漢方の診察 東洋医学解説:痛みを遊走させる行痹とは
- 行痹移動する痛みを理解する行痹とは、東洋医学で使われる言葉で、体のあちこちを痛みが移動する病気を指します。西洋医学でいう関節痛と似たような痛みを感じますが、行痹の場合は痛みが一箇所に留まりません。まるで体の中を風が吹き抜けるように、痛む場所が移動していくのが特徴です。このため、行痹は風痺とも呼ばれています。行痹は、体の防御機能である「衛気」が乱れることで起こると考えられています。衛気は、外部からの邪気(病気の原因となるもの)の侵入を防ぎ、体内を巡って体温や臓腑の働きを調整する役割を担っています。しかし、風邪や冷え、湿気などの影響で衛気の働きが弱まると、邪気が体内に侵入しやすくなります。侵入した邪気は、風のように体内を動き回りながら、筋肉や関節に影響を与えて痛みを引き起こすのです。 行痹の治療では、まず鍼灸や漢方薬を用いて、体内の邪気を追い出し、乱れた衛気を整えることが重要になります。同時に、普段の生活習慣を見直し、風邪や冷え、湿気に注意して、衛気を弱めないように心がけることも大切です。
