疲労・倦怠感

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東洋医学が診る労倦:その原因と対策

- 労倦とは 労倦とは、東洋医学において、過剰な労働や精神的なストレスが積み重なった結果、心身のエネルギーが消耗し、気力や体力が低下した状態を指します。現代社会では、仕事上の責任の増大や複雑な人間関係、常に情報が溢れる環境などにより、多くの人が心身に負担を抱えています。加えて、夜型の生活による睡眠不足や偏った食事、運動不足といった生活習慣の乱れも重なり、労倦の状態に陥りやすくなっています。 労倦の代表的な症状としては、慢性的な疲労感や倦怠感が挙げられます。朝起きた時から体が重だるく、日中も頭がぼーっとして集中力が続かない、といった状態が続きます。また、気力が低下するため、何事にも意欲がわかず、趣味や娯楽を楽しむ気力も失せてしまうことがあります。さらに、睡眠にも影響が現れ、寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めてしまったり、朝起きても疲れが取れないといった睡眠障害に悩まされることもあります。 労倦は、放置すると自律神経の乱れや免疫力の低下を引き起こし、様々な病気の原因となる可能性があります。そのため、少しでも労倦の症状を感じたら、生活習慣の見直しやストレス解消など、適切な対策を講じることが重要です。
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東洋医学が診る鬱病:心と体の繋がり

- 鬱病とは -# 鬱病とは 鬱病は、心の調子が長期間にわたって乱れる病気で、気分障害の一種に分類されます。 深い悲しみや虚しさ、絶望感に襲われ、これまで楽しめていた趣味や活動への興味を失ってしまうことが特徴です。このような状態が長く続くため、日常生活や仕事に大きな影響を及ぼします。 単なる一時的な気分の落ち込みとは異なり、2週間以上にわたって症状が続く場合は、鬱病の可能性があります。 また、不眠や食欲不振、疲労感、集中力の低下といった身体的な症状が現れることもあります。 現代社会においては、ストレスの増加や生活習慣の変化などにより、鬱病になる人が増えています。誰もが罹患する可能性のある、身近な病気として認識することが重要です。
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東洋医学が診る『心慌』の世界

- 心臓がドキドキする、その苦しさは…「心慌」とは? 「心臓がドキドキする」「脈が速くなったように感じる」、こうした経験は誰にでもあるでしょう。東洋医学では、この症状を「心慌」と呼びます。西洋医学のように心臓の異常だけを指すのではなく、精神的な要因も大きく影響すると考えられています。 東洋医学では心と体は密接に関係しており、精神的な不安や緊張、過労などが積み重なると、体のバランスが崩れ、その結果として心慌が生じると考えます。まるで、心の緊張が糸電話を通じて心臓に伝わり、ドキドキと鼓動を速めているかのようです。 また、過剰な喜びや悲しみなども、心に負担をかけることで心慌を引き起こすとされています。感情の起伏が激しい時、心臓が早鐘のように打つ経験をしたことはありませんか?これも心と体が繋がっている証拠と言えるでしょう。 心慌は、体からのサインです。「少し無理をしているよ」「休ませてほしいよ」という心の叫びかもしれません。日頃から、心の状態に耳を傾け、ゆったりと過ごす時間を持つことが、心慌の予防、そして健康な体作りに繋がっていくのです。
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東洋医学における勞復:再発のメカニズム

- 勞復とは -# 勞復とは 勞復とは、東洋医学の考え方のひとつで、過労が原因で起こった病気が、再び繰り返してしまうことを指します。 現代社会は、仕事や人間関係などでストレスを抱えやすく、多くの人が体調を崩しがちです。 一度休養して体調が回復したと思っても、再び無理を重ねてしまうことで、以前と同じような症状が出てしまうことは珍しくありません。 西洋医学では、このような場合、検査で異常が見つからなければ「気のせい」と片付けられてしまうこともあります。 しかし東洋医学では、勞復は、単に体力が不足しているというだけでなく、体の根本的な状態や、生活習慣、そして心の持ち方などが複雑に絡み合って起こると考えます。 つまり、目に見える症状だけでなく、その人の体質や生活全体を考慮して、根本的な原因を取り除くことが大切だと考えます。 東洋医学では、一人ひとりの体質や症状に合わせた、きめ細やかな治療を行います。 食事や睡眠、運動などの生活習慣の指導はもちろんのこと、鍼灸や漢方薬などを用いて、体のバランスを整え、自然治癒力を高めることで、真の健康を取り戻し、勞復を防ぐことを目指します。
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健康を損なう「飲食不節」とは?

- 飲食不節とは何か 東洋医学では、心と身体、そして周囲の環境は密接に繋がっていると考えられています。そして、この三者が調和し、バランスを保つことで健康が維持されると考えます。しかし、このバランスは様々な要因によって崩れやすく、その結果、体調不良や病気を引き起こすとされています。 このバランスを崩す要因の一つに、「飲食不節」があります。これは、単に食べ過ぎや飲み過ぎを指すのではなく、自分の体質や体調、季節に合わない食事、食事の時間や量、食べ方など、健康を損なう可能性のある食生活全般を指します。 例えば、冷え性の人が冷たいものを摂り過ぎたり、脂っこいものが好きな人が毎日大量に揚げ物を食べ続けたりすると、身体に負担がかかり、体調を崩しやすくなります。また、夜遅くに食事をしたり、食事の時間が不規則になったりすることも、身体のバランスを崩す原因となります。 東洋医学では、こうした食生活の乱れが、身体の中に「邪」を生み出すと考えられています。「邪」とは、病気の原因となる様々な要素のことで、過剰な「熱」や「冷え」、体内の水分代謝の乱れなどを引き起こし、様々な不調をもたらします。 健康を維持するためには、自分の体質や体調、季節に合った食事を、腹八分目を心がけ、よく噛んでゆっくりと摂ることが大切です。また、食事の時間やバランスにも気を配り、規則正しい食生活を送るように心がけましょう。
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東洋医学における「労倦」:疲労の深層へ

- 「労倦」とは何か 「労倦(ろうけん)」とは、東洋医学において、過労や無理がたたって心身に疲労が蓄積し、心身のバランスを崩してしまった状態を指します。 現代社会では、仕事や人間関係のストレス、過剰な情報などにより、多くの人がこの「労倦」の状態に陥りやすいと言えます。 西洋医学の「overstrain(オーバーストレイン)」とほぼ同義であり、単なる疲労とは異なる、より深刻な状態を示唆しています。 具体的には、身体面では、倦怠感、食欲不振、睡眠障害、頭痛、肩こり、動悸、息切れなどが現れ、精神面では、意欲低下、集中力低下、イライラ、不安感、抑うつ状態などが現れます。 東洋医学では、このような状態を「気」の乱れが原因だと考えます。 「気」とは、生命エネルギーのことであり、心身の活動の源です。 過労やストレス、不規則な生活習慣などによって「気」が消耗したり、流れが滞ったりすると、「労倦」の状態に陥ると考えられています。 「労倦」を放置すると、自律神経失調症、うつ病、 anxiety、不眠症などの精神疾患に発展する可能性もあるため、早期に適切な対策を講じることが大切です。
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七情の一つ:驚とは

- 七情と驚 -# 七情と驚 東洋医学では、心と体は切り離せないものと考えられています。心の動きは体に影響を与え、体の状態は心に影響を与えます。この考え方を psychosomatic と言いますが、東洋医学では何千年も前からこの考え方に基づいて治療が行われてきました。 心の動きの中でも、特に体に大きな影響を与えるのが七情です。七情とは、喜、怒、憂(ゆう)、思、悲、恐(きょう)、驚(きょう)の七つの感情を指します。これらの感情は、度が過ぎると体のバランスを崩し、様々な不調を引き起こすと考えられています。 今回は、七情の一つである「驚」について詳しく見ていきましょう。「驚」とは、突然の出来事や予期せぬ事態に驚き、心が動揺する状態を指します。例えば、大きな音がした時や、危険な目に遭いそうになった時に感じる感情です。 「驚」は、主に心臓と関係が深いと考えられています。強い驚きを感じると、心臓がドキドキしたり、脈拍が速くなったりするのはそのためです。また、「驚」は気を乱す作用があり、ひどい場合には、意識が飛んでしまうこともあります。 日常生活においても、「驚」は知らず知らずのうちに体に負担をかけています。例えば、時間に追われていたり、プレッシャーを感じている状態が続くと、「驚」の感情が慢性的に高まり、心臓に負担がかかりやすくなります。 東洋医学では、「驚」の感情をコントロールし、心を穏やかに保つことが健康に繋がると考えられています。そのため、呼吸法や瞑想、ヨガなどのリラクセーション法を取り入れることが推奨されています。また、規則正しい生活習慣を心がけ、十分な睡眠をとることも大切です。
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東洋医学における『重さ』の概念

- 『重さ』とは何か? 東洋医学では、人の体は単なる物質的な存在ではなく、目には見えない「気・血・津液」といったエネルギーが体内をくまなく巡り、その調和によって健康が保たれると考えています。このエネルギーの流れが滞ってしまうと、心身に様々な不調が現れると考えられており、そのサインの一つに『重さ』があります。 『重さ』とは、文字通り身体が重く感じられる状態を指します。西洋医学では、この『重さ』だけを捉えて明確な診断基準や病名をつけることはできません。あくまでも患者さんが感じる主観的な感覚だからです。しかし、東洋医学では、『重さ』は身体からの重要なサインとして捉えられています。 『重さ』は、過労やストレス、睡眠不足、冷え、水分代謝の乱れなど、様々な要因によって引き起こされると考えられています。これらの要因によって「気・血・津液」の流れが滞り、身体のあちこちに「邪気」と呼ばれる余分なものが溜まってしまうのです。この「邪気」が溜まることで、身体が重だるく感じたり、疲労感が抜けにくくなったりすると考えられています。 東洋医学では、この『重さ』を改善するために、「気・血・津液」の流れをスムーズにするための施術を行います。具体的には、鍼灸治療や漢方薬の処方、食事や生活習慣の指導などを通して、身体の内側から健康を取り戻していくことを目指します。
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運動後のだるさの原因「酸痛」とは?

- 酸痛とは何か 酸痛とは、運動後、数時間から数日後に感じる、筋肉の鈍い痛みや不快感を指します。激しい運動や慣れない運動をした後に経験することが多く、日常生活に支障がない程度の軽い痛みであることが多いです。 -# 酸痛と筋肉痛の違い 酸痛は筋肉痛と混同されがちですが、痛みが生じるタイミングが異なります。筋肉痛が運動直後から数時間後にピークを迎えるのに対し、酸痛は運動後12時間~72時間後にピークを迎える点が異なります。 筋肉痛は、運動中に筋肉が微細に損傷することで発生する炎症反応によって起こります。一方、酸痛の発生メカニズムは完全には解明されていませんが、運動中の筋肉への負荷によって発生する乳酸などの疲労物質が蓄積すること、または筋肉の微細な損傷などが原因として考えられています。 -# 酸痛の予防と対処法 酸痛を予防するには、運動前に十分な準備運動を行い、筋肉を温めておくことが大切です。また、運動は徐々に強度や時間を増やしていくようにし、急に激しい運動をすることは避けましょう。運動後には、クールダウンとして軽いストレッチなどを行い、筋肉の疲労回復を促すことが重要です。 酸痛を感じた場合は、温浴や軽いストレッチなどで血行を促進することで、症状を和らげることができます。しかし、痛みが強い場合や長引く場合は、医療機関を受診するようにしましょう。
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東洋医学が考える『嗜睡・嗜臥』の原因と対策

- 現代社会で増える『眠り』の悩み 現代社会において、多くの人が抱える悩みの一つに『眠り』に関するものがあります。夜はしっかりと睡眠時間を取っているはずなのに、日中も常に眠気を感じてしまったり、疲労感がなかなか取れなかったりする経験はありませんか? 十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず、日中に強い眠気を感じてしまう状態を『嗜睡(しすい)』といい、東洋医学では、体のエネルギーが不足している状態だと考えます。 また、眠りが浅く、何度も目が覚めてしまったり、朝スッキリと起きることができない状態を『嗜臥(しが)』といい、東洋医学では、精神的なストレスや不眠症と関連があるとされています。 これらの症状は、現代社会のストレスや生活習慣の乱れ、食生活の偏りなどが原因で引き起こされると考えられています。 東洋医学では、心と体は密接に繋がっていると考えます。そのため、『眠り』の悩みを改善するためには、心身のバランスを整えることが重要です。 例えば、規則正しい生活を心がけ、バランスの取れた食事を摂ること、適度な運動をすることなどが効果的です。また、リラックスできる時間を作ったり、趣味を楽しんだりするなど、心身のリフレッシュも大切です。 もし、『眠り』の悩みが続く場合は、自己判断せずに、専門医に相談するようにしましょう。
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東洋医学が考える乏力とその改善策

- 乏力とは -# 乏力とは 乏力とは、「疲れている」という言葉だけでは片付けられないような、体の中からエネルギーが尽き果ててしまった状態を指します。普段通りの睡眠をとってもしっかりと疲れが取れず、慢性的に体力が低下している状態が続きます。 朝、目が覚めても体が重く、なかなか布団から出られない、一日中体がだるくてやる気が起きない、集中力が続かず、頭がぼーっとしてしまうといった症状が現れます。このような状態が続くと、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。 現代社会は、ストレスや不規則な生活、睡眠不足、栄養の偏りなど、乏力を引き起こす要因が多く存在します。また、過労や睡眠障害、うつ病などの精神疾患、貧血や甲状腺疾患などの内科的疾患が原因で起こる場合もあります。 単なる疲労と安易に考えずに、まずは自身の生活習慣を見直し、それでも改善が見られない場合は医療機関を受診し、専門家の診断を受けるようにしましょう。
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東洋医学が教える「神疲」の改善法

- 現代社会に潜む「神疲」とは 現代社会は、情報があふれ、ストレスが多い環境であるがゆえに、多くの人が心身ともに疲弊しています。 東洋医学では、このような状態を「神疲」と呼びます。「神」とは、体の表面的な力ではなく、心の活気や思考する力、判断する力など、人にとって根本的な力を指します。 つまり「神疲」とは、気持ちが進まなかったり、集中する事が難しくなったり、考えがまとまらなかったり、決断する力が鈍ったりする状態を指します。これは、体を使った疲れとは異なり、休んでいてもなかなか回復しないのが特徴です。 現代社会において、神疲は増加傾向にあります。 これは、常にスマートフォンやパソコンから情報が流れ込み、脳が休まる暇がないことや、過度な競争社会や不安定な雇用環境など、ストレス要因が多いことが原因として考えられます。 神疲を放置すると、抑うつ状態や不安障害などの心の病に発展する可能性もあるため注意が必要です。 東洋医学では、神疲は体のエネルギーが不足したり、流れが滞ったりすることで起こると考えられています。 バランスの取れた食事や質の高い睡眠、適度な運動など、健康的な生活習慣を心がけることが、神疲の予防と改善には重要です。 また、ヨガや瞑想など、心を穏やかに保つための方法を取り入れることも有効です。 神疲は、現代社会において多くの人が抱える問題です。 自覚症状がある場合は、早めに休息を取ったり、専門家に相談するなど、適切な対応を取りましょう。
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東洋医学が紐解く「呵欠」の謎

誰もが経験する「あくび」は、大きく口を開けて息を吸い込み、その後ゆっくりと息を吐き出す動作です。疲労や眠気を感じた時に自然と出てしまうことが多く、これは東洋医学では「気」の不足と関連付けられています。 東洋医学では、人は誰でも「気」という目に見えないエネルギーを体内に巡らせており、体が正常に機能するためには、この「気」が十分に満ちている必要があります。「気」は、呼吸、食事、睡眠などを通して体内に取り込まれ、全身に送られますが、疲労や睡眠不足、ストレスなどが続くと、「気」が不足してしまうことがあります。 「気」が不足すると、体は正常に機能するために必要なエネルギーが足りなくなってしまい、様々な不調が現れます。その一つがあくびです。あくびは、不足した「気」を補おうとして、無意識に体が起こす反応だと考えられています。 つまり、あくびは体があなたに休息を促すサインと言えるでしょう。あくびが出た時は、無理をせず、少し休んで「気」を養うように心がけてみましょう。深い呼吸をしたり、軽いストレッチをしたりするのも効果的です。