東洋医学が解説する鼻詰まりの原因と対策
東洋医学を知りたい
先生、『鼻塞』って東洋医学ではどんなふうに考えられているんですか?
東洋医学研究家
いい質問だね。『鼻塞』は、東洋医学では単に鼻の病気として捉えるのではなく、体の全体のバランスが崩れた結果として起こると考えられています。
東洋医学を知りたい
体のバランス…ですか?
東洋医学研究家
そう。例えば、風邪の初期症状として鼻塞が起きる場合は、体の防衛反応として『邪気』を追い出そうとしていると考えます。他にも、胃腸の働きが弱っている場合にも鼻詰まりやすいなど、様々な要因が考えられますよ。
鼻塞とは。
東洋医学で使う『鼻塞』という言葉は、鼻の穴が詰まっている状態のことを指します。
鼻詰まりとは
– 鼻詰まりとは
-# 鼻詰まりとは
鼻詰まりは、鼻の中にある空気が通る道が狭くなってしまうために起こり、息がしにくくなる状態のことです。本来、鼻は呼吸をするための重要な器官ですが、鼻詰まりが起こると、この機能が十分に働かなくなります。その結果、息苦しさを感じたり、匂いを感じにくくなったりします。
鼻詰まりの原因は様々ですが、大きく分けて体の外からの影響と、体の内側の状態が影響していると考えられます。例えば、風邪などの感染症や、花粉などが原因で起こるアレルギー性鼻炎などは、体の外からの影響で鼻詰まりが起こる代表的な例です。
東洋医学では、これらの原因に加えて、体の内側の状態も鼻詰まりと密接に関係していると考えます。特に、体の水分代謝や気の流れの乱れが、鼻詰まりを引き起こす大きな要因として捉えます。体の中に余分な水分が溜まっている状態や、気がスムーズに流れていない状態は、鼻の粘膜に影響を与え、鼻詰まりを引き起こしやすくなると考えられています。
原因 | 詳細 |
---|---|
体の外からの影響 | – 感染症 – アレルギー性鼻炎 – 花粉など |
体の内側の状態(東洋医学) | – 水分代謝の乱れ – 気の流れの乱れ |
東洋医学の見解
– 東洋医学の見解
東洋医学では、鼻詰まりは、単に鼻だけに問題があるのではなく、体全体の調和が乱れているサインとして捉えられています。
特に、生命エネルギーである「気」、血液の循環である「血」、体液のバランスである「水」、これら3つの要素のバランス、すなわち「気血水の巡り」が滞ってしまうことが、鼻詰まりの大きな原因だと考えられています。
「気」の流れが滞ると、体の防御機能が低下し、鼻の粘膜が弱くなって、外部からの刺激を受けやすくなります。その結果、鼻水が増えたり、鼻が詰まったりすると考えられています。「血」の巡りが悪いと、鼻の粘膜に栄養が行き渡らず、乾燥したり炎症を起こしやすくなります。また、「水」の巡りが滞ると、体内に余分な水分が溜まり、それが鼻の粘膜に影響して、腫れや詰まりを引き起こすと考えられています。
さらに、東洋医学では、体が冷えている状態や、胃腸の働きが弱っている状態も、鼻詰まりを起こしやすくすると考えられています。これは、体が冷えることで気血水の巡りが悪くなり、胃腸が弱ることで、体全体のエネルギーが不足し、鼻の粘膜の機能が低下してしまうためです。
このように東洋医学では、鼻詰まりを体からのサインとして捉え、その原因を体全体のバランスの乱れから考えていきます。
要素 | 影響 | 鼻詰まりとの関係 |
---|---|---|
気 | 生命エネルギー 体の防御機能 |
流れが滞ると、防御機能が低下し、鼻粘膜が弱くなり、鼻水増加や鼻詰まりが起こる。 |
血 | 血液の循環 | 巡りが悪いと、鼻粘膜に栄養が行き渡らず、乾燥や炎症が起こりやすくなる。 |
水 | 体液のバランス | 巡りが滞ると、体内に余分な水分が溜まり、鼻粘膜に影響して、腫れや詰まりを引き起こす。 |
冷え | 体の冷え | 気血水の巡りを悪くし、鼻詰まりを悪化させる。 |
胃腸の働き | 消化機能 | 弱ると、体全体のエネルギーが不足し、鼻粘膜の機能が低下し、鼻詰まりが起こりやすくなる。 |
主な原因
– 主な原因
東洋医学では、鼻が詰まる原因は、体のバランスが崩れることで生じる「邪気」が関係していると捉えます。
特に、「風邪(ふうじゃ)」、「寒邪(かんじゃ)」、「湿邪(しつじゃ)」の三つの邪気が鼻詰まりを引き起こす主要な原因であると考えられています。
「風邪」は、その名の通り、風邪の原因となる邪気です。
春や秋など、季節の変わり目は、気温の変化が激しく、体がその変化にうまく適応できないため、風邪の邪気が体に侵入しやすくなります。
「寒邪」は、冷えからくる邪気です。
冬場や冷房の効いた部屋など、体が冷える環境では、寒邪が体に侵入しやすくなります。
「湿邪」は、湿度の高い環境や、過剰な水分摂取によって体に溜まりやすい邪気です。
梅雨の時期や、冷たい飲み物、生野菜、果物などを過剰に摂取することで、湿気が体にこもりやすくなり、鼻詰まりが悪化しやすくなります。
これらの邪気が鼻に侵入すると、鼻の粘膜に炎症を引き起こし、鼻詰まりを引き起こすと考えられています。
邪気のタイプ | 説明 | 原因・悪化する条件 |
---|---|---|
風邪(ふうじゃ) | 風邪の原因となる邪気 | ・季節の変わり目 ・気温の変化 |
寒邪(かんじゃ) | 冷えからくる邪気 | ・冬場 ・冷房の効いた部屋 |
湿邪(しつじゃ) | 湿度の高い環境や、過剰な水分摂取によって体に溜まりやすい邪気 | ・梅雨の時期 ・冷たい飲み物、生野菜、果物の過剰摂取 |
体のサインを見逃さない
– 体のサインを見逃さない
東洋医学では、体の不調を改善するには、その根本原因にアプローチすることが重要だと考えます。例えば、鼻詰まりは、多くの人が経験するよくある症状ですが、その原因や症状は人それぞれです。風邪の初期症状として現れることもあれば、慢性的なアレルギー性鼻炎や、鼻の奥にある空洞に膿がたまる蓄膿症などが原因で起こることもあります。
そのため、東洋医学では、鼻詰まりだからといって、一様に同じ治療をするのではなく、まずはその人の体質や生活習慣、そして鼻詰まりの状態を詳しく見極めることから始めます。例えば、鼻水が透明でサラサラしているのか、黄色や緑色で粘り気があるのか、鼻の奥が痛いのか、頭が重い感じがするのかなど、細かい症状を丁寧に観察します。
そして、その人の体質や症状に合わせて、食事や生活習慣の改善、ツボ療法、漢方薬の処方など、様々な方法を組み合わせていきます。日頃から自身の体の状態を観察し、鼻詰まりの原因を探ること、そしてその原因に合わせた適切な養生法を実践することが大切です。例えば、冷えが原因で鼻詰まりを起こしやすい人は、体を温める食材を積極的に摂ったり、温かい服装を心がけたりすることが重要です。
このように、東洋医学では、体のサインを見逃さずに、その根本原因から改善していくことが、真の健康につながると考えています。
東洋医学の考え方 | 鼻詰まりの場合 |
---|---|
体の不調の原因にアプローチする | 鼻詰まりの原因を、体質、生活習慣、症状から詳しく見極める。例えば、鼻水の状態、痛みの有無、頭痛の有無など |
一人一人に合わせた治療 | 体質や症状に合わせて、食事、生活習慣、ツボ療法、漢方薬などを組み合わせる |
体のサインを見逃さない | 日頃から体の状態を観察し、鼻詰まりの原因を探り、適切な養生法を実践する。例えば、冷えが原因なら体を温める |
日常生活での対策
– 日常生活での対策
鼻詰まりは、東洋医学では「風邪(ふうじゃ)」の初期症状として捉えられ、体の冷えが原因の一つと考えられています。その為、日常生活では、体を温めることを意識することが大切です。
体を温めるためには、まず、食事に気を配りましょう。 冷たい飲み物や生野菜、南国でとれる果物などは体を冷やす作用があるため、摂り過ぎないように注意が必要です。その代わりに、体を温める効果のある食材を積極的に食事に取り入れていきましょう。例えば、生姜は体を温める作用が強い食材として知られています。生姜湯として飲んだり、料理に利用したりすることで、効果的に体を温めることができます。
衣服で体を温めることも効果的です。特に、首元、お腹、足首を温めるように心がけましょう。また、ゆっくりと湯船に浸かる習慣も、体を芯から温める効果があります。熱いお風呂に長時間浸かる必要はありません。ぬるめのお湯に10分ほど浸かることで、十分に体が温まります。
適度な運動も、血行を促進し、体の冷えを改善する効果があります。激しい運動である必要はなく、ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす習慣を心がけましょう。
これらの日常生活の改善を積み重ねることで、鼻詰まりの改善だけでなく、健康な体作りにも繋がります。
対策 | 具体的な方法 |
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体を温める食事 |
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衣服で保温 |
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入浴 |
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適度な運動 |
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