漢方の診察 東洋医学における「涕」:その意味と役割
- 「涕」とは何か「涕(テイ)」とは、東洋医学において、鼻からにじみ出る液体を指す言葉です。現代医学でいうところの鼻水とほぼ同じ意味を持ちますが、東洋医学では、単なる鼻水としてではなく、肺と深い関わりを持つと考えられています。東洋医学では、体の中を「気・血・津液」と呼ばれる要素が循環し、体の機能を維持していると考えられています。このうち、「津液」は、体内の水分全般を指し、さらに「津」と「液」に分けられます。「津」は、体内を潤すサラサラとした水分で、汗や涙などがこれにあたります。一方、「液」は、「津」よりも粘り気が強く、関節や臓腑を潤す役割を担い、唾液や胃液などが挙げられます。「涕」は、「津液」のうち、「液」に分類され、肺で変化した体液が、鼻から排出されたものと考えられています。そのため、「涕」は「肺の液」とも呼ばれます。つまり、「涕」は、単に鼻腔から出る分泌物ではなく、肺の状態を反映した重要なサインと捉えられているのです。
