東洋医学における触診:按腧穴
- 按腧穴とは
-按腧穴とは、東洋医学における重要な診断方法の一つで、体表に点在する特定の部位「経穴(けいけつ)」を指で触れて診断すること-を指します。
身体には「気」と「血」といった目には見えないエネルギーが循環しており、健康を保っていると考えられています。 この「気」と「血」の通り道である経絡には、体表上に360以上もの経穴が存在します。これらの経穴は、臓腑や器官と密接な繋がりを持つと考えられており、その状態を反映していると考えられています。
例えば、胃の調子が悪い場合は、胃と関連する経穴に圧痛や硬さ、熱感などが現れることがあります。逆に、特定の経穴を刺激することで、対応する臓腑や器官の機能を調整し、症状を改善に導くことも期待できます。
按腧穴は、患者さんの訴えや症状を把握する上で重要な手がかりとなります。東洋医学では、身体全体のバランスを重視し、病気の根本原因を探求していきます。そのため、問診や脈診、舌診などと共に、按腧穴を用いることで、より詳細な情報を得て、患者さん一人ひとりに合わせた適切な治療法を選択することが可能となります。