内臓 東洋医学の基礎: 臟象学説入門
- 臓器の働きを超えて東洋医学、とりわけ中医学では、人体を物質的な存在として捉えるのではなく、自然と調和した存在として考えます。そして、生命エネルギーである「気」が体中をめぐることで、私たちは健康を保つことができるとされています。この考え方を基盤として、内臓の機能を体系的にまとめたものが「臓象学説」です。西洋医学では、心臓は血液を循環させるポンプ、肺は呼吸を行う器官といったように、それぞれの臓器が独立した機能を持つと考えられています。しかし、臓象学説では、内臓はそれぞれが独立しているのではなく、相互に影響し合い、全体としてひとつの調和のとれたシステムを形成していると考えます。例えば、心臓は血液を循環させる働きだけでなく、精神活動にも深く関わると考えられています。「喜び過ぎると心臓を傷める」ということわざがありますが、これは感情の動きと心臓の働きが密接に関係していることを示しています。このように、臓象学説は西洋医学的な臓器の機能という枠を超えて、より広範な視点から体の働きを理解しようとする、東洋医学独自の考え方と言えるでしょう。
