伏脈

漢方の診察

東洋医学における「伏脈」: 深部に潜む生命のサイン

- 「伏脈」とは?東洋医学では、身体の表面に現れる様々なサインを手がかりに、その人の体質や病気の状態を判断します。その中でも、脈を診る「脈診」は、身体の状態を把握する上で非常に重要な診断方法の一つです。脈診では、手首の橈骨動脈を触れることで、脈の速さ、強さ、深さ、リズムなどを総合的に判断します。脈は、西洋医学的には心臓の鼓動として捉えられますが、東洋医学では、生命エネルギーである「気」の巡り方を反映していると考えられています。「気」は、全身をくまなく巡り、身体のあらゆる機能を維持しています。「気」の流れが滞りなくスムーズであれば、脈は規則正しく力強い状態となります。 反対に、「気」の流れが弱まっている状態では、脈は弱々しく、深いところを流れるようになります。このような脈を「沈脈」と言います。「沈脈」は、体力や生命力の低下を意味し、病が重篤化している可能性を示唆しています。「伏脈」は、この「沈脈」よりもさらに深く、まるで奥底に潜んでいるかのように触れにくい脈のことを指します。指でグッと押さないと感じられないほど弱く、深いところにあります。「伏脈」は、「気」が著しく衰弱し、生命力が極度に低下している状態を表しており、危険な状態であるとされています。
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気閉神厥證:感情の乱れが招く意識障害

- 気閉神厥證とは-# 気閉神厥證とは気閉神厥證とは、東洋医学において、突然意識を失い周囲の声かけにも反応できなくなる状態を指す「厥」の中でも、特に精神的なストレスやショックがきっかけとなって起こるものを言います。激しい怒りや恐怖、深い悲しみ、または予想外の喜びなど、強い感情の揺れ動きが引き金となって、心身のバランスを司る「気」の流れが滞ってしまうことが原因です。この「気」の乱れが、意識の消失という形で現れるのが気閉神厥證の特徴です。意識を失っている間は、顔色が蒼白になり、呼吸も浅くなります。脈は細く弱々しくなり、まるで糸のような状態になるため、「糸脈」と呼ばれることもあります。気閉神厥證は、一時的な意識消失であり、通常は数分から数十分で回復します。しかし、繰り返し発作が起こる場合や、意識が戻らない場合は、重篤な病気が潜んでいる可能性もあるため、注意が必要です。このような場合は、速やかに医師の診察を受けることが大切です。