漢方の診察 衛營同病:表裏一体の病態
- 衛營同病とは-# 衛營同病とは東洋医学では、人間の体は「気」と呼ばれる目に見えないエネルギーによって守られ、維持されていると考えられています。この「気」の中でも、特に体の防御を担うのが「衛気」と「営気」です。「衛気」は、例えるならば体の表面をパトロールする勇敢な兵士のようなもので、外から侵入してくる風邪や寒さなどの邪気から体を守っています。一方、「営気」は体の隅々まで栄養を届ける輸送部隊のようなもので、体の内部に深く入り込み、臓腑を潤し、生命活動を支えています。通常、風邪などの邪気が体に侵入すると、まず「衛気」がこれを撃退しようと働きます。しかし、邪気が強く、「衛気」だけでは対処しきれない場合、戦場は次第に体の深部にと移っていきます。そして、ついに「営気」が働く領域にまで邪気が侵入してしまうと、体の深部で様々な不調が生じ始めます。これが「衛營同病」と呼ばれる状態です。つまり、「衛營同病」とは、体の表層を守る「衛気」と、体の深部を滋養する「営気」、両方が同時に病に侵されている状態を指します。風邪をこじらせてしまった時などにみられる、体の表面と深部の両方に症状が現れる状態が、まさにこの「衛營同病」にあたります。
