小児に多い目の病気、眼疳とは?
東洋医学を知りたい
先生、『眼疳』って東洋医学の言葉でどういう意味ですか?
東洋医学研究家
良い質問ですね。『眼疳』は、簡単に言うと、疳の症状が出ている子供によく見られる目の病気のことです。
東洋医学を知りたい
疳の症状が出ている子供、ということは、体のバランスが崩れているということですか?
東洋医学研究家
その通り!東洋医学では、肝の働きが活発になりすぎると、熱が目に影響を与えて、眼疳になると考えられています。
眼疳とは。
「眼疳」とは、東洋医学で使われる言葉です。疳の症状がある子供が、肝臓に熱がこもって目に影響が出ている状態のことを指します。
眼疳とは
– 眼疳とは
-# 眼疳とは
眼疳とは、東洋医学の考え方で捉える、主に小さなお子様に多く見られる目の病気のことです。この病気は、お子様に特有の体質、すなわち「疳証」を背景に起こると考えられています。
疳証の中でも、特に肝に熱がこもった状態、いわゆる「肝火」が目に影響を与えることで発症するとされています。
西洋医学の視点では、結膜炎や麦粒腫など、目に炎症が見られる様々な症状と関連付けられることがあります。
例えば、目が赤くなる、かゆみがある、涙が出る、まぶたが腫れる、目やにが出るといった症状は、眼疳でも見られることがあります。
眼疳は、お子様の体質や生活習慣、周囲の環境などが複雑に関係して起こると考えられており、東洋医学に基づいた診察や治療が必要となる場合があります。
眼疳を予防するためには、普段からお子様の体質に合わせた食事や生活習慣を心がけ、規則正しい生活を送ることが大切です。また、目を清潔に保ち、目を酷使しすぎないようにすることも重要です。
もし、お子様の目に気になる症状が見られた場合は、自己判断せずに、早めに専門の医師に相談するようにしましょう。
項目 | 説明 |
---|---|
定義 | 東洋医学の考え方で捉える、主に小さなお子様に多く見られる目の病気。疳証(特に肝火)が目に影響して発症するとされる。 |
西洋医学との関連 | 結膜炎や麦粒腫など、目に炎症が見られる症状と関連付けられることがある。 |
主な症状 | 目が赤くなる、かゆみ、涙、まぶたの腫れ、目やに |
原因 | お子様の体質、生活習慣、周囲の環境などが複雑に関係すると考えられる。 |
予防 | 体質に合わせた食事・生活習慣、規則正しい生活、目の清潔、目の酷使の回避 |
眼疳の原因
– 眼疳の原因
東洋医学では、子供の体は大人に比べて未発達であると考えられています。特に、食べ物を消化して体に必要な栄養に変える力はまだ十分ではなく、食べ過ぎたり、偏った食事を続けたりすると、胃腸に大きな負担がかかってしまうのです。
この胃腸への負担が大きくなると、体の中に余分な熱が生じます。そして、その熱がやがて肝臓にまで影響を及ぼし、肝臓の働きを乱してしまうと考えられています。この状態を、東洋医学では「肝火」と呼びます。
眼疳は、この肝火が目に症状として現れたものと考えられています。また、肝火は、精神的なストレスや不規則な生活、睡眠不足などによっても助長されるとされています。
つまり、東洋医学では、眼疳は、子供の未熟な体質、食生活の乱れ、そして精神的なストレスなどが複雑に絡み合って起こると考えられているのです。
原因 | 詳細 |
---|---|
子供の未熟な体質 | 消化機能が未発達であるため、食べ過ぎや偏食により胃腸に負担がかかりやすい。 |
食生活の乱れ | 食べ過ぎ、偏食などにより、胃腸に負担がかかり、熱が生じる。 |
精神的なストレス | ストレス、不規則な生活、睡眠不足などは肝火を助長する。 |
肝火 | 胃腸の負担やストレスにより肝臓に影響が出た状態。これが目に症状として現れると眼疳となる。 |
眼疳の症状
– 眼疳の症状
眼疳は、目にさまざまな不快な症状が現れる病気です。その症状は、現代医学でいう結膜炎や麦粒腫、眼瞼炎などと共通する点が多く見られます。
眼疳になると、まず目に充血が見られるようになります。これは、炎症によって目の血管が拡張するためです。同時に、かゆみを感じるようになり、無意識に目をこすってしまうこともあります。さらに、症状が進むと、痛みを伴うようになり、日常生活に支障が出ることもあります。
また、目やにが多く出るのも特徴的な症状です。これは、炎症によって白血球や細菌、剥がれ落ちた細胞などが涙に混ざって出てくるためです。さらに、まぶたが腫れることもあり、場合によっては目を開けるのもつらくなることがあります。
これらの症状に加えて、視力低下や羞明(まぶしさ)を伴うこともあります。視力低下は、炎症によって角膜が濁ったり、涙の量が減って眼球の表面が乾燥したりすることで起こります。また、羞明は、炎症によって光に過敏になっているために起こります。
眼疳は、症状が比較的軽い場合でも、適切な治療を行わなければ、症状が悪化したり、慢性化したりすることがあります。そのため、少しでも気になる症状があれば、早めに専門医の診察を受けることが大切です。
症状 | 説明 |
---|---|
充血 | 炎症によって目の血管が拡張するため |
かゆみ | 炎症による刺激 |
痛み | 炎症の悪化 |
目やに | 白血球、細菌、剥がれ落ちた細胞などが涙に混じる |
まぶたの腫れ | 炎症による |
視力低下 | 角膜の濁り、眼球表面の乾燥 |
羞明(まぶしさ) | 光への過敏 |
眼疳の治療法
– 眼疳の治療法
眼疳は、東洋医学では、体に必要な「気」や「血」の巡りが滞り、目の一部に熱が生じることで起こると考えられています。そのため、治療は、熱を取り除き、滞りを解消することで、体のバランスを整えることを目的とします。
そのために、まずは毎日の生活習慣を見直すことが大切です。食事は、消化の良いものを心がけ、胃腸に負担をかけないようにしましょう。具体的には、新鮮な野菜や果物を積極的に摂り、油っこいものや甘いものは控えるように心がけましょう。また、暴飲暴食は避け、腹八分目を心がけるようにしてください。
次に、十分な睡眠を確保し、心身ともに休ませるようにしましょう。睡眠不足は、体のバランスを崩し、眼疳の症状を悪化させる可能性があります。規則正しい生活を心がけ、質の高い睡眠を十分にとるようにしましょう。
これらの生活習慣の改善に加え、症状に合わせて漢方薬を用いることもあります。漢方薬は、自然の生薬を組み合わせることで、一人ひとりの体質や症状に合わせた治療を行うことができます。熱を取り除く効果のある生薬や、気の巡りを改善する効果のある生薬などが用いられます。
眼疳の治療は、自身の体質や生活習慣を見つめ直し、根本的な改善を目指すことが重要です。自己判断せず、東洋医学の専門家の指導を受けるようにしましょう。
原因 | 対策 | 詳細 |
---|---|---|
体の気や血の巡りの滞り、目に熱が生じる | 生活習慣の見直し |
|
体質、症状に合わせた治療 | 漢方薬の使用 | 熱を取り除く効果、気の巡りを改善する効果のある生薬などを用いる |
眼疳の予防
– 眼疳の予防
眼疳は、目の充血やかゆみ、痛み、目やになどを伴う目の病気です。眼疳にかかると、視界がぼやけたり、光がまぶしく感じたりすることもあります。眼疳を予防するためには、日頃から生活習慣に気を配り、身体の内側から健康な状態を保つことが重要です。
まず、食事は栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。特に、消化吸収を担う胃腸に負担をかけないことが大切です。暴飲暴食を避け、脂っこいものや甘いものは控えめにしましょう。また、睡眠は十分な時間をとり、疲れを溜めないようにすることが肝心です。睡眠不足は、身体の抵抗力を低下させ、眼疳などの病気を引き起こしやすくなります。
そして、目の清潔さにも気を配りましょう。特に、外出後や食事の前などこまめに手を洗い、目を触る前には必ず石鹸で手を洗いましょう。また、タオルは清潔なものを使用し、家族と共有することは避けましょう。定期的に眼科を受診し、目の状態をチェックすることも眼疳の早期発見・治療に繋がります。気になる症状がある場合は、自己判断せずに眼科医に相談しましょう。
予防ポイント | 具体的な方法 |
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身体の内側から健康な状態を保つ | ・栄養バランスのとれた食事を心がける ・暴飲暴食を避ける ・脂っこいものや甘いものを控えめにする ・十分な睡眠をとる |
目の清潔さを保つ | ・外出後や食事の前などこまめに手を洗う ・目を触る前には必ず石鹸で手を洗う ・清潔なタオルを使用する ・家族とタオルを共有しない ・定期的に眼科を受診する |