れることを「流注」と呼ぶことが多く、これは西洋医学でいう「転移性癰」に相当します。 癰は、放置すると重症化しやすく、命に関わる場合もあるため注意が必要です。流注は、癰以外にも、様々な病気の発生や悪化に関係すると考えられており、東洋医学では重要な概念の一つとなっています。
その他

股関節の痛みは要注意!:環跳疽について

- 環跳疽とは -# 環跳疽とは 環跳疽は、股関節に膿が溜まる病気です。西洋医学では、細菌感染によって引き起こされる股関節の化膿性関節炎と診断されることが多いでしょう。 東洋医学では、この病気は「風」「寒」「湿」「熱」といった外邪が体内に侵入し、気血の流れを阻害することで発症すると考えられています。特に、環跳と呼ばれるお臀のツボ周辺に症状が現れやすいことから、環跳疽という名前が付けられました。 環跳は足の太陽膀胱経という経絡上に位置し、下半身の気血が集まる重要なツボです。そのため、外邪の影響を受けやすく、環跳疽が生じやすいと考えられています。 環跳疽の症状としては、股関節の激しい痛み、腫れ、熱感、発赤などが挙げられます。重症化すると、歩行困難や高熱などの全身症状が現れることもあります。 東洋医学では、環跳疽の治療には、鍼灸や漢方薬を用います。鍼灸治療では、滞った気血の流れを改善し、痛みや腫れを和らげることを目的に、環跳をはじめとするツボに鍼やお灸を施します。漢方薬は、患者の体質や症状に合わせて処方し、体の免疫力を高めたり、炎症を抑えたりする効果が期待できます。 環跳疽を予防するには、普段から体を冷やさないように注意すること、適度な運動で気血の流れを良くすること、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
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東洋医学から見る附骨疽:骨の炎症とその深刻さ

- 附骨疽とは -# 附骨疽とは 附骨疽は、東洋医学の考え方では、骨に発生する重篤な炎症性疾患を指します。現代医学でいう骨髄炎に似た症状が見られ、骨の組織が壊されていき、強い痛みと腫れを伴います。症状が進むと、骨の中に膿が溜まり、さらに状態が悪化していくこともあります。 東洋医学では、この附骨疽は、主に「毒」が骨に侵入し、内部で広がっていくことで発症すると考えられています。この「毒」は、体外から侵入する場合と、体内でのバランスが崩れて生じる場合があります。体外からの侵入としては、傷口から細菌などが入り込むことが挙げられます。また、体内バランスの乱れとしては、過労や暴飲暴食、冷えなどによって身体の抵抗力が低下し、その結果として発症することもあります。 附骨疽の治療は、早期発見・早期治療が非常に重要です。東洋医学では、主に漢方薬を用いて、体内の「毒」を排出し、炎症を抑え、免疫力を高めることを目的とした治療が行われます。具体的には、患部の状態や体質に合わせて、清熱解毒作用や活血化瘀作用を持つ生薬が処方されます。さらに、鍼灸治療によって患部の血行を促進し、痛みや腫れを軽減することも有効です。 附骨疽は重症化すると、骨の変形や機能障害を引き起こす可能性もあるため、早期に適切な治療を開始することが重要です。少しでも気になる症状がある場合は、早めに専門医に相談するようにしましょう。
その他

足背の感染症:足發背とは?

- 足發背とは -# 足發背とは 足發背は、足の甲に急激に生じる、膿がたまる細菌感染症です。 小さな傷や擦り傷など、皮膚のわずかな損傷から細菌が侵入し、皮膚の下で増殖することで炎症を引き起こします。 主な症状としては、患部の赤み、腫れ、熱、痛みが挙げられます。その他、足の甲が熱く感じたり、歩くと痛みが増したりすることもあります。 足の甲は、皮膚の下の組織が薄く、血管やリンパ管が網目のように張り巡らされているため、体の中でも特に感染が広がりやすい部位です。そのため、足發背は早期に適切な治療を行わないと、蜂窩織炎やリンパ管炎といった、重症化する可能性のある合併症を引き起こすことがあります。重症化すると、足の広範囲に炎症が広がったり、リンパ節が腫れたり、発熱や倦怠感などの全身症状が現れることもあります。 足發背は、適切な治療を行えば多くの場合、完治する病気です。 少しでも足に異常を感じたら、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
その他

見逃さないで!手発背の知識

- 手発背とは? -# 手発背とは? 「手発背」は、手の甲側、特に手のひらと指の付け根辺りに生じる、痛みと腫れを伴う化膿性感染症を指します。 日常生活で頻繁に使う場所であるため、初期症状は比較的軽いことが多く見られます。 しかし、その軽さから放置してしまうと、症状が悪化し重症化のリスクもあるため注意が必要です。 手発背は、皮膚表面の小さな傷口や、ささくれ、虫刺されなどから細菌が侵入することで発症します。 健康な状態であれば、体の免疫機能が細菌の侵入を防ぎますが、疲労やストレス、睡眠不足などで免疫力が低下していると、細菌への抵抗力が弱まり、手発背を発症しやすくなります。 主な症状としては、患部の赤み、熱感、腫れ、痛みが挙げられます。 さらに症状が進行すると、膿が溜まり、強い痛みを感じることがあります。 重症化すると、リンパ管や血管を通じて細菌が全身に広がり、敗血症などの生命に関わる病気を引き起こす可能性もゼロではありません。 手発背は、適切な治療を行うことで症状の悪化を防ぎ、完治を目指すことができます。自己判断で治療を進めず、早期に医療機関を受診し、医師の診断と適切な治療を受けるようにしましょう。
その他

東洋医学から見る「發」:その病態と治療

- 「發」とは何か 「發」とは、東洋医学で使われる言葉で、現代医学でいうと、皮膚の浅い部分が広く急に炎症を起こし、膿が溜まる病気のことを指します。皮膚が赤く腫れ上がり、熱を持っていて、強い痛みを伴うのが特徴です。 現代医学では、この病気の原因は、主に細菌感染だと考えられています。しかし東洋医学では、単に細菌に感染したというだけでなく、体の中の熱のバランスが崩れ、「邪」と呼ばれる悪い気が体の中に入ってきた状態だと考えます。 東洋医学では、体の状態や症状に合わせて、熱を冷ます漢方薬を使ったり、鍼灸治療で体のエネルギーの流れを整えたりすることで、「邪」を追い出し、体のバランスを取り戻すことを目指します。
内臓

東洋医学から見る腸癰:急性盲腸炎

- 腸癰とは -# 腸癰とは 腸癰(ちょうよう)は、東洋医学における病名の一つで、現代医学でいう急性虫垂炎(一般的に「盲腸」と呼ばれる病気)に相当します。 腸癰は、主に大腸に生じる化膿性の炎症を指し、激しい腹痛を伴うことが特徴です。 東洋医学では、体のバランスが崩れることで病気が起こると考えられています。 腸癰の場合、過食や偏った食事、冷え、過労、ストレスなどによって、「湿熱(しつねつ)」と呼ばれる病理産物が腸に停滞し、炎症を引き起こすと考えられています。湿熱とは、体内の水分代謝が滞り、熱を帯びた状態を指します。 腸癰の主な症状としては、右下腹部の激しい痛み、発熱、吐き気、便秘、下痢などが挙げられます。 また、炎症が進行すると、腹膜炎を引き起こし、生命に関わる危険性もあります。 腸癰は、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。東洋医学では、鍼灸や漢方薬を用いて、湿熱を取り除き、炎症を抑える治療を行います。 自己判断で対処せず、症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
その他

東洋医学から見る臀癰:原因と治療法

- 臀癰とは何か 臀癰とは、お尻の溝、医学用語で言うと殿溝に膿が溜まる病気です。現代医学では肛門周囲膿瘍とも呼ばれ、細菌感染によって引き起こされます。 -# 臀癰の症状 初期には、肛門周辺の痛みや腫れ、発熱などがみられます。症状が進むと、激しい痛みで座っているのも辛くなったり、排便が困難になることもあります。さらに悪化すると、膿が皮膚を突き破って体外に排出されることもあります。 -# 東洋医学的な考え方 西洋医学では、臀癰は細菌感染による炎症と考えますが、東洋医学では、体の表面的な症状だけでなく、体全体のバランスの乱れが反映されたサインとして捉えます。 東洋医学では、過労、睡眠不足、偏った食事、冷え、ストレスなどの生活習慣の乱れが、体の免疫力や自然治癒力を低下させ、臀癰を引き起こすと考えます。 -# 臀癰の予防 臀癰を予防するためには、規則正しい生活、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、冷え対策、ストレスを溜めないなど、生活習慣を見直すことが大切です。
その他

臍癰:おへその炎症に潜む危険

- 臍癰とは -# 臍癰とは 臍癰(さいよう)は、読んで字のごとく、おへそ(臍)に癰(よう)と呼ばれる腫れ物ができてしまう病気です。 癰とは、毛穴から細菌が侵入し、化膿することで皮膚が赤く腫れ上がり、強い痛みを伴う症状です。 おへそは、身体の他の部位と比べて皮膚が薄く、その下にある皮下組織に直接つながっています。そのため、細菌が侵入しやすく、炎症を起こしやすい場所です。 ここに細菌感染が起き、膿が溜まってしまうと、おへそが赤く腫れ上がり、痛みを伴うようになります。これが臍癰です。 臍癰は、適切な処置を行わないと、周囲の組織に炎症が広がり、重症化することがあります。 最悪の場合、全身に細菌が巡る敗血症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。 早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
その他

現代社会に潜む委中毒の脅威

- 委中毒とは -# 委中毒とは 委中毒は、膝の裏側、医学用語で「膝窩(しっか)」と呼ばれる部分に膿が溜まってしまう、化膿性炎症のことです。一見、聞き慣れない病気のように思えるかもしれませんが、現代社会においても決して他人事ではありません。日常生活で起こりうる小さな傷や、免疫力の低下など、様々な要因が重なって、誰もが発症する可能性を秘めているのです。 膝窩は、人体の中でも特にリンパ節が集中している部位です。リンパ節は、体内に侵入した細菌やウイルスなどを処理し、免疫機能において重要な役割を担っています。しかし、このリンパ節が、何らかの原因で細菌に感染してしまうと、炎症を起こしてしまいます。これが、委中毒の始まりです。 初期症状としては、膝裏の痛みや腫れ、熱感が挙げられます。さらに症状が進むと、歩行困難になったり、発熱や寒気などの全身症状が現れることもあります。症状が悪化すると、膿が皮膚を破って出てくる場合もあります。 委中毒の原因は、小さな傷や虫刺されなどから細菌が侵入することが最も一般的です。また、糖尿病などの基礎疾患や、免疫力の低下なども、発症のリスクを高めるとされています。 委中毒は、適切な治療を行えば、多くの場合、完治する病気です。早期発見、早期治療が重要となるため、少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
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東洋医学から見る腋癰

脇の下にあたる部分は、医学用語で腋窩と呼ばれ、人体にとって重要な役割を担っています。東洋医学では、この腋窩に熱を帯びた腫れや痛みが現れる症状をまとめて「腋癰」と呼びます。これは、現代医学でいうところの腋窩リンパ節炎や化膿性汗腺炎などと共通する部分があるとされています。 腋窩は、リンパ節が集中している部位であるため、細菌やウイルスなどの病原体が体内に侵入すると、免疫反応によってリンパ節が腫れ、痛みを生じることがあります。また、脇の下は汗腺が多く、高温多湿になりやすいことから、細菌が繁殖しやすく、汗腺に炎症が起こることもあります。 東洋医学では、これらの症状は、体内の熱や湿邪が原因で起こると考えられています。熱や湿邪は、過労やストレス、食生活の乱れなどによって体内に蓄積され、気の流れを阻害することで、様々な不調を引き起こすとされています。腋癰の場合、これらの邪気が腋窩に滞留することで、腫れや痛み、熱感を引き起こすと考えられています。 東洋医学では、症状や体質に合わせて、漢方薬の処方や鍼灸治療などを用いて、体内の熱や湿邪を取り除き、気の流れを整えることで、腋癰の症状を改善していきます。
その他

頸部に潜む脅威:頸癰とは?

- 頸癰の概要 頸癰は、首の側面に生じる、膿がたまる腫れ物で、放っておくと命に関わることもある病気です。 細菌が体の中に入り込み、増えることで炎症が起こり、腫れや痛みが現れます。 悪化すると、腫れが大きくなって呼吸や食事が困難になるだけでなく、菌が血液中に入り込んで全身に回ることで、高熱や意識障害といった重い症状を引き起こすこともあります。 頸癰は、主に細菌への感染によって引き起こされます。 免疫力が低下している方や、糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方は、頸癰を発症しやすく、重症化しやすい傾向にあるため注意が必要です。 また、風邪やインフルエンザなどがきっかけで発症することもあります。 頸癰の治療は、炎症を抑え、膿を取り除くことが重要です。 初期段階では、抗生物質の内服や点滴によって炎症を抑えます。 症状が重い場合や、抗生物質の効果が不十分な場合には、膿を切開して排出する手術を行うこともあります。 頸癰は、早期に発見して適切な治療を行えば、多くの場合、治癒する病気です。 首の痛みや腫れ、発熱などの症状が現れた場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
その他

東洋医学から見る癰の理解

皆様、東洋医学の世界へようこそ。 今回は、身体の奥底で静かに、そして激しく燃え盛る炎のような存在である「癰(よう)」について、その神秘のベールを一枚一枚めくっていきましょう。 「癰」という耳慣れない言葉に、戸惑いを感じられた方もいらっしゃるかもしれません。 これは、現代の医療の世界では「カルブンケル」あるいは「化膿性感染症」と呼ばれる症状の一つであり、皮膚の奥深くで膿が溜まり、焼け付くような痛みと、まるで熱を持った風船のように膨れ上がる腫れを引き起こす、大変厄介な病です。 では、一体なぜ、私たちの身体の中でこのような激しい炎症が起こってしまうのでしょうか? その原因やメカニズム、そして古来より東洋医学が育んできた独自の治療法など、これから数回に渡り、皆様を「癰」の深淵へとご案内して参ります。 どうぞご期待ください。
その他

深刻化する感染症:疫疔とその脅威

- 疫疔とは -# 疫疔とは 疫疔は、皮膚やその下の組織に起こる、重症化する恐れのある感染症です。主に黄色ブドウ球菌という細菌が原因で発症し、適切な治療を行わないと命に関わるケースもあるため、注意が必要です。 感染しやすい部位は、頭部、顔面、手足などです。初期症状としては、かゆみのある小さな赤いブツブツが現れます。これは毛穴に細菌が感染することで起こり、毛包炎やせつといった状態です。 初期の段階では、患部は比較的軽い症状にとどまります。しかし、症状が進行すると、患部が赤く腫れ上がり、強い痛みを伴います。さらに、悪寒や発熱といった全身症状が現れることもあります。 重症化すると、患部から膿が出るようになり、周囲のリンパ節が腫れることもあります。また、細菌が血液中に入り込み、敗血症を引き起こす可能性もあります。敗血症は、様々な臓器に障害をもたらし、命に関わる危険性があります。 疫疔は、免疫力が低下している人や、糖尿病などの基礎疾患がある人は特に注意が必要です。また、不衛生な環境や、傷口からの細菌感染も、発症のリスクを高める要因となります。 少しでも異常を感じたら、自己判断せずに、速やかに医療機関を受診することが大切です。
漢方の診察

指先に現れる蛇頭疔とは?

{蛇頭疔とは} 蛇頭疔は、その名の通り、まるで蛇が頭を持ち上げたかのように指先が赤く腫れ上がり、激しい痛みを伴う病気です。 これは、指先に細菌が入り込み、炎症を起こすことで発症します。 細菌感染によって、患部には膿が溜まります。 腫れの中央部分が特に膿が溜まりやすく、その結果、周囲が赤く腫れ上がった中に、膿を持った部分が盛り上がって見えるため、蛇の頭のように見えるのです。 蛇頭疔は、放置すると症状が悪化し、指の機能に影響を及ぼす可能性もあります。 重症化すると、全身に細菌が回ることもあり、大変危険です。 そのため、早期に適切な治療を受けることが大切です。 蛇頭疔は、その見た目から不安になる方も多いかもしれませんが、適切な治療を行えば、多くは完治する病気です。 少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
その他

東洋医学における難治性のできもの「疔」

- 疔とは何か 疔とは、東洋医学の考え方で捉えた、皮膚の奥深くまで広がる、腫れ物であり、強い痛みを伴います。現代の医学では、毛嚢炎やせつといった、皮膚が細菌に感染した状態に当てはまります。 疔の特徴は、腫れの中心に、芯のような硬い部分があることです。この芯が、激しい痛みを引き起こす原因となっています。東洋医学では、この芯は、体内に溜まった「邪気」が固まったものだと考えられています。 一方、現代医学では、この芯は、膿が固まったものだとされています。 疔は、放置すると悪化し、周囲の組織にまで炎症が広がり、さらに強い痛みや腫れを引き起こす可能性があります。また、発熱などの全身症状が現れることもあります。そのため、早期に適切な治療を受けることが大切です。 東洋医学では、疔の治療には、主に「排膿」を促すことを目的とした漢方薬や鍼灸治療が行われます。 これは、体の外に邪気を排出することで、炎症を鎮め、症状を改善すると考えられています。
漢方の治療

健脾養血:血虚を改善する脾臓ケア

- 脾臓と血液の関係 東洋医学において、脾臓は西洋医学で考えられているような単なる臓器ではなく、生命活動の根幹を支える重要な役割を担うと考えられています。特に、飲食物から「気」と「血」を生み出す源と考えられており、健康な血液を作り出すためには欠かせない存在です。 脾臓は、食べたものを消化吸収し、そこから「気」と「血」を生成すると考えられています。「気」は生命エネルギー、「血」は血液そのものを指し、これらは全身を循環し、様々な機能を支えています。つまり、脾臓の働きが良い状態とは、効率よく「気」と「血」を生み出し、全身に十分に巡らせている状態と言えるでしょう。 逆に、脾臓の働きが弱まると、血を生み出す力が低下し、「気」や「血」の巡りも悪くなってしまいます。すると、顔色が悪くなる、疲れやすい、息切れしやすい、めまい、食欲不振、軟便といった、いわゆる「気血両虚」の症状が現れやすくなります。また、生理不順や生理痛といった婦人科系のトラブルにも繋がると考えられています。 このように、東洋医学では、脾臓は血液と密接な関係にあり、その働きを維持することが健康な血液を作り、全身にエネルギーを巡らせるために重要であると考えられています。
その他

螻蛄癤:頭部にできる複数の膿瘍

- 螻蛄癤とは -# 螻蛄癤とは 螻蛄癤(ろくしゅほ)は、頭にできる複数の膿瘍を指します。この病名は、土の中に巣穴を掘る昆虫である螻蛄(おけら)から来ており、膿を持った小さな吹き出物が、まるで螻蛄が土に掘った穴のように見えることに由来します。 螻蛄癤は、後頭部や側頭部に発症することが多く、皮膚の表面だけでなく毛根を含む皮下組織にまで炎症が広がるのが特徴です。そのため、患部は赤く腫れ上がり、強い痛みを伴います。初期症状としては、かゆみを感じる程度の軽いものもありますが、次第に痛みを伴うようになり、触れると強い痛みを感じます。 重症化すると、複数の吹き出物がつながって大きな腫れとなることもあります。また、発熱や患部近くのリンパ節が腫れることもあります。さらに症状が悪化すると、全身に影響が及ぶ敗血症や髄膜炎などを引き起こす可能性もあり、注意が必要です。 螻蛄癤は、細菌感染によって引き起こされます。そのため、患部を清潔に保ち、早期に適切な治療を受けることが大切です。自己判断で治療を行うことは避け、医療機関を受診するようにしましょう。
漢方の治療

健脾益氣:胃腸を元気に!

- 健脾益氣とは? 「健脾益氣」とは、東洋医学の考え方に基づいた治療法の一つです。 この言葉は、「脾(ひ)」の働きを健やかにし、「気」を補うという意味を持ちます。 東洋医学では、「脾」は食べ物を消化吸収し、そこから栄養やエネルギーを生み出す重要な臓器だと考えられています。 「脾」の働きが弱ってしまうと、食欲不振や消化不良、疲れやすくなるなどの症状が現れることがあります。 一方、「気」は生命エネルギーと捉えられ、全身を巡り、健康を保つために欠かせないものです。 「気」が不足すると、元気がなくなったり、免疫力が低下したりすると言われています。 「健脾益氣」は、食事療法や漢方薬などを用いることで、「脾」の働きを整え、「気」を補うことで、様々な不調を改善に導き、健康な状態へと導くことを目指します。
西洋医学との比較

褥瘡:寝たきりのリスクと予防

- 褥瘡とは 褥瘡は、同じ姿勢を長時間続けることで発生する皮膚の病気です。特に、寝たきりの方や車椅子を長時間利用される方など、身体の動きが制限されている方に多く見られます。 長時間、体重がかかり続けると、皮膚やその下の組織を走る血管が圧迫されます。すると、血液の流れが悪くなり、皮膚や組織に必要な栄養や酸素が行き渡らなくなり、細胞が壊死してしまうのです。これが褥瘡の始まりです。 褥瘡は、骨が出っ張っている部分に出来やすいという特徴があります。例えば、かかと、仙骨(おしりの上の部分)、くるぶし、ひじなどは、褥瘡ができやすい場所として知られています。 褥瘡は、初期の段階では皮膚が赤くなる程度ですが、悪化すると皮膚がえぐれ、潰瘍になったり、そこから細菌感染を起こしたりすることがあります。重症化すると、手術が必要になる場合もあります。そのため、褥瘡は早期発見、早期治療が重要です。
漢方の治療

胃腸を元気に!補脾のチカラ

- 補脾とは -# 補脾とは 「補脾」とは、東洋医学において、弱ってしまった脾の働きを補い、元気を取り戻すための治療法です。東洋医学では、脾は体全体の健康を保つために非常に重要な役割を担っているとされています。 私たちの体にとって欠かせない「気」や「血」を作り出す源である食べ物は、まず胃で消化され、その後、脾の働きによって全身に運ばれていきます。 脾は、食べ物から栄養を吸収し、それを「気」や「血」に変換して、体の隅々まで届けるという、いわば体のエネルギー工場のような役割を担っています。 しかし、様々な原因でこの脾の働きが弱ってしまうことがあります。例えば、不規則な食生活や冷たいものの摂り過ぎ、過労やストレス、そして生まれつきの体質などが原因として考えられます。 脾の働きが弱まると、食欲不振や消化不良、お腹の張り、軟便や下痢といった消化器系の症状が現れやすくなります。また、顔色が悪くなったり、疲れやすくなったり、息切れしやすくなったり、むくみやすくなるなど、様々な不調が現れることもあります。 こうした症状が見られる場合、東洋医学では「脾虚(ひきょ)」と診断し、「補脾」と呼ばれる治療法を用いて、弱った脾の機能を高めていきます。
慢性疾患

東洋医学が考える臁瘡: その原因と治療法

- 臁瘡とは何か -# 臁瘡とは何か 臁瘡とは、すねのあたりにできる、なかなか治らない傷のことです。皮膚の色が赤黒く変わり、ときには強い痛みやかゆみを感じることがあります。西洋医学では、静脈瘤などの血液循環が悪くなる病気や、糖尿病などが原因で起こると考えられています。 東洋医学では、臁瘡は体の表面に現れたサインと考えます。体の内側に何らかの不調があり、その影響が皮膚に現れていると捉えます。その原因は、体の中の水分代謝の乱れや、血の巡りの悪さなどが考えられます。 特に、「湿邪」と呼ばれる、体にたまった余分な水分が、臁瘡の発生と深く関わると考えられています。湿邪は、脾胃と呼ばれる消化器官の働きを弱らせることで発生し、血の巡りを悪くしたり、体に不要なものをため込んだりする原因となります。 臁瘡の治療には、体の内側から原因を取り除くことが重要です。東洋医学では、漢方薬や鍼灸を用いて、脾胃の働きを整え、湿邪を取り除き、血の巡りを良くすることで、体の内側から健康な状態へと導きます。そして、皮膚の再生を促し、臁瘡を根本から治癒することを目指します。