月経過多:東洋医学からの視点

月経過多:東洋医学からの視点

東洋医学を知りたい

先生、『月経過多』って東洋医学ではどんな風に考えるんですか?

東洋医学研究家

いい質問ですね。西洋医学では『月経過多』は単に経血量が多い状態を指しますが、東洋医学では体の状態や原因を探って治療します。例えば、血の巡りが悪くなっている『瘀血(おけつ)』や、体が冷えている『冷え』などが考えられます。

東洋医学を知りたい

なるほど。じゃあ、瘀血や冷えがあると、なんで月経過多になるんですか?

東洋医学研究家

瘀血は血の流れを滞らせるため、経血がスムーズに出にくくなり、結果として量が多くなることがあります。冷えは体が冷えることで血が固まりやすくなり、経血がダマになったり、量が増えたりすると考えられています。

月經過多とは。

東洋医学で使う言葉である『月経過多』とは、決まった周期で起こる出血ではありますが、その出血量が多いことを指します。

月経過多とは

月経過多とは

– 月経過多とは

月経過多とは、毎月の月経出血量が極端に多い状態を指します。普段通りの生活を送ることが難しくなったり、貧血によって疲れやすくなったり息切れがしたりするなど、生活の質を著しく低下させる可能性があります。

-# 月経過多の症状

月経過多と判断される目安には、以下のようなものがあります。

* 月経期間が7日以上続く
* 一回の生理でナプキンを20枚以上使用する
* 夜用のナプキンを使用しても経血が漏れてしまう
* 貧血の症状(立ちくらみ、めまい、動悸、息切れ、顔面蒼白など)が現れる

これらの症状に当てはまる場合、月経過多の可能性があります。

月経量は個人差が大きく、上記の基準に当てはまらなくても、普段の月経量と比べて明らかに多いと感じる場合は、一度医療機関を受診してみましょう。

月経過多の原因は様々で、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患が原因となっている場合もあります。月経過多が疑われる場合は、自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。

月経過多の症状
月経期間が7日以上続く
一回の生理でナプキンを20枚以上使用する
夜用のナプキンを使用しても経血が漏れてしまう
貧血の症状(立ちくらみ、めまい、動悸、息切れ、顔面蒼白など)が現れる

東洋医学的観点からの原因

東洋医学的観点からの原因

– 東洋医学的観点からの原因

東洋医学では、月経過多は「崩漏(ほうろう)」と呼ばれる病態に当てはまります。これは、体内の重要な要素である「気・血・水」のバランスが崩れることで起こると考えられています。

「気」は生命エネルギーを、「血」は血液とその働きを、「水」は体液全般を表します。健康な状態では、これらの要素は互いに影響し合いながら調和を保っています。しかし、冷えやストレス、疲労、食生活の乱れなどによってこのバランスが崩れると、様々な不調が現れると考えられています。

月経過多の場合、主に以下のような原因が考えられます。

* 冷えによる血行不良 冷えによって体が緊張し、血の巡りが滞ると、経血がスムーズに排出されず、量が増えてしまうことがあります。
* ストレスや疲労による気滞 過剰なストレスや疲労は「気」の流れを滞らせます。この気滞もまた、血行不良を引き起こし、月経過多につながると考えられています。
* 脾虚による消化吸収機能の低下 東洋医学では、脾は消化吸収を担うとともに、「血」を作り出す役割も担うと考えられています。そのため、脾の働きが弱まる「脾虚」の状態になると、血が不足し、月経周期や経血量をコントロールすることが難しくなると考えられています。

これらの要因は、体質や生活習慣によって複雑に絡み合い、月経過多を引き起こします。そのため、東洋医学では、一人ひとりの体質や状態を丁寧に診て、その人に合った治療法を見つけていきます。

原因 説明
冷えによる血行不良 体が冷えることで血の巡りが悪くなり、経血がスムーズに排出されず、量が増加。
ストレスや疲労による気滞 過剰なストレスや疲労は「気」の流れを滞らせ、血行不良を引き起こし、月経過多に繋がる。
脾虚による消化吸収機能の低下 脾の働きが弱まることで血が不足し、月経周期や経血量のコントロールが難しくなる。

体質に合わせた食事療法

体質に合わせた食事療法

– 体質に合わせた食事療法

東洋医学では、一人ひとりの体質に合わせた食事療法が重要視されます。体質は生まれ持ったものだけでなく、生活習慣や環境の影響も受けながら変化していくと考えられています。

例えば、月経に関する悩みを抱えている場合、その原因は冷えや血虚(けっきょ血が不足した状態)、脾虚(ひきょ消化吸収機能が低下した状態)など、人によって様々です。

冷えが原因で月経過多の症状が見られる場合は、体を温める効果のある食材を積極的に摂りましょう。生姜やネギ、羊肉などは体を温める作用があり、月経の悩みを和らげる効果が期待できます。

また、血虚が原因の場合は、ほうれん草やレバーなど、鉄分を多く含む食材がおすすめです。鉄分は血液の生成に欠かせない栄養素であり、積極的に摂取することで血虚の改善を目指します。

さらに、脾虚が原因で月経不順や月経痛が起こる場合は、山芋や米、かぼちゃなど消化しやすい食材を選び、胃腸への負担を軽減することが大切です。

このように、東洋医学では、自分の体質を正しく理解し、それに合った食事を心がけることが健康な状態を保つために重要であると考えられています。

体質 症状・原因 おすすめの食材 効果・作用
冷え性 月経過多など 生姜、ネギ、羊肉など 体を温める
血虚(けっきょ) 血液不足 ほうれん草、レバーなど 鉄分補給、血液生成
脾虚(ひきょ) 月経不順、月経痛など
消化吸収機能の低下
山芋、米、かぼちゃなど 消化しやすい、胃腸への負担軽減

生活習慣の改善

生活習慣の改善

– 生活習慣の改善

月経に関する悩みは、身体からのサインとして捉え、生活習慣を見直す良い機会と捉えましょう。

月経過多を改善するためには、身体を冷やさないようにすることが大切です。特に、下半身を温めることを意識しましょう。毎日の入浴では、シャワーで済ませずに湯船に浸かる習慣をつけましょう。湯船に浸かることで全身の血行が促進され、身体の芯から温まります。さらに、腹巻やレッグウォーマーを着用するのも効果的です。就寝時や冷えを感じる時に活用することで、下半身を冷えから守ることができます。

また、ストレスや疲労は、身体のバランスを崩し、月経にも影響を及ぼすことがあります。心身ともに健康な状態を保つために、十分な睡眠と休息を心がけましょう。睡眠は、身体の疲労回復だけでなく、心の安定にも繋がります。質の高い睡眠をとるために、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用は控え、リラックスできる環境を整えましょう。

適度な運動も、血行促進やストレス解消に効果が期待できます。激しい運動である必要はなく、ヨガやウォーキングなど、自分のペースで続けられる運動を見つけましょう。毎日継続することで、心身の安定に繋がり、月経の悩み改善にも役立ちます。

項目 具体的な方法 効果
身体を冷やさない * シャワーで済ませずに湯船に浸かる
* 腹巻やレッグウォーマーを着用する
* 全身の血行促進
* 下半身を冷えから守る
ストレスや疲労を溜めない * 十分な睡眠と休息
* 寝る前のスマートフォンやパソコンの使用は控える
* リラックスできる環境を整える
* 身体の疲労回復
* 心の安定
適度な運動 * ヨガ
* ウォーキング
* 自分のペースで続けられる運動
* 血行促進
* ストレス解消
* 心身の安定

専門家への相談

専門家への相談

– 専門家への相談

-# 専門家への相談

月経時の出血量が多い状態が続く「月経過多」。これは、日常生活に支障をきたすだけでなく、放置すると貧血が悪化したり、子宮筋腫や子宮内膜症といった病気が隠れている可能性もあるため、注意が必要です。

月経過多を感じたら、自己判断せず、まずは医療機関を受診しましょう。婦人科で医師の診察を受け、適切な検査と治療を受けることが大切です。

西洋医学的な治療と並行して、東洋医学的な観点からのアプローチも検討してみましょう。漢方医学では、月経過多は体の冷えや気・血の巡りの滞り、そして精神的なストレスなどが原因で起こると考えられています。

漢方専門医は、あなたの体質や症状に合わせて、漢方薬の処方や食事、生活習慣のアドバイスを行います。また、鍼灸師による鍼灸治療も、気・血の巡りを整え、体のバランスを整える効果が期待できます。

重要なのは、西洋医学と東洋医学、両方の観点から自分に合った治療法を見つけることです。専門家である医師や漢方専門医、鍼灸師に相談し、適切な治療やアドバイスを受けるようにしましょう。

項目 内容
月経過多とは 月経時の出血量が多い状態が続くこと。日常生活に支障をきたすだけでなく、貧血悪化や子宮筋腫、子宮内膜症などのリスクもある。
西洋医学的アプローチ 婦人科を受診し、医師の診察、検査、治療を受ける。
東洋医学的アプローチ 体の冷えや気・血の巡りの滞り、精神的ストレスなどが原因と考えられる。
漢方専門医による漢方薬の処方、食事・生活習慣のアドバイス、鍼灸治療などを行う。
重要なこと 西洋医学と東洋医学、両方の観点から自分に合った治療法を見つけること。医師や漢方専門医、鍼灸師に相談し、適切な治療やアドバイスを受ける。
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