漢方の診察 東洋医学における脾虚証:その概要と症状
- 脾虚証とは-# 脾虚証とは東洋医学では、人間の体は「気」「血」「水」の3つの要素が調和することで健康が保たれると考えられています。「気」は生命エネルギーの源であり、身体を温めたり、動かしたり、内臓の働きを維持したりと、様々な働きを担っています。この「気」は、主に呼吸によって体内に取り込まれた空気と、飲食物から作られます。「脾」は胃の奥に位置する臓腑で、飲食物から「気」を生成し、全身に供給する重要な役割を担っています。この脾の働きが弱まり、「気」を生み出す力が不足した状態を脾虚証と言います。脾虚証になると、消化吸収機能の低下により、食欲不振、胃もたれ、下痢などを引き起こしやすくなります。また、「気」が不足することで、全身にエネルギーが行き渡らなくなり、疲労感、倦怠感、無気力、顔色が悪い、息切れ、冷え性などを招きます。さらに、「気」は血液を血管に留めておく働きもあるため、脾虚証によって「気」が不足すると、不正出血やあざができやすくなることもあります。脾虚証は、現代社会のストレスや不規則な生活習慣、食生活の乱れ、冷たい食べ物・飲み物の摂り過ぎなどによって引き起こされやすく、近年増加傾向にあると言われています。
