気虚

漢方の治療

元気の源、脾臓と胃を養う「補益中気」

- 補益中気を知る -# 補益中気を知る 「補益中気」とは、東洋医学における治療法の一つで、衰えた生命エネルギーである「気」を補い、体の機能を高めることを目的としています。 これは、ただ病気の兆候を抑えるのではなく、人間の持つ自然治癒力を高め、根本から健康な状態へ導くことを目指す点が特徴です。 特に、「補益中気」は体の土台となる「脾」と「胃」の働きを重視します。「脾」は飲食物から「気」を生み出し、全身に巡らせる役割を担い、「胃」は飲食物を受け入れて消化する役割を担います。これらの働きが弱まると、「気」が不足し、食欲不振、疲労倦怠感、下痢といった様々な不調が現れると考えられています。 「補益中気」では、これらの症状を改善するために、食事療法や生活習慣の改善に加えて、生薬を用いた漢方薬が用いられます。 漢方薬は、「脾」と「胃」の働きを温め、消化吸収機能を高めることで、「気」の産生を促します。その結果、体全体の活力が高まり、健康な状態へと導かれるのです。 「補益中気」は、病気の治療だけでなく、病気の予防や健康増進にも効果があるとされ、古くから人々に親しまれてきました。
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元気の源!補気生血のススメ

- 補気生血とは? 補気生血とは、東洋医学において、健康の根幹を支える「気」と「血」を補うことで、様々な不調を改善しようとする治療法です。「気」は、生命エネルギーそのものを指し、身体のあらゆる機能を維持する源と考えられています。一方、「血」は、全身に栄養を届け、潤いを与える役割を担っています。東洋医学では、この「気」と「血」は互いに影響し合い、密接な関係にあると考えられています。 「気」が不足すると、身体は活動するためのエネルギーを失い、疲れやすくなったり、元気がなくなったり、免疫力が低下したりします。また、「血」が不足すると、栄養が全身に行き渡らず、肌の乾燥や髪のパサつき、冷え性、めまいなどを引き起こすとされています。さらに、「気」が不足すると「血」を生み出す力が弱まり、「血」が不足すると「気」の巡りが悪くなるという悪循環に陥る可能性もあります。 補気生血では、食事療法や漢方薬を用いることで、身体の内側から「気」と「血」を補い、そのバランスを整えることを目指します。これにより、様々な不調を改善し、健康な状態へと導くと考えられています。
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生命の根源を支える:大補元氣

- 大補元氣とは何か 「大補元氣」とは、東洋医学における治療法の一つで、人の生命エネルギーである「氣」を補うことを目的としたものです。 特に、脈が弱く、指でほとんど感じられないほどの重度の「氣虚」の状態に用いられます。 「氣虚」の状態は、例えるなら、植物が太陽の光を十分に浴びることができず、枯れかけている状態に似ています。 葉は黄色く変色し、茎は細く弱々しく、花を咲かせる力もありません。 「大補元氣」は、このような状態に陥った植物に、太陽の光をふんだんに浴びせ、栄養豊富な土壌を与え、たっぷりと水を与えるように、生命の根源を力強く支え、再び力強く芽吹かせるための方法なのです。 漢方薬や鍼灸、食事療法など様々な方法を組み合わせて、「氣」を補い、身体のバランスを整えていきます。
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東洋医学における益気:気虚を補う

- 益気とは -# 益気とは 東洋医学では、万物は「気」という目に見えないエネルギーによって成り立っていると考えられています。そして、私たち人間の体にもこの「気」が流れており、生命活動の源となっています。この「気」が不足すると、体の様々な機能が低下し、様々な不調が現れると考えられています。 「益気」とは、まさにこの不足した「気」を補い、心身のバランスを整え、健康を回復・維持することを目的とした治療法です。具体的には、食事療法、生薬、鍼灸、気功など、様々な方法が用いられます。 「気」は、生命エネルギーであると同時に、私たちの感情や精神状態とも密接に関係しています。そのため、「気」が不足すると、体力低下だけでなく、精神的な不安定感、意欲の低下、不眠などの症状が現れることもあります。益気は、これらの症状を改善し、心身ともに健康な状態へと導く効果が期待できます。
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東洋医学における補気:気虚を改善する方法

- 補気とは -# 補気とは 「補気」とは、東洋医学において健康を保つ上で非常に重要な要素である「気」の不足を補い、本来の健康を取り戻すための治療法です。では、そもそも「気」とは一体どんなものでしょうか? 「気」とは、人間の生命活動を支えるエネルギーのようなものと考えられています。この「気」は、呼吸や消化、血液循環、体温調節など、私たちが生きていく上で欠かせない様々な機能を支えています。 しかし、様々な原因でこの「気」が不足してしまうことがあります。これが「気虚」と呼ばれる状態で、気虚になると、慢性的な疲労感や倦怠感、食欲不振、息切れ、冷えやすい、風邪を引きやすいなど、様々な不調が現れやすくなります。 そこで、東洋医学では「気」を補う「補気」という考え方が重要になります。補気を行うことで、不足した「気」を補い、弱った体の機能を回復させ、健康な状態へと導くことを目指します。 補気には、様々な方法があります。代表的なものとしては、「気」を補う効果の高い生薬を組み合わせた漢方薬の服用、身体を温め「気」の巡りを良くする食材を積極的に摂る食事療法、適度な運動や睡眠、ストレスを溜めないなど生活習慣の見直しなどがあります。これらの方法を組み合わせることで、より効果的に「気」を補い、健康な状態へと近づいていくことができると考えられています。
体質

東洋医学における脾気虚:その症状と対策

- 脾気虚とは -# 脾気虚とは 東洋医学では、生命エネルギーである「気」が全身を巡り、心身ともに健康な状態を保っているとされています。その「気」を作り出す源の一つが「脾」と呼ばれる臓腑です。現代医学の脾臓とは異なり、東洋医学における脾は、主に消化吸収機能を担い、食べ物から「気」を生成し、全身に運搬する役割を担っています。 脾気虚とは、この脾の機能が低下し、十分な「気」を生み出せなくなった状態を指します。現代医学の特定の病気とは一対一に対応しませんが、様々な不調を引き起こす原因の一つと考えられています。 脾気虚の原因としては、不規則な食生活、冷たい飲食物の過剰摂取、過労、ストレス、加齢などが挙げられます。 脾気虚になると、消化吸収機能が低下し、食欲不振、胃もたれ、軟便や下痢などを引き起こします。また、「気」が不足することで、全身にエネルギーが行き渡らなくなり、疲れやすさ、倦怠感、息切れ、めまい、顔色が悪くなるなどの症状が現れます。さらに、体内の水分代謝が滞り、むくみや冷え性を招くこともあります。 脾気虚を改善するには、生活習慣の見直しが大切です。特に、バランスの取れた食事を規則正しく摂ること、よく噛んで食べること、冷たい飲食物を控えることなどが重要です。また、十分な睡眠をとり、ストレスを溜めないようにすることも大切です。
体質

膽虛氣怯:不安と驚きやすさの背景

- 東洋医学における膽虛氣怯とは 東洋医学では、人間の心身は目に見える肉体だけでなく、「氣」と呼ばれる目に見えないエネルギーによって支えられていると考えられています。この「氣」は、全身をくまなく巡り、生命活動の源となる大切なものです。心身の健康を保つためには、この「氣」の流れが滞りなく、バランスが取れている状態が理想とされます。 「膽虛氣怯」は、この「氣」の中でも特に「胆気」が不足してしまうことで起こる状態を指します。胆気は、決断力や行動力、勇気などを司るとされており、精神的な強さに深く関わっています。 膽虛氣怯になると、些細なことにも驚きやすくなったり、不安や恐怖を感じやすくなったりします。また、物事を決断する際に迷いが生じやすく、優柔不断になりがちです。さらに、精神的な弱さから、めまいや不眠、消化不良といった身体症状が現れることもあります。 東洋医学では、心と体は密接に繋がっていると捉えられています。膽虛氣怯は、単なる気の持ちようの問題ではなく、体の内側から生じる不調として認識されています。
体質

東洋医学における「肝気虚」とは

- 「肝気虚」の概要 「肝気虚」とは、東洋医学において生命エネルギーと捉えられる「気」が不足することで、肝の働きが弱まっている状態を指します。 東洋医学では、目には見えない「気」が全身を巡り、心と体の活動の源となると考えられています。この「気」が不足すると、体の様々な機能が低下し、様々な不調が現れます。 特に肝は、「気」の流れをスムーズにする役割を担う重要な臓器です。そのため、「肝気虚」の状態になると、精神活動や情緒の調節、消化の促進、血液の貯蔵といった肝本来の機能が十分に発揮されなくなります。 その結果、イライラしやすくなったり、憂鬱な気分になったりするなど、情緒が不安定になりやすいです。また、食欲不振やお腹の張り、便秘といった消化不良の症状が現れたり、女性では生理不順や月経痛などが起こりやすくなったりすることもあります。 このように、「肝気虚」は様々な不調の原因となる可能性があるため、注意が必要です。
虚弱体質

心肺気虚:その原因と症状、東洋医学的アプローチ

- 心肺気虚とは -# 心肺気虚とは 東洋医学では、目には見えないけれど、私たちが生きていくために欠かせないエネルギーが存在すると考えられており、これを「気」と呼びます。この「気」は全身をくまなく巡り、生命活動を支えています。そして、「気」が充実している状態が健康であると考えられています。 「心肺気虚」とは、この大切な「気」が、心と肺という重要な臓器で不足している状態を指します。心臓は全身に血液を送り出す重要な臓器であり、精神活動にも深く関わっています。また、肺は呼吸を司り、体中に酸素を取り込む役割を担っています。 これらの臓器で「気」が不足すると、様々な不調が現れると考えられています。例えば、息切れや動悸、疲れやすい、食欲不振といった身体的な症状だけでなく、不安感や憂鬱感、不眠といった精神的な症状が現れることもあります。 心肺気虚は、過労や睡眠不足、偏った食事、ストレスなど、現代社会に溢れる様々な要因によって引き起こされると考えられています。
漢方の診察

気不化津とは?:東洋医学の観点から解説

- 気不化津の概要 気不化津とは、東洋医学において、体の隅々まで行き渡る生命エネルギーである「気」の働きが衰えることで、水分代謝が滞り、むくみや倦怠感、冷えなど、様々な不調が現れる状態を指します。 私たちの体は、食べ物から栄養を摂り、呼吸によって酸素を取り込むことで生命を維持しています。東洋医学では、これらの活動を行うためのエネルギー源を「気」と捉え、「気」が滞りなく全身に行き渡ることで、健康な状態が保たれると考えています。 この「気」の働きが弱まることを「気虚」と言いますが、気虚が起こると、体内の水分の生成、輸送、排出といった水分の代謝機能が正常に働かなくなります。その結果、体内に余分な水分が溜まりやすくなり、むくみやだるさ、冷えなどを引き起こすと考えられています。 気不化津は、梅雨時期の湿気や冷房による冷え、過労やストレス、冷たいものの摂り過ぎなどによって引き起こされやすいとされています。また、体質的に「気」が不足しやすい人や、加齢に伴い「気」の働きが衰えてきた場合にも、気不化津は起こりやすくなります。 東洋医学では、気不化津の改善には、「気」の働きを高め、水分の代謝を促すことが重要だと考えられています。
体質

気陰両虚:東洋医学における複合的な不調

- 気陰両虚とは 東洋医学では、心身ともに健康な状態を保つためには、「気」「血」「水」といった要素のバランスが非常に重要だと考えられています。これらの要素は互いに影響し合い、どれか一つでも不足したり偏ったりすると、体に不調が現れると考えられています。 その中でも、「気陰両虚」は生命エネルギーである「気」と、体を潤す「陰」の両方が不足している状態を指します。これは、気虚と陰虚という二つの状態が同時に起こっていることを意味し、より複雑な症状が現れることが特徴です。 「気」は、体を動かすエネルギー源となるものです。呼吸や血液循環、体温調節、代謝など、生命活動の根幹を支えています。一方、「陰」は体を潤し、栄養を与え、冷却する働きをします。体内の水分や栄養を保ち、過剰な活動を抑え、バランスを調整する役割を担っています。 気陰両虚の状態になると、気虚による倦怠感や食欲不振、息切れ、めまいなどの症状に加え、陰虚による口の渇き、のどの乾燥、肌の乾燥、ほてり、寝汗、便秘といった症状も現れます。 気陰両虚は、過労や睡眠不足、ストレス、偏った食事、加齢、慢性疾患などが原因で引き起こされると考えられています。症状が長引くと、さらに体のバランスを崩し、様々な不調につながる可能性もあるため、注意が必要です。
体質

気血両虚:その症状と対策

「気血両虚」とは、東洋医学において体の生命エネルギーである「気」と、血液そのものを指す「血」の両方が不足している状態を指します。 「気」は、人体を動かす根源的なエネルギーであり、成長や発育、体温調節、内臓の働きなどを支えています。一方、「血」は、全身に栄養を運び、潤いを与える役割を担っています。 この二つは、それぞれ独立した働きを持つと同時に、互いに密接に関係し合っています。「気」は「血」を生成し、全身に巡らせる力となり、「血」は「気」の源となると考えられています。 そのため、気血両虚の状態になると、体全体にエネルギーと栄養が行き渡らず、様々な不調が現れやすくなります。具体的には、顔色が悪くなる、疲れやすい、息切れしやすい、めまい、立ちくらみ、食欲不振、冷え性、生理不順などが挙げられます。 気血両虚は、過労や睡眠不足、偏った食事、ストレス、加齢、慢性疾患などによって引き起こされると考えられています。 東洋医学では、気血両虚の治療として、食事療法、漢方薬、鍼灸治療などを組み合わせて、「気」と「血」を補い、バランスを整えることを目的とします。
その他

東洋医学における「気脱」:その原因と症状

- 「気脱」とは何か? 東洋医学では、「気」という生命エネルギーが人間の体を巡っているとされています。この「気」は、目には見えませんが、人間の活動や生命維持に欠かせないものです。呼吸や食事から体に取り込まれ、全身に行き渡ることで、健康が保たれると考えられています。 この大切な「気」ですが、様々な原因によって体外に漏れ出てしまったり、体内で消耗してしまったりすることがあります。このような状態を東洋医学では「気脱」と呼びます。「気」が不足すると、体の様々な機能が正常に働かなくなり、様々な不調が現れると考えられています。 「気脱」は、激しい運動や過労、精神的なストレス、慢性的な病気、老化などによって引き起こされると考えられています。また、手術や出血、下痢、嘔吐などによっても「気」が失われ、「気脱」の状態に陥ることがあります。「気脱」の症状は、倦怠感、疲労感、息切れ、めまい、食欲不振、冷え性、顔面蒼白など、多岐にわたります。 「気脱」は、軽度の場合は、安静にすることで自然と回復することもありますが、重症化すると生命に関わることもあります。東洋医学では、「気」を補う治療法として、漢方薬の処方や鍼灸治療などが行われます。また、日常生活では、十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、「気」を養うことが大切です。
体質

中氣下陷:氣のバランスを崩した時の体のサイン

- 中氣下陷とは? -# 中氣下陷とは? 東洋医学では、生命エネルギーである「氣」が全身を巡り、様々な機能を支えていると考えられています。この「氣」の中でも、特に重要なのが「中氣」です。中氣は、体の真ん中にある「脾」という臓腑で作られ、全身に送られることで、内臓を正しい位置に保ったり、消化吸収を助けたり、体内の水分代謝を調整したりといった重要な役割を担っています。 しかし、様々な要因によって脾の働きが弱まると、この中氣が十分に作られなくなり、下腹部へと沈んでしまうことがあります。これが、「中氣下陷」と呼ばれる状態です。 中氣下陷が起こると、本来であれば中氣によって支えられている内臓が下垂し、様々な不調が現れます。例えば、胃や腸が下垂することで、食欲不振や消化不良、便秘、下痢などが起こりやすくなります。また、子宮や膀胱が下垂すると、頻尿や尿漏れ、子宮脱などの症状が現れることもあります。 さらに、中氣は、体内の水分代謝にも深く関わっています。中氣が不足すると、水分の代謝が滞り、むくみや冷え、だるさなどの症状が現れやすくなることもあります。 このように、中氣下陷は、私たちの健康に様々な影響を与える可能性のある状態です。
体質

気虚を理解する:気陷とその影響

- 気陷とは -# 気陷とは 東洋医学では、人が健康に生きていくためには、「気」と呼ばれる生命エネルギーが不可欠だと考えられています。この「気」が不足した状態を気虚といいますが、さらに悪化すると「気陷」と呼ばれる状態になることがあります。 気陷とは、その名の通り「気が沈んでしまう」状態のことです。これは、単に気力が減退している状態とは異なり、体の様々な機能に影響を及ぼす可能性のある、より深刻な状態といえます。 例えば、気は全身を循環し、内臓を正しい位置に保つ働きも担っています。そのため、気陷が起こると、胃や腸、子宮などの臓器が本来の位置から下垂してしまう「臓器脱」のリスクが高まります。また、気は体内の水分代謝にも関与しているため、気陷になるとむくみが生じやすくなることもあります。 さらに、気は精神活動にも深く関わっているため、気陷になると、気分の落ち込みや不安感、無気力感といった症状が現れることもあります。 このように、気陷は体の様々な面に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
体質

気虚血瘀:その原因と症状、改善策とは

- 気虚血瘀とは何か 東洋医学では、健康を保つために欠かせない要素として「気・血・水」という考え方を大切にしています。これらは互いに影響し合いながら、身体の様々な機能を支えています。その中でも「気」は、全身を巡り、生命活動を維持するためのエネルギーと考えられています。呼吸や血液循環、体温調節、消化吸収など、身体のあらゆる機能を支えているのが「気」なのです。 この「気」が不足した状態を「気虚」と言います。気虚になると、身体を動かすためのエネルギーが不足するため、疲れやすくなったり、息切れしやすくなったり、食欲不振に陥ったりします。また、顔色が悪くなったり、声が小さくなったりするのも気虚の特徴です。 一方、「血」は血液とその循環の働きを指し、全身に栄養や酸素を運ぶ役割を担っています。この「血」の流れが滞ってしまう状態を「瘀血(おけつ)」と言います。瘀血は、冷え性や肩こり、腰痛、生理痛、 menstrual cramps、しびれなどの原因となります。 「気虚血瘀」とは、この「気虚」と「瘀血」が同時に起こっている状態を指します。気虚によって血液を循環させる力が弱まり、その結果、瘀血が生じてしまうと考えられています。気虚血瘀の状態になると、気虚と瘀血、それぞれの症状が強く現れる傾向があります。例えば、疲労感や息切れ、食欲不振に加えて、冷えや痛み、しびれなどが生じやすくなります。
体質

気虚が招くお腹の張り: 気虚中満を理解する

- 気虚中満とは? -# 気虚中満とは? 「気虚中満」は、東洋医学の考え方で説明される体の状態の一つです。 東洋医学では、人は誰でも「気」と呼ばれるエネルギーのようなものを持っており、これが全身を巡り、体を動かしたり、温めたり、内臓の働きを支えたりしています。この「気」が不足した状態を「気虚」と言います。 一方、「中焦」とは、消化器系全体、特に胃腸の働きを指します。気虚中満は、この「気」が不足することで「中焦」の働きが弱まり、食べ物がうまく消化吸収されずに、みぞおちのあたりを中心にお腹全体に膨満感や張りを感じたり、お腹がゴロゴロと鳴ったりする状態を指します。 現代医学の用語では、「機能性ディスペプシア」や「過敏性腸症候群」といった病気が、気虚中満と共通する部分が多いと考えられています。これらの病気は、検査をしても胃や腸に明らかな異常が見つからないにも関わらず、胃もたれや腹痛、便秘や下痢といった症状が現れるのが特徴です。 気虚中満は、ストレスの多い現代社会において増加傾向にあると言われています。これは、過労や睡眠不足、不規則な食生活、精神的な緊張などが、「気」の不足を引き起こしやすいためだと考えられています。
体質

東洋医学における「気不攝血」とは

- 「気不攝血」の概要 「気不攝血」とは、東洋医学において、体の生命エネルギーである「気」が不足することで起こる、様々な出血症状を指す言葉です。 私たちの体は、常に「気」の働きによって健康が保たれています。「気」は全身を巡り、様々な機能を支えているのです。その働きの一つに、「血」を統制するというものがあります。 「気」は「血」を血管内にしっかりと収め、正常な状態に保つ力を持っています。 しかし、何らかの原因で「気」が不足してしまうと、この力が弱まってしまい、「血」が血管の外に漏れ出てしまうことがあります。これが「気不攝血」と呼ばれる状態です。 「気不攝血」になると、鼻血、歯茎からの出血、あざができやすい、生理が長引く、血便が出るなど、様々な出血症状が現れます。 また、出血以外にも、顔色が蒼白になる、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、疲労感といった症状が現れることもあります。 「気不攝血」は、決して軽視すべき状態ではありません。放置すると、貧血が悪化したり、他の病気を引き起こす可能性もあります。もしも、心当たりのある症状がある場合は、早めに専門医に相談することをおすすめします。
体質

気虚不摂:身体を支える「気」の力不足とは

- 生命エネルギー「気」の役割 東洋医学では、「気」という目には見えないエネルギーが、私たちの体の中を川のように絶えず流れ、心身のあらゆる活動を支えていると考えられています。まるで植物が太陽の光を浴びて成長するように、私たち人間もこの「気」を体に取り込むことで、健康な状態を保つことができるとされています。 では、この「気」はどのようにして作られるのでしょうか?大きく分けて、三つの源があります。一つ目は、呼吸によって取り込まれる空気の「気」です。澄んだ空気の中に身を置くことで、新鮮な「気」を体内に取り込むことができます。二つ目は、私たちが毎日食べる食べ物から作られる「気」です。バランスの取れた食事を摂ることで、体内で良質な「気」が生み出されます。そして三つ目は、両親から受け継いだ、生まれながらにして持っている「気」です。 「元気」や「やる気」という言葉があるように、「気」は私たちの心の状態とも深く関わっています。「気」が充実していると、心も満たされ、活力が湧いてきます。反対に、「気」が不足すると、気力や体力が低下し、体調を崩しやすくなるだけでなく、精神的にも不安定になりやすいと言われています。このように、「気」は私たちの心と体の両方に影響を与える、健康を保つ上で欠かせない要素なのです。
体質

東洋医学における「気虚」とは?

- 「気」の重要な役割 東洋医学では、私たちの体を動かすエネルギーとして「気」というものをとても大切に考えています。この「気」は、目には見えませんが、全身をくまなく巡り、体の様々な働きを支えていると考えられています。 では、この「気」は一体どこから来るのでしょうか? 私達が毎日吸っている空気や食べている物から「気」は作られます。そして、作られた「気」は、体の中で熱を生み出したり、栄養を体の隅々まで届けたり、不要なものを体の外に出したりするなど、様々な働きをしています。 「気」は、例えるなら、車を動かすためのガソリンのようなものです。 車がガソリンなしでは走れないように、私たちの体も「気」がなければ、健康的に過ごすことはできません。呼吸をするのも、ご飯を食べて栄養にするのも、暑さ寒さを感じて体温を調節するのも、全て「気」の働きによるものなのです。 このように、「気」は私達が元気に生きていく上で欠かせない、とても大切なものなのです。
アレルギー

体の防御システム「衛気」の弱体化とは?

- 衛気とは何か? 東洋医学では、目には見えないエネルギーが体の中を巡っているとされ、そのエネルギーの一つを「気」と呼びます。気は、私たちが生きていくための源であり、呼吸や消化、血液の循環など、様々な生命活動の根底を支えています。 この気の中でも、「衛気」は体を守る重要な役割を担っています。まるで、城を守る勇敢な兵士のように、体の表面を常に巡回しています。そして、外から侵入してくる風邪やウイルスなどの病原体、寒さや暑さといった気温の変化、乾燥や湿気など、体に悪影響を及ぼす可能性のあるものから、私たちを守ってくれているのです。 西洋医学でいうところの「免疫力」と似ていると表現されることも多いですが、衛気は単に病原体を排除するだけでなく、外部環境の変化から体を守るという、より広範囲な防衛システムと言えるでしょう。 この衛気が充実していれば、私たちは病気にかかりにくく、健康な状態を保つことができます。逆に、衛気が不足すると、風邪を引きやすくなったり、疲れやすくなったり、体が冷えやすくなったりと、様々な不調が現れやすくなってしまいます。
漢方薬

毎日の暮らしに:補気薬のススメ

- 補気薬とは -# 補気薬とは 東洋医学において、「気」とは、人間の生命活動を支える目に見えないエネルギーのことを指します。この「気」は、私たちの身体を温めたり、栄養を体の隅々まで行き渡らせたり、さらには、病気から身を守るといった重要な役割を担っています。まるで、私たちが活動するための“元気の源”のようなものと言えるでしょう。 しかし、過労やストレス、睡眠不足、偏った食事など、現代社会には気を消耗してしまう原因が多く潜んでいます。気が不足すると、身体は正常に機能しなくなり、様々な不調が現れ始めます。例えば、疲れやすくなったり、風邪をひきやすくなったり、食欲がなくなったり、やる気が起きないといった状態に陥ります。 このような気の不足を補い、健康な状態へと導くために用いられるのが「補気薬」です。補気薬は、自然界に存在する生薬から作られ、身体に優しく作用しながら、弱った気を補い、元気を取り戻す効果が期待できます。補気薬は、単独で用いられることもあれば、他の漢方薬と組み合わせて効果を高めることもあります。 つまり、補気薬は、現代社会の様々なストレスに晒され、疲れを感じやすい私たちにとって、心強い味方と言えるでしょう。
漢方の診察

東洋医学が考える「口淡」の原因と対策

口淡とは、東洋医学において、味覚が薄れてしまう状態を指す言葉です。まるで霧がかかったように、何を食べても味がぼやけて感じられ、本来の美味しさを味わうことができません。 この状態は、一時的なものから慢性的なものまで様々ですが、単なる味覚の問題にとどまらず、体の不調のサインである可能性も示唆されています。 口淡は、食欲不振を引き起こし、食事量が減ることで、体に必要な栄養が不足してしまう恐れがあります。また、食事が楽しめないことから、精神的なストレスを感じやすくなり、気分の落ち込みや意欲の低下に繋がってしまうこともあります。 東洋医学では、口淡は、体の水分代謝の乱れや、胃腸の機能低下、気の流れの滞りなどが原因だと考えられています。 そのため、口淡を改善するためには、生活習慣の見直しや、体質に合った食事療法、漢方薬の服用などが有効とされています。自己判断で対処するのではなく、専門家の指導を受けるようにしましょう。
漢方の診察

東洋医学が考える「頭重脚軽」とは?

- 「頭重脚軽」の意味 「頭重脚軽」とは、その名の通り頭部に重だるい感覚があり、足の方は軽くてフワフワと地に足がついていないような感覚を指します。まるで頭の中に霧が立ち込め、思考が鈍くなったり、ボーッとしたり、スッキリしない状態です。東洋医学では、この状態は単なる一時的な感覚ではなく、身体のバランスが崩れているサインと捉えられています。 東洋医学では、気・血・水のバランスが健康を維持するために重要と考えられています。 「気」は生命エネルギー、「血」は血液とその循環、「水」は体液を指し、これらが滞りなく全身を巡っている状態が理想です。 「頭重脚軽」は、「気」や「血」が上半身、特に頭に偏り、下半身が不足している状態を示していると考えられています。その結果、頭部に熱がこもり、重だるい感覚が生じます。同時に、下半身への「気・血」の流れが悪くなるため、足腰は冷えやすく、力が入りにくいと感じます。 このような状態は、過労や睡眠不足、ストレス、不摂生などによって自律神経のバランスが乱れ、「気・血・水」の循環が滞ることが原因として挙げられます。 また、デスクワークなどで長時間同じ体制を続けることや、運動不足なども「気・血」の巡りを悪くする要因となります。