東洋医学における『下気』:逆流する気を整える
- 『下気』とは何か
東洋医学では、人間の身体には『気』と呼ばれる生命エネルギーが流れており、この『気』の流れがスムーズであることが健康を保つためにとても重要だと考えられています。
この『気』は、全身を循環していますが、その流れには様々な種類があり、その一つに『下気』と呼ばれるものがあります。
『下気』とは、肺や胃に存在する『気』が、重力に従って上から下へと下降していく自然な流れのことを指します。
呼吸をする際には、まず肺に空気を吸い込みますが、この時、肺にある『気』も同時に取り込まれます。そして、この『気』が下がる力によって、吸い込んだ空気を体全体に行き渡らせたり、食べたものを胃で消化しやすくしたりするのです。
つまり、『下気』は、私たちが生きていく上で欠かせない呼吸や消化吸収といった重要な体の機能を支えるために、無くてはならない働きをしていると言えるでしょう。