漢方薬の基礎:飲片とその役割
- 飲片とは何か
-# 飲片とは何か
飲片とは、漢方薬の原料となる生薬を、煎じやすく、飲みやすく、効果を最大限に引き出すために加工したものです。 生薬は、自然界に存在する植物の根や茎、葉、花、果実、種子などを指しますが、そのままでは煎じたり服用したりすることが難しい場合があります。そこで、乾燥させたり、細かく切断したり、加熱処理を施したりと、様々な加工を加えることで、飲片として使いやすい形に整えます。
飲片にすることで、生薬の有効成分を効率よく抽出できるだけでなく、保存性を高め、品質を安定させる効果もあります。 また、大きさや形状が揃うことで、処方箋に従って正確な分量を計量しやすくなるという利点もあります。
飲片には、その形状や加工方法によって、様々な種類があります。例えば、刻んだものを「切片」、薄く削ったものを「片」、粉末状にしたものを「末」などと呼びます。漢方薬は、これらの飲片を、患者さんの体質や症状に合わせて、数種類組み合わせて作られます。飲片は、まさに漢方薬を構成する重要な要素と言えるでしょう。