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漢方薬

東洋医学における固澁薬の役割

- 固澁薬とは-# 固澁薬とは人間の体は、汗や尿、便、女性であれば経血など、様々なものを体外に出すことで、健康を保っています。 しかし、体力が落ちたり、病気によって体の働きが弱ってしまうと、これらの排出が過剰になったり、反対に出にくくなってしまったりして、体のバランスが崩れてしまうことがあります。このような状態を改善するために用いられるのが、東洋医学における-固澁薬-です。固澁薬は、その名の通り、体の様々な分泌物や排出物を抑える働きを持つ生薬のことを指します。例えば、汗が出過ぎる場合は、体の水分を保つ力を高めることで発汗を抑え、下痢が続く場合は、腸の働きを整えて便通を改善します。また、頻尿や夜尿症などの症状に対しても、尿の出方を調整することで改善を目指します。固澁薬は、単独で用いられることは少なく、他の生薬と組み合わせて、その人の体質や症状に合わせて処方されます。 東洋医学では、病気の原因や症状、体質などを総合的に判断して治療を行うため、同じような症状であっても、使用する生薬やその配合は異なります。固澁薬は、正しく使えば、体のバランスを整え、健康な状態へと導く力を持っています。しかし、自己判断で服用することは大変危険です。体の不調を感じた場合は、必ず専門家の診断を受けて適切な治療を受けるようにしましょう。
慢性疾患

東洋医学が考える痴呆:心身の不調和から生じる影

- 痴呆とは何か痴呆とは、年齢を重ねるにつれて脳の働きが衰え、日常生活に支障が出てしまう状態を指します。単に年齢を重ねることで起こるものとは異なり、脳の細胞が損傷を受けたり、働きが弱まることで、様々な症状が現れます。記憶力や思考力の低下は、痴呆の代表的な症状です。例えば、昨日の夕食を思い出せなかったり、簡単な計算ができなくなったりすることがあります。また、判断力や理解力の低下も見られます。状況を正しく判断することが難しくなったり、周囲の人との会話が理解しづらくなったりするなど、社会生活に影響が出ることもあります。さらに、感情のコントロールが難しくなることもあります。些細なことで怒りっぽくなったり、逆に無気力になったりすることがあります。進行すると、時間や場所が分からなくなる「見当識障害」や、周囲の人を認識できなくなるなどの症状が現れることもあります。痴呆は、決して他人事ではありません。高齢化が進む現代社会において、誰もが罹患する可能性のある病気です。日頃から脳を活性化させ、健康的な生活を心がけることが大切です。
その他

東洋医学における中風:中腑

- 中腑とは中腑とは、東洋医学の古い文献に登場する、重度の半身不随を指す言葉です。現代医学でいう脳卒中の一部と重なる部分もありますが、完全に一致するわけではありません。中腑は、体の片側に力が入らなくなる、いわゆる半身不随だけでなく、意識障害や言語障害といった、より深刻な症状を伴う場合もあるとされています。東洋医学では、人体を流れる「気・血・水」のバランスが崩れることで、様々な病気が引き起こされると考えられています。中腑も、この気・血・水の乱れによって引き起こされると考えられており、特に「中気」と呼ばれる、突然発症する病気の一つとして位置付けられています。中気は、強い感情の起伏や、過労、暴飲暴食などが引き金となって発症するとされ、中腑も同様に、これらの要因が重なることで発症リスクが高まると考えられています。中腑は、命に関わることもある深刻な病気であり、東洋医学では、その予防が非常に重要視されています。日頃から、バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動を行い、十分な睡眠をとるなど、健康的な生活習慣を維持することが、中腑の予防に繋がると考えられています。
その他

中経:半身不随を伴う軽度の中風とは

{中経}とは、東洋医学の古典である『黄帝内経』に記された病名の一つで、現代医学でいう脳卒中、特に比較的症状の軽い脳梗塞に当てはまります。中経は、突然発症し、身体の片側に力が入らなくなったり、感覚が鈍くなったりする症状が現れます。顔の半分が麻痺して歪んだり、呂律が回らなくなったり、言葉が出てこなくなることもあります。意識は保たれていることが多く、患者自身も自分の異変に気づきます。西洋医学では、主に血栓によって脳内の血管が詰まることが原因だと考えられています。一方、東洋医学では、気血の流れの滞りが中経を引き起こすと考えられています。中経は、適切な治療を行えば後遺症が残りにくい病気とされています。早期発見、早期治療が重要です。
慢性疾患

知っておきたい中風後遺症

- 中風後遺症とは-# 中風後遺症とは中風後遺症とは、脳卒中によって脳が損傷を受けた後、様々な機能障害が残ってしまう状態を指します。脳卒中は、脳内の血管が詰まったり破れたりすることで、血液の流れが途絶えてしまい、脳細胞がダメージを受けてしまう病気です。その結果、身体の半分が麻痺したり、言葉がうまく話せなくなったり、意識がもうろうとしたりするなど、様々な症状が現れます。後遺症の程度は、脳のどの部分がどれくらいの範囲で損傷を受けたのか、発症から治療開始までどれくらい時間がかかったのか、そしてその後のリハビリテーションがどの程度進んでいるのかといった要因によって個人差が大きく、日常生活にほとんど支障がない軽度の場合もあれば、歩くことも話すことも困難になり、介護が必要になってしまう重度の場合もあります。中風後遺症では、身体的な麻痺以外にも、感覚障害、言語障害、視覚障害、記憶障害、注意障害、感情の不安定さ、抑うつ状態といった様々な症状が現れる可能性があります。これらの症状によって、日常生活における動作やコミュニケーション、仕事や趣味などの活動に制限が生じ、生活の質が低下してしまうケースも少なくありません。
漢方の診察

見逃さないで!中風の前兆症状

- 中風前兆症とは-# 中風前兆症とは脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳に障害が起こる病気を、「中風(脳卒中)」と言います。中風は、突然発症して命に関わることもある恐ろしい病気というイメージがありますが、実は発症前に様々な兆候が現れることがあります。これを「中風前兆症」と呼びます。中風は、後遺症が残ってしまう可能性も高い病気です。そのため、後遺症を最小限に抑えるためには、早期発見と早期治療が何よりも重要になります。中風を未然に防ぐためには、前兆症を知っておくことが非常に大切です。中風前兆症には、以下のような症状が挙げられます。* 顔や手足の麻痺やしびれ左右どちらか一方だけに起こることが多い* ろれつが回らない、言葉が出にくい* 激しい頭痛* めまい、ふらつき* 視野が狭くなる、物が二重に見えるこれらの症状は一時的なものが多く、数分から数時間で治まってしまう場合もあります。しかし、「気のせい」と安易に考えてはいけません。これらの症状が現れたら、中風の危険性があることを認識し、すぐに医療機関を受診しましょう。中風は、生活習慣病が大きく関係しています。普段からバランスの取れた食事、適度な運動、禁煙などを心がけ、生活習慣を改善することで、中風を予防することができます。また、定期的な健康診断を受けることも大切です。
漢方の診察

朝食暮吐:逆流性食道炎のサイン?

- 朝食暮吐とは?朝食暮吐とは、読んで字のごとく、朝食べたものが夕方になってから吐き戻される症状を指します。単に食べ過ぎたり、食あたりを起こしたりした時とは異なり、食後しばらく時間が経ってから、特に夕方以降に起こるのが特徴です。食べたものが消化されずに胃の中に残っているような感覚を伴うこともあり、吐き気や胸やけを訴える人もいます。胃の不快感から、食欲が低下し、食事の量が減ってしまうこともあります。原因はまだはっきりとは解明されていませんが、自律神経の乱れやストレス、食生活の乱れなどが関係していると考えられています。また、逆流性食道炎や胃下垂などの消化器疾患が隠れている可能性もあるため、症状が続く場合は医療機関を受診することが大切です。
漢方の治療

東洋医学における治法:治療の原則

- 治法とは-# 治法とは東洋医学における「治法」とは、病気の治療にあたって、どのような考え方で、どのような方法を用いるかを示した、基本的な指針となるものです。これは単に、ある病気にはこの治療法を、と決まった方法を当てはめるのではなく、病気の原因や患者の体質、その時の状態などを総合的に判断した上で、最も適した治療戦略を立てるための体系といえます。西洋医学で例えるならば、手術や薬物療法、放射線療法といった、治療法のカテゴリーに相当すると言えるでしょう。しかし、治法は単なる治療技術の分類ではなく、自然の力を取り入れながら、人間の持つ自然治癒力を最大限に引き出すことを目的とした、東洋医学ならではの、より包括的な治療の考え方を表しています。
血液

東洋医学における『瘀血』とは?

- 『瘀血』の定義東洋医学では、健康な状態を保つためには、体内に存在する「気・血・水」と呼ばれる要素が滞りなく巡っていることが重要だと考えられています。そして、このうち「血」の巡りが悪くなり、体内の特定の場所に滞ってしまう状態を『瘀血(おけつ)』と呼びます。西洋医学では、血液検査によって貧血や炎症などを数値として捉えることができますが、『瘀血』はそうした具体的な病名に対応するものではありません。これは、東洋医学独自の考え方に基づいたものです。『瘀血』は、まるで川の流れが滞ってしまうように、体内の様々な場所に影響を及ぼすと考えられています。例えるなら、肩や腰の痛み、冷え性、生理痛、肌のくすみ、精神的なイライラなど、一見すると関係ないように思える症状も、『瘀血』が原因で引き起こされている可能性があります。つまり、『瘀血』は、体からのサインを見逃さずに、根本的な原因を探ることの重要性を示唆していると言えるでしょう。
漢方の治療

東洋医学における治標:その役割と重要性

- 治標とは何か東洋医学では、病気や不調の原因を根本から取り除く治療を重視します。しかしそれと同時に、目に見える症状を和らげることにも目を向けてきました。この、つらい症状を一時的に抑え、楽にする治療のことを「治標」と呼びます。例えば、風邪をひいて熱が出てしまったとします。この時、熱を下げるために解熱剤を飲むのは治標に当たります。解熱剤は、風邪の原因であるウイルスを退治するわけではありません。しかし、高熱によって体力が奪われたり、体への負担が大きくなるのを防ぐ効果があります。西洋医学では、検査をして原因を特定し、その原因を取り除く治療を行うことが多いです。一方、東洋医学では、病気の原因は一つとは限らないと考えます。体質や生活習慣、環境などが複雑に絡み合って症状が現れると考えられており、根本的な原因を突き止めることが難しい場合もあります。そこで、東洋医学では根本治療と並行して治標を行うことがあります。これは、つらい症状を和らげながら、体質改善や生活習慣の見直しなど、根本治療の効果を高めることを目的としています。このように、東洋医学において治標は、根本治療と相補的な役割を担っていると言えるでしょう。
漢方の治療

根本治療:東洋医学の真髄

- 東洋医学の考え方東洋医学は、古代中国で生まれた伝統医学であり、病気や健康に対する独自の見解を持っています。西洋医学では、病気の原因を特定の病原菌や遺伝子、細胞レベルの異常などに求めることが多い一方で、東洋医学では、人間の身体をひとつの宇宙と考え、心と身体、そして周囲の環境との調和が重要だと考えられています。東洋医学では、病気は単に身体の一部に異常が生じている状態ではなく、心や身体、そして環境との間のバランスが崩れた状態だと捉えます。たとえば、過労やストレス、不眠、偏った食事、季節の変化などが、身体のバランスを崩し、様々な不調を引き起こすと考えられています。このような考え方に基づき、東洋医学では、病気の症状だけを抑えるのではなく、根本的な原因を探り、心身のバランスを整えることで、自然治癒力を高め、健康を回復することを目指します。そのために、鍼灸治療や漢方薬の処方、食事や生活習慣の指導など、一人ひとりの体質や状態に合わせた総合的な治療が行われます。
漢方の診察

中焦病証:流行性熱病における重要な局面

- 中焦病証とは-# 中焦病証とは中焦病証とは、主に急性の熱性疾患に見られる、体の中心部分の不調を指します。東洋医学では、人体の上部を上焦、中央部を中焦、下部を下焦と三分し、それぞれに異なる機能を割り当てています。中焦は主に消化吸収を担う胃と脾の働きを指し、飲食物から気や血を生み出す、人体にとって重要な場所です。この中焦の働きが、風邪や暑さ、湿気などの外邪、あるいは過労や不摂生といった内的な要因によって損なわれることで、様々な不調が現れます。これが中焦病証と呼ばれるものです。具体的には、食欲不振や消化不良、腹部膨満感、倦怠感、軟便や下痢などが挙げられます。これらの症状は、中焦の働きが弱まり、飲食物をうまく消化吸収できない状態、つまり「脾胃虚弱」の状態を示していると考えられています。中焦病証は、あくまで病状の変化を表すものであり、西洋医学の特定の病名に対応するものではありません。そのため、中焦病証と診断された場合には、他の症状や体質、生活習慣なども考慮しながら、総合的に判断していく必要があります。
女性の悩み

東洋医学が考える乳房疼痛

- 乳房疼痛とは乳房疼痛とは、読んで字のごとく、乳房に感じる痛みのことを指します。多くの女性が経験する症状であり、その痛み方は人によって様々です。鈍い痛みや締め付けられるような痛みを感じることもあれば、まるで針で刺すような鋭い痛みを感じることもあります。また、痛みが乳房全体に広がる場合もあれば、一部分だけに限られる場合もあります。乳房疼痛の原因は一つではありません。 女性ホルモンのバランスと密接な関係があり、生理周期に合わせて痛みが現れたり、強くなったりすることがあります。特に、生理が始まる約1週間前から生理中にかけては、プロゲステロンというホルモンの影響で乳腺が張って痛みを感じやすくなります。 また、ストレスや不眠、過労などもホルモンバランスを乱し、乳房疼痛の原因となることがあります。食生活の乱れやカフェインの過剰摂取、体を締め付ける下着の着用なども、乳房の痛みを悪化させる要因として挙げられます。乳房疼痛は多くの場合、深刻な病気ではありません。 しかし、症状が重い場合や長引く場合は、乳腺炎や乳がんなどの病気が隠れている可能性も否定できません。自己判断せず、医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切です。
漢方薬

奥深い漢方の世界:中藥とは?

- 中藥とは何か-# 中藥とは何か中藥とは、中国に古くから伝わる伝統医学に基づき、病気の治療や健康維持のために用いられる薬のことです。その多くは植物を起源とし、鉱物や動物由来のものも一部含まれます。長い歴史の中で培われた経験と知識に基づき、自然界の恵みを最大限に活用するのが特徴です。中藥は、単一の成分で使われることは少なく、複数の生薬を組み合わせて用いることがほとんどです。これは、それぞれの生薬が持つ異なる性質を組み合わせることで、より高い効果を狙うためです。この組み合わせや配合の割合は、経験に基づいた伝統的な処方が数多く存在します。中藥の特徴として、体質や症状に合わせて処方を変えられる「辨証施治」という考え方があります。同じ病気であっても、体質や症状によって適切な中藥は異なります。そのため、患者一人ひとりの状態を丁寧に観察し、最適な生薬を選び出し、組み合わせることが重要です。また、中藥は自然の恵みを活かしているため、一般的に副作用が少ないとされています。しかし、体質や他の薬との飲み合わせによっては、副作用が出る可能性もゼロではありません。そのため、自己判断で服用せず、必ず専門家の指導を受けるようにしましょう。中藥は、西洋医学とは異なる視点から健康を捉え、心身のバランスを整えることを目指します。現代社会においても、その長い歴史と経験に基づいた知恵は、私たちの健康を支える一助となるでしょう。
その他

東洋医学から見る乳蛾:その原因と治療法

- 乳蛾とは乳蛾とは、東洋医学で用いられる言葉で、主に口の中の奥の上の方にある扁桃という部分が炎症を起こした状態を指します。西洋医学では「急性扁桃炎」と呼ばれるものにあたり、特にまだ体の機能が発展途上の乳幼児に多く見られます。乳蛾の名前の由来は、扁桃が炎症を起こして腫れ上がった時に、その表面が乳白色や黄白色の膿のような分泌物で覆われることにあります。その様子が、まるで蛾の羽のように見えることから、乳蛾と呼ばれるようになったのです。乳蛾は、喉の痛みや発熱、倦怠感などを伴うことが多く、炎症がひどい場合には、物を飲み込むのも困難になることがあります。また、扁桃の腫れが強くなると、呼吸がしづらくなることもあり、注意が必要です。東洋医学では、乳蛾の原因は、風邪などの外感邪気や、暴飲暴食、疲労などによる体の抵抗力の低下によって、体内に熱がこもった状態であると考えられています。そのため、乳蛾の治療には、熱を取り除き、体の抵抗力を高める漢方薬や鍼灸治療などが用いられます。乳蛾は、適切な治療を行えば、通常は数日で症状が改善されます。しかし、重症化すると、周囲の組織に炎症が広がり、膿瘍(のうよう)を形成することがあります。さらに悪化すると、敗血症などの命に関わる合併症を引き起こす可能性もあるため、早期に適切な治療を受けることが大切です。
漢方の診察

命に関わる熱病:血分証を理解する

- 血分証とは-# 血分証とは東洋医学では、人間の身体を流れる血液とその働きを非常に重要視しており、「血(けつ)」は単なる赤い液体ではなく、生命エネルギーそのものを指すと考えられています。この「血」が何らかの原因で正常に機能しなくなった状態を「血分病変」と呼びますが、その中でも最も重篤な状態が「血分証」です。血分証は、例えるならば、体の防衛力が完全に崩壊し、生命の炎が今にも消えそうな状態を指します。現代医学の視点からは、高熱を伴う重症感染症の末期や、制御不能な出血が続く敗血症、複数の臓器が機能不全に陥った多臓器不全などが、血分証に当てはまります。血分証の特徴的な症状としては、高熱が続く、大量の出血傾向、そして意識障害などが挙げられます。これらの症状は、いずれも生命の危機に直面しているサインであり、東洋医学、現代医学の両面から見ても、緊急の治療が必要な状態であると言えます。
血液

東洋医学における「血分」とは

- 身体の奥深くにある「血分」東洋医学では、身体の表面から深部までの層を「表」「裏」「血分」の3つに分け、病邪の進行段階や病状を判断する際に用いられます。このうち「血分」は、身体の最も深い場所に位置する層を指します。例えるなら、川の流れで言うと川底に当たる部分です。生命の根源である「血」と密接な関係があり、栄養状態や精神状態とも深く関わっています。「血」は、全身に栄養を運び、潤いを与える重要な役割を担っています。「血分」に病邪が侵入すると、慢性的な病気や重症化した状態になっていると考えられます。例えば、めまいや動悸、不眠、物忘れ、生理不順、肌の乾燥やシワ、髪の毛のパサつきなど、様々な症状が現れる可能性があります。これらの症状は、「血」の不足や循環不良が原因で起こると考えられています。「血」が不足すると、身体の各組織に十分な栄養や酸素が行き渡らなくなり、様々な機能が低下します。また、「血」の循環が悪くなると、老廃物が溜まりやすく、身体の冷えやむくみにも繋がります。「血分」の病気を改善するには、生活習慣の改善が重要です。バランスの取れた食事を心がけ、「血」の材料となる栄養を補いましょう。また、質の高い睡眠を十分に取ることで、「血」の生成を促します。さらに、適度な運動は、「血」の循環を促進する効果が期待できます。
鍼灸

直接灸:皮膚に感じる熱で身体を温める

{直接灸とは、ヨモギの葉を乾燥させて作った艾(もぐさ)と呼ばれるものを円錐形に成形した艾炷(がいしゅ)に火をつけ、身体のツボである経穴(けいけつ)に直接熱を伝える灸療法の一つです。お灸と聞いて多くの方がイメージするのは、この直接灸ではないでしょうか。皮膚に直接熱を加えるため、施術中はチクチクとした熱さを感じます。熱さに弱い方や、初めての方は少し刺激が強く感じるかもしれません。直接灸は、熱の刺激によって血行を促進したり、免疫力を高めたり、身体を温める効果があるとされています。冷え性や肩こり、腰痛、婦人科系の悩みなど、様々な症状に効果が期待できます。直接灸は、やけどのリスクがあるため、必ず専門家の指導のもと、適切な方法で行うようにしてください。
漢方の診察

視界を脅かす血翳包睛とは

- 血翳包睛とは-# 血翳包睛とは血翳包睛は、眼球の表面を覆う透明な膜である角膜に、本来あるべきでない血管が入り込んでしまう病気です。角膜は、カメラのレンズのように、外界の光を集めて眼球の中へ通す役割をしています。 健康な状態の角膜は、血管が通っていない透明な組織です。 しかし、血翳包睛になると、角膜の周辺部分から新生血管と呼ばれる新しい血管が伸びてきてしまいます。 これらの血管は、角膜の透明性を損ない、視界をぼやけさせてしまうのです。 例えるなら、透明で綺麗なガラス窓に、赤い線が入り込んでいくイメージです。 窓に線が入り込むと、光が遮られ、景色が見えにくくなってしまいますよね。 血翳包睛も同様に、角膜に血管が侵入することで、視界が妨げられてしまうのです。
漢方の診察

お腹のゴロゴロ音: 腸鳴の正体

- 腸鳴とは?「お腹が鳴る」「お腹がぐーぐー鳴る」といった表現を使うように、誰でも一度はお腹から音が鳴るのを経験したことがあるのではないでしょうか。これは医学用語では-腸鳴-と呼ばれ、お腹の中でゴロゴロ、キュルキュルと音が鳴る現象を指します。腸鳴は決して特別な現象ではなく、誰にでも起こりうるものです。むしろ、健康な証拠である場合も多く、必要以上に心配する必要はありません。では、なぜお腹から音が鳴るのでしょうか?私たちの腸は、食べたものを消化し、体に必要な栄養を吸収するために、常に活発に動いています。この動きによって、腸内にガスや水分が発生し、これらが移動する際に腸壁と触れ合い、音が発生します。これが腸鳴の正体です。空腹時にお腹が鳴りやすいのは、胃が空っぽになり、腸を活発に動かそうとするホルモンが分泌されるためです。また、緊張したり、ストレスを感じたりする場面でも、自律神経の影響で腸の動きが活発になり、腸鳴が起こりやすくなります。このように、腸鳴は主に生理現象によるものであり、ほとんどの場合、心配する必要はありません。しかし、下痢や便秘、腹痛などの症状を伴う場合は、病気の可能性も考えられます。気になる症状がある場合は、自己判断せず、医療機関を受診しましょう。
漢方の診察

東洋医学における血輪の考察

- はじめに東洋医学は、数千年の歴史を持つ伝統的な医療体系です。西洋医学とは異なる視点から人間の身体を捉え、心と身体、そして周囲の自然環境との調和を重視するのが大きな特徴です。その実践方法は多岐に渡り、鍼(はり)やお灸、漢方薬の服用、気功、食養生など、様々な方法が現代社会においても広く受け入れられています。本稿では、東洋医学における重要な概念の一つである「血輪」について詳しく解説していきます。血輪とは、目の角、特に下まぶたの裏側に現れる静脈性血管のことを指します。東洋医学では、この血輪は単なる血管ではなく、健康状態や病気の兆候を判断するための重要な指標の一つと考えられています。血輪の色や形状、状態を注意深く観察することで、体内の「気」や「血」の巡り、そして内臓の働きを推察することができます。その結果に基づき、病気の予防や治療に役立てていくのです。
その他

東洋医学における熱感測定

- 熱感とは東洋医学では、体の温かさや冷たさを感じる感覚を「熱感」と呼びます。これは、単に体温計で測る体温の高さ低さとは異なり、体の中を流れるエネルギー「気」の流れやバランス状態を反映していると考えられています。例えば、体温が平熱であっても、体が冷えて感じる「冷え症」や、逆に体がほてったり、熱く感じたりする「のぼせ」なども、熱感の異常と捉えます。これらの症状は、「気」の不足や流れの滞り、あるいは過剰などによって引き起こされると考えられ、体からのサインとして重要な意味を持ちます。東洋医学では、この熱感を重要な指標として、体質や病気の状態を判断します。熱感の異常は、冷え症やのぼせ以外にも、頭痛、肩こり、便秘、生理不順、自律神経の乱れなど、様々な不調と深く関わっていると考えられています。そのため、東洋医学的な診断や治療において、熱感の状態を正しく把握することは非常に重要です。患者自身の自覚症状だけでなく、顔色、脈の状態、舌の状態なども観察することで、総合的に判断し、一人ひとりに合った治療法を見つけていきます。
鍼灸

東洋医学における挑刺法:その効果と目的

- 挑刺法とは-# 挑刺法とは挑刺法は、東洋医学、特に鍼治療において用いられる特殊な技法の一つです。皮膚の表面に現れた、糸のように硬く触れるものを鍼で軽く刺激し、ほんのわずかですが体液を絞り出す施術を指します。東洋医学では、人間の身体には「気」「血」と呼ばれるエネルギーや栄養が循環しており、これらが滞りなく流れることで健康が保たれると考えられています。しかし、体に悪い影響を与える「邪」が体内に入ると、「気」「血」の流れが阻害され、様々な不調が現れると考えられています。この「邪」は、時に皮膚の表面に、硬く触れる線維状の物質として現れることがあります。これを東洋医学では「瘀血(おけつ)」と呼びます。瘀血は、血行不良や水分の代謝異常などによって引き起こされると考えられており、放置すると、痛みやしびれ、冷えなどの症状を引き起こすことがあります。挑刺法は、鍼を用いてこの瘀血に微細な傷をつけ、「邪」を含んだ体液を排出することで、「気」「血」の流れを改善し、自然治癒力を高めることを目的としています。施術自体はほんの少しの刺激で行われるため、痛みはほとんどありません。
漢方の診察

地図のように見える舌「地圖舌」

- 地圖舌とは-# 地圖舌とは舌は健康のバロメーターとも呼ばれ、その表面や色、形などを観察することで、体の状態を知ることができます。健康な人の舌は、薄いピンク色をしており、表面には白い苔が均一に薄くついています。しかし、体の中に何らかの不調があると、舌の色が変わったり、苔のつき方が変化したりします。その中でも、「地圖舌」は、舌の表面に現れる変化の一つで、その名の通り、まるで地図のような模様が浮かび上がることが特徴です。地圖舌の特徴は、舌の表面の苔が一部剥げて、赤い斑点ができ、その周りが白い線で縁取られるように見えることです。この赤い斑点は、まるで地図上の島のように見え、その形や大きさは、時間とともに変化していきます。場合によっては、白い線が全くなく、赤い斑点だけが目立つこともあります。地圖舌は、舌の先端や縁、舌の側面など、様々な場所に現れる可能性があります。地圖舌の原因は、まだはっきりとは解明されていません。しかし、疲労やストレス、睡眠不足、栄養バランスの乱れ、胃腸の不調、ホルモンバランスの乱れなどが関係していると考えられています。また、アレルギー体質や遺伝的な要因が影響している場合もあると言われています。多くは自覚症状がなく、自然に治癒することもありますが、場合によっては、口内炎ができやすくなったり、舌に痛みを感じたりすることがあります。口内炎や舌の痛みが続く場合は、医療機関を受診し、適切なアドバイスや治療を受けるようにしましょう。