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東洋医学における脱疽:その病態と治療

- 脱疽とは -# 脱疽とは 脱疽とは、東洋医学の用語で、手足の指先などが腐敗していく病気を指します。現代医学では、血栓性血管炎などが近い病気と考えられています。 主な原因は、血の流れが悪くなることです。血液は、体中に酸素や栄養を運ぶ役割を担っていますが、血の流れが滞ると、必要な酸素や栄養が手足の先まで行き渡らなくなります。その結果、冷えや痛み、しびれといった症状が現れ、さらに悪化すると、組織が壊死し、黒く変色する壊疽を引き起こします。 初期症状は、冷えや痺れ、軽い痛みなどで、それほど強い自覚症状がない場合もあります。しかし、進行すると激痛が走り、歩行も困難になります。最終的には、壊疽を起こした部分を切断せざるを得ないケースもあるため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。 東洋医学では、体質や生活習慣、環境などが複雑に関係して発症すると考えられています。そのため、一人ひとりの状態に合わせて、漢方薬や鍼灸治療などを組み合わせ、血行を改善し、体の冷えを取り除く治療を行います。また、症状の進行を抑え、健康な状態を保つための養生指導も行います。
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東洋医学が考える臁瘡: その原因と治療法

- 臁瘡とは何か -# 臁瘡とは何か 臁瘡とは、すねのあたりにできる、なかなか治らない傷のことです。皮膚の色が赤黒く変わり、ときには強い痛みやかゆみを感じることがあります。西洋医学では、静脈瘤などの血液循環が悪くなる病気や、糖尿病などが原因で起こると考えられています。 東洋医学では、臁瘡は体の表面に現れたサインと考えます。体の内側に何らかの不調があり、その影響が皮膚に現れていると捉えます。その原因は、体の中の水分代謝の乱れや、血の巡りの悪さなどが考えられます。 特に、「湿邪」と呼ばれる、体にたまった余分な水分が、臁瘡の発生と深く関わると考えられています。湿邪は、脾胃と呼ばれる消化器官の働きを弱らせることで発生し、血の巡りを悪くしたり、体に不要なものをため込んだりする原因となります。 臁瘡の治療には、体の内側から原因を取り除くことが重要です。東洋医学では、漢方薬や鍼灸を用いて、脾胃の働きを整え、湿邪を取り除き、血の巡りを良くすることで、体の内側から健康な状態へと導きます。そして、皮膚の再生を促し、臁瘡を根本から治癒することを目指します。
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骨痿:腎の力が弱るとは?

- 骨痿とは? -# 骨痿とは? 骨痿は、東洋医学の考え方で、体の重要な器官である腎の働きが弱まることで起こると考えられている病気です。東洋医学では、腎は生命エネルギーを蓄え、成長や発育、生殖機能などをコントロールする重要な役割を担うと考えられています。この腎のエネルギーが不足すると、体全体のバランスが崩れ、様々な不調が現れると考えられています。 骨痿は、腎のエネルギー不足によって骨や筋肉が衰えていく状態を指します。具体的には、腰や膝の痛み、だるさ、しびれ、筋力低下などの症状が現れます。 西洋医学では、骨粗鬆症や変形性関節症、坐骨神経痛などの病気が、骨痿の症状と重なる部分が多いと考えられています。しかし、西洋医学では、骨や関節だけの問題として捉えられることが多いのに対し、東洋医学では、骨痿は腎の機能低下が根本原因だと考えます。そのため、治療においても、腎の働きを高めることを重視し、体全体のバランスを整えることを目指します。 骨痿は、加齢と共に発症しやすくなるとされていますが、若い世代でも、過労やストレス、冷え、不規則な生活習慣などが原因で発症する可能性があります。日頃から、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、腎に負担をかけない生活を送り、体全体のバランスを整えることが、骨痿の予防、改善には重要です。
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東洋医学が診る肺痿:慢性咳嗽とその治療

- 肺痿とは -# 肺痿とは 肺痿は、東洋医学で使われる病名の一つで、長引く咳を主な症状とする肺の病気を指します。現代医学の慢性閉塞性肺疾患(COPD)や慢性気管支炎などと共通する部分も多いと考えられていますが、西洋医学の診断名と完全に一致するわけではありません。 肺痿の特徴は、単なる咳だけでなく、呼吸のたびにヒューヒュー、ゼーゼーといった音がする、少し動いただけで息が切れる、痰が絡むといった症状を伴うことです。これらの症状は、肺の働きが衰え、呼吸によって体の中に十分な酸素を取り込めなくなることで起こります。 東洋医学では、肺は呼吸をつかさどるだけでなく、体の中に気を取り込み、全身に巡らせる働きがあるとされています。この気の流れが滞ったり、不足したりすることで、肺痿は引き起こされると考えられています。 肺痿の原因は、体質や生活習慣、環境など、様々な要因が考えられます。例えば、生まれつき体が弱い、風邪をひきやすい、タバコを吸う、冷たい空気を吸いすぎる、辛いものや脂っこいものを食べ過ぎるなども、肺に負担をかけ、肺痿の原因となることがあります。 肺痿の治療は、肺の機能を高め、気の流れを改善することを目的として行われます。漢方薬の使用、鍼灸治療、食事療法、呼吸法など、様々な方法を組み合わせて、患者さんの状態に合わせていきます。
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歴節風:関節の痛みと変形を理解する

- 歴節風とは -# 歴節風とは 歴節風は、複数の関節に炎症が起こることで、強い痛みや腫れ、そして動かしづらさといった症状が現れる病気です。 この病気の特徴は、発作的に症状が現れたり消えたりすることで、まるで風が吹いたり止んだりするように感じられることから、歴節風と名付けられました。 歴節風によって炎症が起きやすい場所は、主に足の親指の付け根や足首、膝などの関節です。発作が起こると、患部は赤く腫れ上がり熱を持ち、特に動かした時に激しい痛みを感じます。 初期の段階では、発作が治まると症状も落ち着き、一見すると健康な状態に戻ったように思えます。しかし、歴節風は放置すると発作を繰り返すようになり、次第に関節が変形したり、痛みが続くようになってしまいます。 日常生活に支障をきたすようになる前に、早期の発見と適切な治療が必要です。
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東洋医学における虛勞:慢性的な疲労の正体

- 虚労とは -# 虚労とは 虚労とは、東洋医学において、長期間にわたる疲労や衰弱、元気が出ない状態が続くことを指す言葉です。現代社会において、多くの人が抱える慢性疲労と共通する部分が多く見られます。西洋医学では、検査をしても異常が見つからず、特定の病気として診断されない場合でも、東洋医学では、体の内側に潜む不調和として捉え、その原因を突き止めようとします。 虚労は、過労や睡眠不足、偏った食事、ストレス、老化、病気など、様々な要因が重なって発症すると考えられています。これらの要因によって、体の生命エネルギーである「気」や「血」が不足したり、流れが滞ったりすることで、様々な不調が現れると考えられています。 東洋医学では、虚労を改善するために、一人ひとりの体質や症状に合わせて、食事療法、生活習慣の改善、漢方薬の処方など、総合的な治療を行います。具体的には、消化機能を高める食事を摂ったり、睡眠時間をしっかりと確保したり、適度な運動を心がけたりすることが重要です。また、ストレスを解消するために、リラックスできる時間を持つ、趣味を楽しむなども効果的です。 虚労は、自覚症状が乏しい場合や、他の病気と見分けにくい場合もあるため、注意が必要です。慢性的な疲労感や倦怠感、意欲の低下、食欲不振、睡眠障害などの症状が続く場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
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東洋医学から見る消渇病:糖尿病との関係

- 消渇病とは -# 消渇病とは 消渇病は、東洋医学で用いられる病気の名前の一つで、現代医学でいう糖尿病と共通する部分が多いと考えられています。 消渇病という言葉の通り、強い渇きを感じて水を多く飲む「多飲」、食欲が異常に旺盛になり、たくさんの食事を摂ってしまう「多食」、尿の量が増え、頻繁にトイレに行く「多尿」の三つが主な症状として挙げられます。 これらの症状に加えて、体がだるく疲れやすい倦怠感、体重が減少していく、皮膚が乾燥してかゆみを伴う、視力が低下するなどの症状が現れることもあります。 消渇病は、一つの原因によって引き起こされるのではなく、日々の食生活の乱れや、過剰なストレス、遺伝などの様々な要因が複雑に関係し合って発症すると考えられています。
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東洋医学が考える痴呆:心身の不調和から生じる影

- 痴呆とは何か 痴呆とは、年齢を重ねるにつれて脳の働きが衰え、日常生活に支障が出てしまう状態を指します。単に年齢を重ねることで起こるものとは異なり、脳の細胞が損傷を受けたり、働きが弱まることで、様々な症状が現れます。 記憶力や思考力の低下は、痴呆の代表的な症状です。例えば、昨日の夕食を思い出せなかったり、簡単な計算ができなくなったりすることがあります。また、判断力や理解力の低下も見られます。状況を正しく判断することが難しくなったり、周囲の人との会話が理解しづらくなったりするなど、社会生活に影響が出ることもあります。 さらに、感情のコントロールが難しくなることもあります。些細なことで怒りっぽくなったり、逆に無気力になったりすることがあります。進行すると、時間や場所が分からなくなる「見当識障害」や、周囲の人を認識できなくなるなどの症状が現れることもあります。 痴呆は、決して他人事ではありません。高齢化が進む現代社会において、誰もが罹患する可能性のある病気です。日頃から脳を活性化させ、健康的な生活を心がけることが大切です。
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知っておきたい中風後遺症

- 中風後遺症とは -# 中風後遺症とは 中風後遺症とは、脳卒中によって脳が損傷を受けた後、様々な機能障害が残ってしまう状態を指します。脳卒中は、脳内の血管が詰まったり破れたりすることで、血液の流れが途絶えてしまい、脳細胞がダメージを受けてしまう病気です。その結果、身体の半分が麻痺したり、言葉がうまく話せなくなったり、意識がもうろうとしたりするなど、様々な症状が現れます。 後遺症の程度は、脳のどの部分がどれくらいの範囲で損傷を受けたのか、発症から治療開始までどれくらい時間がかかったのか、そしてその後のリハビリテーションがどの程度進んでいるのかといった要因によって個人差が大きく、日常生活にほとんど支障がない軽度の場合もあれば、歩くことも話すことも困難になり、介護が必要になってしまう重度の場合もあります。 中風後遺症では、身体的な麻痺以外にも、感覚障害、言語障害、視覚障害、記憶障害、注意障害、感情の不安定さ、抑うつ状態といった様々な症状が現れる可能性があります。これらの症状によって、日常生活における動作やコミュニケーション、仕事や趣味などの活動に制限が生じ、生活の質が低下してしまうケースも少なくありません。
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体力を消耗する病気、肺癆

- 肺癆とは -# 肺癆とは 肺癆は、結核菌という微細な細菌が原因で発症する感染症で、主に肺に深刻な影響を及ぼします。 かつては「労咳」とも呼ばれていました。これは、この病気が体力や栄養状態と密接に関係していると考えられていたためです。 激しい労働や不規則な生活、十分な栄養が摂れない状態が続くと、体の抵抗力が低下し、結核菌に感染しやすくなると考えられています。 肺癆は、空気中に漂う結核菌を吸い込むことで感染するという特徴があります。 つまり、多くの人が集まる場所や換気が不十分な環境は、感染のリスクが高まります。 人混みの中や、風通しの悪い部屋にいる際には、特に注意が必要です。
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東洋医学から見る哮喘:呼吸の調和を取り戻す

- 哮喘とは 哮喘は、呼吸をする際に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった笛のような音が鳴り、息が苦しくなる発作的な病です。激しい咳や胸を締め付けられるような感覚を伴うこともあり、呼吸をすることさえ困難な状態に陥ります。 西洋医学では、気管支喘息と呼ばれ、主にアレルギー反応などによって気道が狭くなることで発症するとされています。 一方、東洋医学では、哮喘は肺だけでなく、心や体全体の様々な要因が複雑に絡み合って起こると考えられています。特に、七情(喜・怒・憂・思・悲・恐・驚)と呼ばれる感情の乱れや、不摂生な生活、冷えなどが原因となって、体内の気の流れが滞ることで、肺の機能が低下し、呼吸困難を引き起こすとされています。 具体的には、悲しみや不安、ストレスなどが長く続くと、気の流れが滞り、肺の機能を低下させます。また、冷たい物の食べ過ぎや冷房による冷えは、体内の陽気を損ない、気の流れを阻害することで哮喘を悪化させると考えられています。 東洋医学では、一人ひとりの体質や症状に合わせて、鍼灸治療や漢方薬の処方、食養生などの方法を用いて、体の根本から治療し、気の流れを整え、肺の機能を高めることを目指します。
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慢性的な疲労と闘う:勞瘧を理解する

- 勞瘧とは 勞瘧とは、東洋医学の考え方において、慢性的な疲労感を主な症状とする病気です。まるで体に重りが乗っているような、だるさや倦怠感が長期間にわたって続きます。 西洋医学でいうマラリアのような、高熱や激しい悪寒を伴うことは稀です。むしろ、微熱が続いたり、寒気がしたりする程度で、はっきりとした症状が現れないことが多いです。そのため、周囲の人からはなかなか理解されにくく、つらい思いをする人も少なくありません。 勞瘧の原因は、東洋医学では心身の疲労や過労、不摂生などが考えられています。特に、長時間労働や睡眠不足、ストレスの多い生活は、体に大きな負担をかけ、勞瘧を引き起こしやすいため注意が必要です。 また、栄養不足や冷えなども勞瘧の発症に関係すると考えられています。現代社会では、インスタント食品や加工食品ばかりの食事や、冷房の効きすぎた室内で過ごすことが多く、知らず知らずのうちに体を冷やしてしまっているケースも少なくありません。 勞瘧は、適切な治療や養生 を行うことで、改善していくことができます。東洋医学では、漢方薬や鍼灸治療などを用いて、体のバランスを整え、自然治癒力を高めることで、勞瘧の症状を根本から改善していきます。
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休息痢:慢性的な下痢の悩み

- 休息痢とは 休息痢とは、慢性的に繰り返す下痢のことを指します。その名の通り、休息時や就寝時など、リラックスしている際に症状が現れることが多いのが特徴です。日中は比較的落ち着いているものの、夜になると頻繁にトイレに行く必要があり、安眠を妨げられるなど、生活の質を著しく低下させる可能性があります。 -# 休息痢の症状 休息痢の主な症状は、夜間や早朝に起こる下痢です。日中は便意を我慢できても、夜間や早朝になると我慢できずにトイレに駆け込むことになります。また、下痢だけでなく、腹痛や腹部膨満感を伴うこともあります。これらの症状によって、睡眠不足や倦怠感、集中力の低下など、日中の生活にも支障をきたすことがあります。 -# 休息痢の原因 休息痢の原因は、まだはっきりと解明されていません。しかし、ストレスや不安、緊張など、自律神経の乱れが大きく関与していると考えられています。日中は交感神経が優位になり、胃腸の動きが抑制されますが、夜間やリラックスしている状態では副交感神経が優位になり、胃腸が活発に動き始めます。この時、何らかの原因で胃腸の動きが過剰になると、下痢を引き起こすと考えられています。 -# 休息痢の対策 休息痢の対策としては、生活習慣の改善が重要になります。規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠をとるようにしましょう。また、ストレスを溜め込まないように、適度な運動やリラックスできる時間を作ることも大切です。食生活においては、刺激物や脂肪分の多い食事を控え、消化の良いものを食べるように心がけましょう。 休息痢は、適切な治療と生活習慣の改善によって症状を和らげることができます。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、医師に相談するようにしましょう。
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東洋医学が考える緑内障「高風内障」

- 緑内障とは -# 緑内障とは 緑内障は、眼球内の圧力(眼圧)の上昇などによって視神経が障害され、視野が徐々に狭くなっていく病気です。 視神経は、カメラで例えると、フィルムに相当する目の奥にある網膜で受け取った光の情報(映像)を脳に伝える、いわば電気コードの役割をしています。この視神経が障害されることで、視界の一部が見えにくくなったり、欠けたりするようになります。 初期の緑内障は自覚症状がほとんどないため、気づかずに進行してしまうケースが少なくありません。視野が狭くなっていくスピードも緩やかなことが多いため、日常生活で不便を感じにくく、異常に気づいた時にはかなり進行している場合もあります。しかし、一度失われた視野は回復することがないため、早期発見・早期治療が非常に重要となります。 日本では、緑内障は失明原因の上位に位置しており、40歳以上の20人に1人が緑内障であるといわれています。加齢とともに発症率が高くなるため、高齢化社会が進む現代においては、特に注意が必要です。定期的な眼科検診を受けるなど、日頃から目の健康に気を配ることが大切です。
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視界を脅かす圓翳内障:東洋医学からの考察

- 圓翳内障とは -# 圓翳内障とは 眼の奥には、光を網膜に集めて像を結ぶ重要な役割を担う水晶体という透明な組織があります。この水晶体が、加齢や生活習慣、遺伝などの様々な要因によって白く濁ってしまう病気を、現代医学では白内障と呼びます。東洋医学では、この病気を古くから「圓翳内障」と呼んできました。これは、まるで丸いカーテンが目を覆うように、視界がかすんだり、ぼやけたりする症状に由来しています。 東洋医学では、この圓翳内障の原因を、主に体の内部のバランスの乱れに求めます。例えば、過労やストレス、偏った食事、睡眠不足などが続くと、体内の気・血・水の巡りが滞り、その結果として目に影響を及ぼすと考えられています。特に、老化に伴い「腎」の働きが衰えることも、圓翳内障の発症と深く関係するとされています。腎は、体内の水分代謝や成長・発育を司る重要な臓器であり、その機能低下は、目の潤いを保つ力や、水晶体の透明性を維持する力を弱めると考えられているからです。 圓翳内障は、放置すると視力低下が進行し、日常生活に支障をきたすだけでなく、最悪の場合、失明に至ることもあります。そのため、早期発見・早期治療が非常に重要です。初期症状としては、視界のかすみやぼやけ、光をまぶしく感じる、ものが二重に見えるなどがあります。これらの症状に気づいたら、早めに眼科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
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慢脾風:小児の危機

- 慢脾風とは -# 慢脾風とは 慢脾風は、東洋医学の考え方に基づいた小児特有の病気の一つで、放置すると生命に関わることもある危険な状態を指します。東洋医学では、健康な状態を保つためには、体内の「陰」と「陽」と呼ばれる相反する二つの要素が調和していることが重要だと考えられています。慢脾風は、この陰陽のバランスが崩れ、陰が過剰に強くなり陽が弱くなる「陰盛陽衰」の状態が慢性的に続くことで起こるとされています。 具体的には、消化機能の低下や栄養状態の悪化などが原因で、気や血の巡りが滞り、体に必要な栄養が十分に行き渡らなくなることで発症すると考えられています。慢脾風は、現代医学でいうところの「小児痙攣」の中でも、特に重症化した状態に相当すると考えられており、意識障害やけいれん、手足の麻痺などの症状が現れます。 慢脾風は、適切な治療を行わないと、後遺症が残ったり、最悪の場合死に至る可能性もあるため、早期発見と適切な治療が非常に重要となります。
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小児の難治性てんかん、慢驚風

- 慢驚風とは -# 慢驚風とは 慢驚風は、主に乳幼児期に発症する病気で、繰り返す痙攣発作が特徴です。この病気は、てんかん症候群の一つに分類されます。\n慢驚風という名前の通り、発作時の痙攣は、他の一般的なてんかん発作と比べてゆっくりとした動きをするのが特徴です。そして、発作が起こっている間は、意識がなくなったり、ぼーっとしたりすることがあります。\n慢驚風の子供は、多くの場合、発達に遅れが見られます。歩くのが遅くなったり、言葉がなかなか出なかったり、周りの子供と同じように遊べなかったりすることがあります。これは、慢驚風が運動能力や知能の発達に影響を与えるためです。\n慢驚風を引き起こす原因は、まだはっきりとは解明されていません。様々な要因が考えられていますが、現代医学をもってしても、その原因を特定することは難しいとされています。\nこの病気は、治療が難しく、予後が悪い神経難病の一つとされており、現代医学の大きな課題となっています。
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骨疳:小児の成長を阻む病気

- 骨疳とは -# 骨疳とは 骨疳は、小児に多く見られる疳症という病気の中でも、特に骨や筋肉の成長に影響を及ぼす病気です。疳症は、現代医学でいうところの栄養障害や発育障害に当てはまり、食欲不振や体重減少、顔色が悪くなる、元気がなくなるといった症状が見られます。その中でも骨疳は、全身の衰弱に加えて、慢性的な腎臓の病気を伴うことが特徴です。 東洋医学では、骨疳は生まれつきの体質や栄養状態、生活環境などが複雑に関係し合って発症すると考えられています。特に、腎は体の成長や発育を司る重要な臓器と考えられており、骨疳と腎の関係は深いものとされています。腎の働きが低下すると、成長に必要な栄養が十分に吸収されなくなり、骨や筋肉の成長が阻害され、骨疳の症状が現れると考えられています。 骨疳は、初期症状では食欲不振や体重減少、顔色が悪くなる、元気がなくなるといった症状が見られますが、症状が進むと、骨や筋肉の発育が遅れ、身長が伸びにくくなったり、運動能力が低下したりすることがあります。さらに、重症化すると、骨の変形や骨折、関節の痛み、歩行困難などの症状が現れることもあります。 骨疳の治療には、まず、食事療法や生活習慣の改善などを通して、腎臓の働きを高め、体の免疫力を向上させることが重要となります。また、症状に合わせて、漢方薬を用いることもあります。骨疳は、早期発見・早期治療が大切です。気になる症状がある場合は、早めに専門医に相談しましょう。
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東洋医学から見る皮痹:強皮症の理解

- 皮痹とは -# 皮痹とは 皮痹とは、東洋医学の考え方で使われる病気の名前で、現代医学でいう強皮症と似たような症状が現れます。この病気の特徴は、皮膚が硬く厚くなっていくことで、症状が進むと皮膚が縮んでいくこともあります。皮痹は、皮膚だけの病気ではなく、体全体の気・血・水の巡りが悪くなることで起こると考えられています。 東洋医学では、健康な状態を保つためには、体の中を流れる気・血・水が滞りなく巡っていることが重要だと考えます。しかし、何らかの原因でこの流れが滞ると、体に様々な不調が現れるようになり、その一つとして皮痹があると考えられています。 皮痹の原因として考えられるものは、生まれつきの体質や、長期間にわたる冷え、湿気、偏った食事、過労、ストレスなどがあります。これらの要因によって、体の機能が低下し、気・血・水の巡りが悪くなることで、皮膚に栄養が行き渡らなくなり、硬く厚くなってしまうと考えられています。 皮痹の治療では、症状を抑える対症療法を行うだけでなく、根本的な原因である気・血・水の巡りを改善することを目指します。具体的には、漢方薬の服用、鍼灸治療、食事療法、運動療法などを組み合わせて、体質改善を図ります。
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意外と知らない酒さの秘密

- 酒さとはどんな病気? 酒さは、顔の中心部に、赤みやほてり、赤い小さなブツブツが現れる皮膚の病気です。症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すため、慢性的な皮膚疾患に分類されます。特に鼻や頬が赤くなることが多く、症状が進行すると鼻の皮膚が厚く盛り上がって硬くなってしまうこともあります。この状態を鼻瘤(びりゅう)と呼びます。 酒さは30代以降の女性に多く見られますが、男性や若い世代でも発症することがあります。はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、遺伝的な要因や、肌を守る機能の低下、顔ダニの増殖などが関係していると考えられています。 酒さの症状は、気温の変化や紫外線、刺激の強い食べ物、飲酒、ストレスなどによって悪化しやすいため、心当たりがある方は注意が必要です。また、症状が似ている病気もあるため、自己判断せず、皮膚科専門医を受診して適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
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気になる顔のブツブツ、粉刺って一体何?

- 粉刺とは 粉刺とは、顔や胸、背中などに見られる、皮膚が赤く腫れたり、膿を持つ症状のことです。これらの部位は、皮脂の分泌が活発な場所であり、毛穴に皮脂や古い角質が詰まりやすいため、炎症を起こし、粉刺として現れると考えられています。 粉刺は、思春期に多く見られる傾向があります。これは、第二次性徴に伴いホルモンバランスが変化し、皮脂の分泌が過剰になるためです。しかし、大人になってからも、食生活の乱れやストレス、睡眠不足、ホルモンバランスの乱れ、化粧品や外用薬の刺激など、様々な要因によって発症することがあります。 粉刺は、放置すると悪化したり、跡が残ったりする可能性もあります。そのため、日々の生活習慣を見直し、適切なスキンケアを行うことが大切です。症状が改善しない場合は、皮膚科を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。
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松皮癬:その特徴と東洋医学的理解

「松皮癬」という病名を耳にしたことはありますか?これは、皮膚に赤い斑点や盛り上がりが繰り返し現れる、慢性的な皮膚の病気です。その名前は、まるで松の木の皮のように見える皮膚の状態から名付けられました。 松皮癬は、見た目だけの問題ではありません。多くの場合、強い痒みや痛みを伴い、日常生活に支障をきたすこともあります。例えば、痒みのために睡眠不足になったり、人前で肌を露出することに抵抗を感じたり、精神的なストレスを抱える方も少なくありません。 松皮癬の原因はまだ完全には解明されていませんが、免疫の異常が深く関わっていると考えられています。通常、免疫は体内に侵入した細菌やウイルスから体を守ってくれます。しかし、松皮癬の場合は、免疫が自分の皮膚を攻撃してしまうことで炎症が起こり、赤い斑点や盛り上がり、痒みなどの症状が現れるのです。 松皮癬は、症状が現れたり治まったりを繰り返すことが特徴です。症状が悪化しやすい要因としては、気候の変化、ストレス、疲労、感染症などが挙げられます。また、特定の食品や薬剤が症状を悪化させることもあります。 松皮癬は完治が難しい病気ですが、適切な治療とスキンケアによって症状をコントロールし、快適な日常生活を送ることは可能です。気になる症状があれば、自己判断せずに、早めに皮膚科専門医に相談しましょう。
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白疕:その特徴と東洋医学的理解

- 白疕とは 白疕は、皮膚に赤みを持った斑点や、その上に白い鱗屑が幾重にも重なってできる、慢性の皮膚疾患です。この鱗屑は、皮膚が異常に増殖することで生じ、触るとポロポロと剥がれ落ちることが特徴です。白疕は、かゆみを感じることもあれば、全く感じないこともあり、その症状は人によって様々です。 この病気は、見た目にも変化が現れるため、患者様は精神的な負担を感じやすいという側面も持ち合わせています。周囲の目が気になったり、症状が悪化することへの不安を抱えたりする方も少なくありません。 西洋医学では、白疕は自己免疫疾患の一種と考えられていますが、その明確な原因は解明されていません。一方、東洋医学では、身体の内側と外側の両面から健康状態を総合的に判断し、白疕の原因を探っていきます。 東洋医学では、心身のバランスが崩れることで、気・血・水の流れが滞り、その結果として皮膚に症状が現れると考えられています。具体的には、過労やストレス、食生活の乱れ、冷え、睡眠不足などが、白疕の発症や悪化に繋がると考えられています。 東洋医学に基づいた白疕の治療では、患者様一人ひとりの体質や症状に合わせて、漢方薬の処方、鍼灸治療、食事や生活習慣の指導などを行います。
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東洋医学が診る乾癬:その原因と治療法

- 牛皮癬とは 牛皮癬は、皮膚の一部分が赤く盛り上がり、その上に銀白色のうろこ状のかさぶたが付着する皮膚の病気です。このかさぶたは簡単にはがれ落ちやすく、強い痒みを伴うこともあります。皮膚の赤みやかさぶたは、かゆみを感じることで掻いてしまい、さらに症状が悪化してしまうという悪循環に陥りやすいのも特徴です。 牛皮癬は、その見た目から周囲の目が気になるという方も少なくありません。しかし、牛皮癬は細菌やウイルスによって引き起こされる病気ではなく、他人へうつることはありません。そのため、牛皮癬の患者様と接触したとしても、ご自身が牛皮癬に感染することはありませんのでご安心ください。 牛皮癬の原因は、はっきりとは解明されていませんが、免疫の異常が関わっていると考えられています。通常、免疫は体内に侵入した細菌やウイルスから体を守る働きをしていますが、牛皮癬の場合は、この免疫が過剰に反応し、自分の皮膚を攻撃してしまうことで発症すると考えられています。 牛皮癬は、慢性的な経過をたどる病気で、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返します。症状が悪化する原因は、疲労やストレス、気候、感染症など様々です。