漢方の診察 風厥:肝の働きと突然の意識消失
- 風厥とは-# 風厥とは風厥とは、東洋医学において、まるで風に吹かれたように突然意識を失い、倒れてしまう病のことを指します。これは、現代医学でいうところの一時的な意識消失、つまり失神に相当します。東洋医学では、人間の生命活動を支えるエネルギーとして「気」という概念を重要視します。この「気」は、心、肝、脾、肺、腎という五臓六腑それぞれに宿り、それぞれ独自の働きを持つと考えられています。風厥は、この「気」の中でも、特に肝に深く関わる「肝気」の乱れによって引き起こされると考えられています。肝は、東洋医学では「疏泄(そせつ)」という、気の巡りをスムーズにする働きを担うと考えられています。しかし、怒りやストレス、疲労などによって肝の働きが阻害されると、この「疏泄」がうまくいかなくなり、気が滞ってしまうことがあります。この状態が「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と呼ばれるものです。肝気鬱結が起きると、気が上に逆流し、頭に上ってしまうことがあります。その結果、意識を司る機能が乱され、風厥のように突然意識を失ってしまうと考えられています。風厥は、症状が現れるスピードが速く、激しいため、「風」の字が当てられています。まるで強い風が吹き抜けるように、突然意識を失い倒れてしまう様子が目に浮かびます。
